良い季語を思いついたのに、五七五の定型に合わない。そんなときにとても重宝な俳句歳時記です。定型を大切にしながら季語を生かす句づくりに必携。――監修者・岸本尚毅定型にどう収めるかには音数がまず大事。いままで多くの人がひそかに悩んでいた音数と季語の問題をはっきりとさせ、実作に役立つように考案された画期的歳時記。「蚊」(か、1音)から「童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日」(どうていまりあむげんざいのおんやどりのいわいび、25音)まで、音数ごとに季語をまとめた、これまでにない歳時記。(この長い季語は正木ゆ・・・
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音数ごとに季語を分類した俳人に便利な歳時記。
春編、夏編。秋編に次ぐ冬プラス新年編。
1音の「炉」から最大25音の「童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日」まで、
各季語の意味、例句、関連季語などを解説し、使い方が分かるように工夫した画期的歳時記。
五七五の定型にどう収めるかに苦心する実作者に待望の書である。
11月8日の立冬を迎えて冬の句会、年末からの新年句会に必携の書。 -
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この歳時記は音数ごとにまとめられた初めての季語の本です。2音の「秋」から15音の「雀大水に入りて蛤と為る」まで、定型の五七五に収めるため俳人たちがあれこれ悩むときに、とても役立つ手引きとなっています。本書の監修者の岸本尚毅さんは「音数」と「季語」がいかに大事であるかをこのように述べています。
――「木曽川の今こそ光れ渡り鳥 高浜虚子」
この虚子の傑作句は「木曽川の今こそ光れ小鳥来る」という形が初案のようです。それから数年後、虚子は物足りなさを感じてか、この句を改稿しました。そして現在のような形になったのですが、山本健吉もこの句の「今こそ光れ渡り鳥」の描写を絶賛しています。
虚子は「木曽川の今こそ光れ」に続く下五にどのような季語をあてはめるか。五音という音数の制約を意識しながら、この句にぴったりの季語を頭の中で探し続けていたことでしょう。
情景のリアルな描出にいかに俳人は苦慮するか。この句の要諦は「小鳥来る」を「渡り鳥」に改めたところにあるのです。
「本書が読者の皆さんに、季語との良き出会いをもたらすことを期待しています。」――監修者・岸本尚毅
この歳時記はすでに巷では画期的な歳時記として多くの人に読まれ、使われています。 -
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五七五の音の数ごとに季語をまとめた歳時記は初めての試みである。
俳句実作者にとってはこれほど便利な歳時記はない。
すでに今春刊行されて、好評を博した春篇に次いで夏篇の歳時記刊行となった本書は夏本番を迎えるとき、句会・吟行のおりに必携の書である。夏の季語は1音の「蚊」「鵜」から始まり、13音の「黒実の鶯神楽の実」(くろみのうぐいすかぐらのみ、スイカズラ科の落葉低木。実は黒紫色で円錐形。食用としては「ハスカップ」の名が知られる)まで、他の季節よりも数が多い。「夕立」、「茄子漬」、「南風」(はえ)、「冷奴」、「瓜」、「浴衣」など、また「祭り」に関する季語「葵祭」「祇園祭」「三社祭」「神田祭」なども多く、華やかな季語が多い。「扇風機」「ハンモック」「熱帯魚」「アロハシャツ」など、都市のモダンな生活を表す言葉も多いのが特徴だ。
「俳句は五七五の定型詩です。五七五の形にきれいに並んだ言葉の美しさは俳句の大きな魅力です。四季折々の風物である季語を詠みこむこともまた、俳句の魅力です。さらにいえば、俳句の魅力は叙景です。人事句の面白さを否定するつもりはありませんが、簡潔な言葉で情景を表現できたときの喜びは大きい」、監修者の岸本尚毅氏はこのように述べながら、高浜虚子の
「舟に乗る人や眞菰に隠れ去る」
という句が
「舟に乗る人夏草にかくれけり」
という句が原形であり、どういった経緯で推敲を重ねられたかを推理している。
「推敲のポイントの第一は『夏草』という季語です。舟に乗るような場所ですから『夏草』では漠然としている。『夏草』より、水辺に生えているような草の名前を詠みこんだほうがよさそうです」「さて、この○○○にあてはまる季語がうまく見つかるでしょうか。夏の水辺に生える草で、丈が高く、しかも三音のもの。虚子はおそらく、最初「夏草」と詠んだものが、じつは「真菰」だったと思い定めて「夏草」を「真菰」に改めたのでしょう。句作りの基本はあくまでも実景ですが、その実景をよりリアルなものにするための推敲も句作りの楽しみです。虚子の『舟に乗る』の句のように、音数を変えながら、その情景によりふさわしい季語に置き換える場合、『音数でひく俳句歳時記』が句作や推敲の助けとなります。この本が読者の皆さんに、季語との良き出会いをもたらすことを期待しています」。
『音数で引く歳時記・夏』はこの夏に句作に励むすべての人に贈り物となる本である。 -
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良い季語を思いついたのに、五七五の定型に合わない。
そんなときにとても重宝な俳句歳時記です。
定型を大切にしながら季語を生かす句づくりに必携。
――監修者・岸本尚毅
定型にどう収めるかには音数がまず大事。
いままで多くの人がひそかに悩んでいた音数と季語の問題をはっきりとさせ、
実作に役立つように考案された画期的歳時記。
「蚊」(か、1音)から「童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日」(どうていまりあむげんざいのおんやどりのいわいび、25音)まで、音数ごとに季語をまとめた、これまでにない歳時記。(この長い季語は正木ゆう子「童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝い日と歳時記に」の遊び句に使われている。)
俳句実作(5・7・5に調整)において、音数は決定的に重要です。例えば、紫陽花(4音)はそのままでは下五に使えず、濃紫陽花(こあじさい・5音)で音数を調整する。牡丹(3音)を「ぼうたん」と読ませて「ぼうたん+切字や」で上五に使う。こうした音数調整は、実作では通常作業として俳人に定着しています。あるいは、12音(5・7、7・5)をまず作り、5音の季語をくっつけるといった作業も同様です。そこで、音数ごとに季語がまとまっていれば、きわめて便利な作句ツールとなります。これまで、音数でまとめられた歳時記は管見の範囲で存在しません。なぜなかったといえば、おそらく、そうした「実用」は、文芸=芸術の態度とは相容れないとみなされたからです。しかしながら、俳人のアタマの中では「音数優先」で思考が動くことはきわめて多い。この歳時記は、俳人の「実際」のニーズに応えるものです。
音数ごとに季語を立項し、最低限の解説(解説のない項目もアリ)と最低限の例句を掲載。
【同義】【類義】【関連】の季語も併記(立体的構成)。
例
3音斑雪(はだれ)
まばらに積もった春雪。
【同義】はだら(3音)、はだれ雪(5音)
【関連】斑雪野(4音)斑雪山(5音)
[刊行形式]
春、夏、秋、冬・新年と4分冊の刊行予定。まずはこの「春」編を刊行。 -
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