文学
科学者と芸術家
あらすじ
今でこそ芸術と呼ばれるものの範囲は広くなってきたが、寺田寅彦が活躍した時代は、寺田の専門分野であった物理学を含む科学全般と芸術は、まったく関係のないものと思われていた。夏目漱石の門下生で俳人でもあった寺田が、そうしたジャンルの壁を超えるべく書いたのが「科学者と芸術家」。近代理論物理学にキュビズムや未来派を関係づけ、芸術家が表現しようとする「ある物」が科学者にとっての「事実」や「方則」と遠くないのではないかと寺田は考える。そしてどちらにも必要なのは、直感やインスピレーションなのだと。自信があるのか、ないのか不思議な文体なのだが、さすが科学者。厳密でありたい思いは伝わってくる。

