八秒で跳べ
坪田侑也(著)
/文春e-book
作品情報
ふたりが出会った夜から何か変わりはじめる――〈青春〉の化学反応を目撃せよ!
春高バレーの予選まであと数日。宮下景が所属する明鹿高校男子バレー部は、6月のインターハイ予選で初めて県の準決勝まで進んだ。チームを引っ張るのは、同学年の2年生エース置久遊晴。「いまのチームなら全国も目指せる」と、3年生3人が引退をせずにチームに残り、景、梅太郎らのレギュラーメンバーで、夏に敗れた全国常連の強豪校・稲村東と戦うことになるはずだった。
けれど・・・・・・あの時。まずい、と思ったときにはすでに体勢が崩れ、足首から下が、ぐにゃりと曲がっていた。勝負の稲村東戦へ代わりに出場にすることになったのは、中学時代からのクラスメイト北村。実は大会後、北村が退部届を出すつもりでいたことを、景だけは知っている。だからこそ「勝手にしてくれ」と思ってしまった。そしてあの日から、何か歯車が狂いはじめる。
一方、怪我をする前夜、高校のフェンスを乗り越えようとしていた真島綾。それに驚いて自転車から転んだ景は足首を痛めていた。そのことに責任を感じているらしい真島に、景はバレー部のポスターを依頼し、連絡を取り合うようになる。圧倒的な画力で学園祭のポスターも手掛けた真島には、しょっちゅう高校を休みがちで、実は親友にしか明かしていない秘密があった。
景の側にいつもあったバレーボール、真島の側にいつもあった漫画。それぞれが楽しくて、ずっと続けてきたはずなのに、いつから苦しくなってしまったんだろう!? 自分の居場所が見つけられず、前に進めずにいるふたりの想いは交差しながらも、遂にクリスマス前夜に止まっていた時間が流れ出す――。
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商品情報
- シリーズ
- 八秒で跳べ
- 著者
- 坪田侑也
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春e-book
- 書籍発売日
- 2024.02.10
- Reader Store発売日
- 2024.02.10
- ファイルサイズ
- 2.3MB
- ページ数
- 336ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (18件のレビュー)
-
/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/
なるほど〜
こういう感じか〜 という展開でした。
バレーボールが描かれている時間はわずかで、主人公、景のもやもやとの葛藤がメインで表…現されています。
エースとか、セッターではなく、なんとなく冴えない宮下を中心として、お話は進んでいくのが、なんともいえないです。
高校生のリアル感を感じました。部活との向き合い方とか、女性との距離感とか。懐かしいな…
私が高校生の頃は、ゲームばかりやっていましたが、バレーボールもそれなりに時間をかけてやっていました。
ただただ、どちらも成長していくのが面白かったんだと思います。ゲームは上手くなったり、キャラのレベルがあがったりしますし、バレーはやるだけ上手くなっていったと思います。
今も、成長を追い求めているところから、変わっていないなぁ、と思います。本質は、ただただ、レベルアップが楽しいだけのような気がしています(笑)
この作品の最後で、とても熱い想いを思い出しました。熱くなる瞬間を忘れないように、いつまでも燃えていきたいです。
/_/ あらすじ _/_/_/_/_/
怪我をきっかけに、バレーとの向き合い方を考えることになる景。同じタイミングで、同じように壁にぶちあたっている綾と出会う。
2人は微妙な距離感ながらも、お互いに影響を与え、また、壁にむかっていきます。
/_/ 主な登場人物 _/_/_/
◻︎明鹿高校
【バレー部】
宮下景 2年、けい、ライト、
伏見梅太郎 2年、ガタイがいい
北村走一 2年、色白、細め
辻谷恭平 2年、高身長、細め
辻谷 2年、マリオ、明るい
尾久遊晴 2年、おくゆうせい、背が低い、跳躍力高い、エース
塩野透 2年、キャプテン、セッター
柿間 3年
【クラスメイト】
浦井 2年
真島綾 2年続きを読む投稿日:2024.04.27
突然、今からウン十年前の部活時間の空気が蘇りました。先輩たちとの言葉のやり取り、同学年の誰がレギュラーに選ばれるかのの心の揺れ、他校の選手とのわずかな交流、合宿所の食事、帰宅部のヤツらとの会話…そして…、なによりも「なんでこの部活やってるんだろう、オレ…?」という自問自答。ちょっと自意識過剰気味でモヤモヤモンモンしていた、あの時代の缶詰を開けられたような感じです。この本は21歳の医学部生が第二作として書いた本ということで著者のインタビューから手にした本ですが、まさに直近の自分ごとをフレッシュパックした作品なのでしょう。そのインタビューでも「王道青春小説」と評していましたが、青春のど真ん中は半世紀のタイムラグがあっても変わらないのだと、思います。青春というと安易な単語に思えますが『私にとって切っても切り離せないもの』への気づきを直球(ちょっとストレート過ぎるけど…)で表現していると思えば、その模索がティーンエイジ後半の大テーマであり、それは実は人生にわたる普遍性のある問いであることが、この小説が自分にも訴えかけてくる本質なのだと思います。決してのあの時代へのノスタルジーだけじゃない…かも…。続きを読む
投稿日:2024.05.19
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