文学
二十世紀旗手
あらすじ
エッセイとも日記ともつかない、不思議な小説。神話のような世界が語られるかと思えば、太宰治本人が登場し、視点も一人称や三人称が混在する。薬物中毒に心中と、太宰が心身ともにひどい時期の作品であり、如実にその状態が反映した作品と言えるだろう。とはいえ、さすが太宰。中毒性の高いリズムや文体、口に出したくなるようなセリフが多く登場する。“声の大なる言葉のほうが、「真理」に化す。ばか、と言われた時には、その二倍、三倍の大声で、ばか、と言い返せよ。”や“一語はっするということは、すなわち、二、三千の言葉を逃す冷酷むざんの損失を意味して居ります。”さて、いかがだろうか。

