文学
草枕
あらすじ
冒頭の「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」で知られるこの物語。日露戦争の頃。洋画家である主人公が、山中の温泉宿に宿泊する。やがて「非人情」な美しさを持つ宿の若女将那美は、洋画家に自分の画を描いてほしいと頼むが、彼は「足りないところがある」と断った。ある日、偶然別れた夫と汽車の窓ごしに見つめ合った那美の横顔に、「憐れ」を見た洋画家は「それだ、それだ、それが出れば画になりますよ」と言うのだった。画家を登場させながら、漱石の芸術論を語った作品としても読むことができ、西欧化と東洋文化に揺れる日本人をも描いている。

