文学
歌集 悲しき玩具
あらすじ
肺結核のため26年で短い生涯を終えた啄木。「悲しき玩具」は晩年の句を連ねた歌集である。“呼吸すれば、/胸の中にて鳴る音あり。/凩よりもさびしきその音!”。余命長くない悲しみや病気の苦しみを詠んだものが多いため、決して明るい歌集ではない。時にもっと生きたいと願い、時に早く死んでしまいたいと嘆く啄木。“かなしくも、/病いゆるを願はざる心我に在り。/何の心ぞ。”
そんな中に登場する家族との戯れや、季節のうつろいの句はいっそう鮮やかである。“児を叱れば、/泣いて、寝入りぬ。/口すこしあけし寝顔にさはりてみるかな。”“秋近し!/電燈の球のぬくもりの/さはれば指の皮膚に親しき。”

