文学
セロ弾きのゴーシュ
あらすじ
賢治の物語といえば、ファンタジックで無垢なものばかりと思われがちだが、ここに登場するゴーシュは違う。ゴーシュは粗野で小心者でだらしない若者であり、楽長に「音が遅れた」「糸が合っていない」「感情が出ない」と叱られた鬱憤を晴らしに、生意気な三毛猫をさんざんに虐めたりもする。それでも毎夜訪れる動物たちの純粋なリクエストに応えるうち、セロの上達とともに、謙虚な心や他者を喜ばせる喜びを知り、成長してゆく。自分勝手で我が儘な、現代人のわたしたちと何ら変わらないゴーシュ。彼と同化して、わたしたちは物語を生き、成長を体験することができる。

