私たちの世代は
瀬尾まいこ(著)
/文春e-book
作品情報
『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者による書下ろし長編
いまを生きる私たちの道標となる物語の誕生!
「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」
今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。
不自由で息苦しかった毎日。
家で過ごすことが最善だとされていたあの期間。
多くの人から当たり前にあるはずのものを奪っていったであろう時代。
それでも、あの日々が連れてきてくれたもの、
与えてくれたものが確かにあった――。
【著者より】
何かと制限され思いどおりに過ごせない毎日を、大人も子どもも、
誰しもが困難を抱えながら進んできたと思います。
そして、これから、また違う日々に向かわないといけない中で、
ほんの少しでも明るいものを差し出せる物語になれれば。
そう思っています。
明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日から――
『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者による書下ろし長編。
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商品情報
- シリーズ
- 私たちの世代は
- 著者
- 瀬尾まいこ
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春e-book
- 書籍発売日
- 2023.07.24
- Reader Store発売日
- 2023.07.24
- ファイルサイズ
- 0.7MB
- ページ数
- 280ページ
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この作品のレビュー
平均 4.4 (301件のレビュー)
-
ブクログでのこの本のレビューとラムネの写真の表紙が気になり、手にとったこの作品。澄みきった2本のラムネのように、爽やかな読了感を味わうことができた。読みながら、胸に込み上げるものがあり、作品の世界に入…り込んでいた。瀬尾まいこさんの作品の温もりを存分に味わえることができた。
中心人物は、岸間冴と江崎心春、小学校3年生への進級から物語が始まる。その時代は感染症の流行が生じていた。私たちが経験した令和の時代とつながる。身近に起こった出来事なので、登場人物の世界と今の状況がつながっていった。それが、私の中で想像する物語の世界を鮮明にしていったのだろうな。物語の中で、起こっているオンライン授業や分散登校、マスクの生活、ソーシャルディスタンスは、現実の世界と重なる。その時代をどんな世代で経験したかによって、感じ方や考え方は異なるところもあるだろう。子供にとっては、どうだったのだろう。当たり前の日常が当たり前ではなかったことを味わった日々。それでも、日々を過ごしていた。
冴と心春の置かれた状況は異なっていたが、それぞれに悩みを抱え、生活ていた。その支えは、家族であり、身近な大人であり、同級生であり、ネットでつながっている人であった。それぞれの状況は異なっているけれど、それまでとは違う日常を過ごしていた。日常の変化は、その家庭や状況によって変わっていく。そんな冴も心春も、小学校、中学校、高校、大学、就職といった時を経過していく。
冴には、母親や街の人々、そして同級生の清塚蒼葉が大きな心の支えとなっていく。蒼葉は、過酷な家庭環境の中で生活していた。そんな蒼葉に対して、冴の母親は関わり続けていく。その関わり方は、なかなかできることではないなと思いながらも、冴の母親の抱えている体の状態が明らかになるにつれ、また胸が熱くなっていった。母親の言動から心の強さと温もりを感じた。冴にとって、身近な存在でかけがえのない存在である母親のすべてが、冴の中に生きている、そんなことを想像していた。そんな冴と蒼葉は、小学生から、ずっと互いを思い合うよい関係を続けていく。それが微笑ましく、そして、爽やかさを感じ続けて読み進めた。
心春の支えは、家族とSNSでつながる同級生カナカナと家庭教師の樋口だった。しかし、最も身近な家族とはなかなか意思疎通が図れず、苦しい思いを抱えていた。だから、カナカナや樋口の存在は大きくなっていったのだろうな。それでも、誰かとつながっている、自分の存在を認めることができる状況は、その状況に置かれたらありがたいことだろうな。心春は、感染症による分散登校になった中で名前も分からない同級生とメモ書きをやりとりした。名前もわからないその同級生は、心春の大切な存在として、ずっと心の中に在り続けた。その同級生のことも、ラストに向かって明らかになっていく。
それぞれの生き方で、困難な時代を過ごしてきた冴と心春は、就職の面接会場で偶然に出会う。困難な時を過ごしてきた2人は、それぞれの境遇を知らない。それでも、通じるものがあった。出会いは数多くあるだろうけど、互いにとってよい刺激となるものって、どれくらいあるのだろうかな。それは、その出会いを受け止める当事者の気持ちにも影響はあるのかもしれないな。そこからラストに向かっての展開は明るく前向きなものであり、読んでいて気持ちがよかった。そして、晴れやかで清々しい気持ちになっていった。冴と心春にとって互いの存在と、それぞれに大切な存在の人たちが、温かくかかわっていく。冴も心春も、心が晴れやかになっていってよかったな、そんな思いが膨らみながら読み終えた。
読了後に始めのページを改めて開くと、なるほどと、このページに描かれている出来事が鮮明になった。そして改めて温かい気持ちになった。他の瀬尾まいこさんの作品を読みたくなる読了感を得た作品となった。続きを読む投稿日:2023.11.04
コロナから早4年。
経験をしたことのない恐怖や不安は、いつの間にか忘れられそうになっている。ご飯を一緒に食べること、お店に行くこと、旅行すること、ただ話すことですら直接は難しくなっていたことを思い出し…た。今改めて、日常を当たり前に過ごせていることに、ありがたいことを思った。
登場人物がとても魅力的で、特に冴のお母さんみたいにポジティブに素直に思ったことを伝えられる、行動できる人は本当に素敵だと思った。
人と出会い、その縁が繋がって、気付きや背中を押してあげることも出来る最後は次が気になって一気見してしまいました!続きを読む投稿日:2024.04.14
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