文学
彼岸過迄
あらすじ
須永は労働をせず、日々思想に耽って過ごす高等遊民。叔父や母の勧めで、従妹・千代子との結婚を迫られているが、どうも煮え切らない。その実は、学がありすぎるがために女の未知に恐怖を感じていたからだった。しかしそんな「恐れる男」須永も、ライバルが現れると嫉妬心に駆られる。それを見た「恐れない女」千代子は、優柔不断な須永に「貴方は卑怯だ」と言う。結婚する気もないのに思わせぶりな態度を取るのは侮辱であると。千代子もまた実は、学のない自分は須永に馬鹿にされていると思っていたのである。漱石、修善寺の大患後の復帰作は、「行人」「こころ」と続く、後期三部作の初作ともなる。

