文学
一握の砂
あらすじ
「悲しき玩具」と並ぶ、石川啄木の代表作。三行詩と呼ばれる詩のスタイルで、故郷や両親への思い(たはむれに母を背負ひて/そのあまり軽きに泣きて/三歩あゆまず)、青春の記憶、厳しい作家としての現実(はたらけど/はたらけど猶わが生活楽にならざり/ぢっと手を見る)などが切々と歌われている。最後まで借りること以外ではお金に縁のない人生だった啄木。わずか26歳で亡くなった啄木は、”友がみなわれよりえらく見ゆる日よ/花を買ひ来て/妻としたしむ”と歌ったが、今ではその友人たちよりも、確実に読者と共感を得られているだろう。あまりに正直に綴った孤独と悲しみの言葉は、いつの時代もその役割を変えながら読まれ続ける。

