汚れた手をそこで拭かない
芦沢央(著)
/文春文庫
作品情報
もうやめて・・・・・・ミステリはここまで進化した!
第164回直木賞候補作。
ひたひたと忍び寄る恐怖。
ぬるりと変容する日常。
話題沸騰の「最恐」ミステリ、待望の文庫化。
閉鎖空間に監禁された
デスゲームの参加者のような切迫感。──彩瀬まる
平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、元不倫相手を見返したい料理研究家・・・・・・。きっかけはほんの些細な秘密だった。
保身や油断、猜疑心や傲慢。
内部から毒に蝕まれ、
気がつけば取返しのつかない場所に立ち尽くしている自分に気づく。
凶器のように研ぎ澄まされた“取扱い注意”の傑作短編集。
解説=彩瀬まる
※この電子書籍は2020年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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商品情報
- シリーズ
- 汚れた手をそこで拭かない
- 著者
- 芦沢央
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2023.11.08
- Reader Store発売日
- 2023.11.08
- ファイルサイズ
- 0.4MB
- ページ数
- 288ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (125件のレビュー)
-
またしても体調を崩している。
なんだか今年は季節の変わり目全部で体調を崩していて、厄年が全て終わったにも関わらず、しんどかったような気がしている。細菌が目に見えたらいいのに。免疫が目に見えたらいいのに…。
今回は、咽頭炎だ。
発熱もない、頭痛もだるさも鼻水もない。ただただ、喉が痛くなって、声が出なくなった。
今はもう声以外の不調は全くなく、約一週間、声が出ない生活を送っている。
仕事に支障は出まくりだし、家にいても独り言ばっか言ってたことに気づかされるし、結局わたしは一人で外出している時以外は基本的にずっと喋っているらしい。そんな時はもう、カフェで読書一択!
人間関係を描いているのに、まるでホラー作品を読み終えたかのような読了感を覚える作品というのが、ある。代表例は、辻村深月さんの『噛みあわない会話と、ある過去について』とか。
あの、ぐりぐりとこちらを追い詰めてくるような描き方は本当に本当に怖かった。
で、本作品はというと。
5つの作品の主人公(もしくは登場人物の一人)は、みんなある隠し事を抱えている。その隠し事は、絶対に他人にばれてはいけない。でも、もしかしたら誰かには、その隠し事のことがばれたかもしれない。そしてその誰かは、ばれたら一番やばいやつかもしれない――
という、ずっとこのヒヤヒヤ感とともに進んでいく読書で、まるでそれは、解説を担当されている彩瀬まるさんの言葉を借りると「閉鎖空間に監禁されたデスゲームの参加者のような切迫感」。カフェの喧騒が嘘のように静かになった世界で、わたしの唾を呑む音だけがごくり、と響き渡る。悲鳴を上げそうになったその瞬間、再び喧騒の中へ。何が起こったか分からなくなると同時に、息苦しさだけが残り、呼吸が浅くなっていることに気付く。目の前には、まだ温かいソイラテ。そんなに時間は経っていないはずなのに、ずいぶんと時間が経っているような気がする。それだけ追い詰められていたということか。
特に印象的な作品は2つ。『埋め合わせ』と『ミモザ』
いずれもものすごく日常的な場面を描いている分、怖さがましまし。
『埋め合わせ』の主人公は小学校の先生。日直で学校へ行った日に、あることをやらかしてしまう。彼は必死でそれを隠そうと、計画を企てる。そして実行する。さて、この計画は果たして成功するのか否か。
『ミモザ』の主人公は、料理研究家の女性。現在は結婚し、夫がいる。しかし、すでに関係が終わった不倫相手に再会。彼が放つ言葉が、愛の言葉だったらまだマシだったかもしれない。
この『埋め合わせ』に、五木田先生という先生が出てくる。
この男、読みながらやばい匂いがぷんぷんしているのだけれど、この先生、実写化したらたぶんわたしの好みなんじゃないかという気がしていて、P82「とらえどころがなく、いつも飄々としていて、話していると落ち着かなくなる。(中略)なぜかこの男から呼ばれると男子生徒からふざけ交じりに『センセイ』と呼びかけられているような気持ちになるのだ」。たぶん、シュっとしていて黒縁のメガネをかけた無造作ヘアー男子だと思うんだよね(偏見)。それでいて学校の先生!
あと、『お蔵入り』に出てくる小島のそこはかとない色気の描写。P149「スポーツ中かのような健やかさと、それを裏切る双眸の暗さ。土でわずかに汚れた頬と、濡れて額に張りついた長い前髪には、どこか倒錯した色気がある」。
こういう描写があるのも、やっぱり女性作家さんの作品だよなぁ(偏見)。
だけど、基本的には要注意の作品。裏表紙にもあるように、「凶器のように研ぎ澄まされた”取扱い注意”の傑作短編集」です。ゾクゾクしたい時におすすめ。続きを読む投稿日:2023.12.03
このレビューはネタバレを含みます
うわーこわい。
レビューの続きを読む
面白い。
人間の怖さ満載。
選択を間違え転げ落ちていく人たちのお話。
個人的には最後の2つがお気に入り。
これからが修羅場ってところで終わったりするのが面白いなー。
あーあ…こ…の人どうするんだろう?
でも自業自得だよな。
あの時こうしてればよかったのに。
等々、人の人生ながら色々口出ししたくなる。
自分も選択を間違えないようにしないと。
続きを読む投稿日:2024.05.28
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