文学
地獄変(新字新仮名)
あらすじ
似顔絵を描けば魂が抜かれると言われるほど良秀は最高の絵師だったが、傲慢で嫌われた男でもあった。ある殿に「地獄変」の絵を依頼されるも、「実際見たものしか描けない」良秀は、牛車の中で火に焼ける女だけが描けないという。そこで殿が手配し焼き殺されたのは、なんと良秀の娘だった。
娘を犠牲しても描くことをやめず完成させた良秀の絵は、本当の地獄のようだったことだろう。目の前で娘が焼かれるなど、もはや地獄でしかなかっただろうから。もしかすると、それは芥川も小説家として憧れた境地なのかもしれない。命と引き換えにしか得られない小説があるとすれば、死んでも読んでみたい。

