文学
河童
あらすじ
男が落ちた穴の先には、河童の世界があった。精神病者が語る河童の世界は、人間界とはいろいろなことが逆。服を着ることが笑われたり、生まれてくる赤ちゃんは生まれるかを自分で選ぶことができたりする。学生から医者、詩人、音楽家、哲学者、漁師に会社社長まで、多彩な河童たちが、人間にとってあべこべに。だからこそ真実を突いた言葉を河童語で語り続ける。これは芥川流の社会風刺。人間界に戻った男は、狂人として扱われてしまう。私たちは、本当は河童の世界が正しいかもと考えながら、河童を語る狂人が否定される姿に、芸術家としての芥川の苦悩を重ねてしまう。

