文学
外科室
あらすじ
伯爵夫人が、思いを寄せる青年医師高峰に手術を受ける場面から物語は始まる。夫人は自分の胸のうちの想いが現れることを恐れて、麻酔なしで自分の胸を切り開くことを希望する。そんな二人の出会いは、九年前に一度だけ、小石川植物園ですれ違いざまに目を交わしただけ。瞬間的な一目惚れののち手術台で再会したふたりは、解剖の中、お互い喜びに浸りながら心を開いていく。荒唐無稽でありながら、ありきたりの恋や情や積み重ねではない純粋恋愛至上主義を描き切った、鏡花のロマンチシズム満開の作品。耽美、美学という価値観に浸りたい。

