文学
酒中日記
あらすじ
国木田独歩が、上京するまでに過ごした山口県を舞台に描いた作品。これはタイトルからイメージされる酔いどれの話ではない。真摯に生きようとすれども、取り巻く悪たれどもによって、意図しない辛い人生を歩まざるを得なかった主人公の悲哀が日記として描かれている。何も悪いことをしたわけではないのに、まるで追われる悪人のような心境に陥り、ついには大事な人まで失ってしまう男。それらを乗り越えた平和な日々を経て、それでも死の間際に浮かぶのは、彼が心にずっと持ち続けていた苦悩と後悔。それは最期のときまで消える事なく、読者の心の底にまで沈んで行く。

