平安末期。謎の疫病が猛威をふるう京の都。多数の庶民が命を落とす中、宮廷でもまた、東宮三人が立て続けに死亡するという前代未聞の事態が起こり、貴族たちは恐怖と混乱に陥っていた。そこへ、強力な予言力をもつ賀茂の老巫女から「一時的に東宮に皇女をたてよ」という神託が届けられる。帝の兄であり、実質的にこの国を支配している上皇はこの神託を受け入れる、ただちに女東宮の候補となる数人の皇女たちが選び出された。その中には、人々から忘れ去られた寂しい暮らしをしていた16歳の火の宮も入っていた。女東宮候補となった火の宮・・・
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前代未聞の「女東宮候補」として、八雲の院の御所に集められた五人の姫君たち。両親を早くに亡くし、宇治の田舎で貧しく暮らしていた火の宮もその候補となるが、強引で高慢な八雲の院のやりかたに憤りを覚えていた。五人の姫君――火の宮、犬の宮、恋の宮、四季の宮、和歌の宮――は、雷光殿という一風変わった建物に滞在することになる。だが、八雲の院との顔合わせ直後、和歌の宮が命を落とす。病死や事故死ではありえない、明らかな殺人。雷光殿は池の中州に建てられた建物であり、渡るには船を使うしかない。船は中州側につながれたままであることなどから、「犯人は外部からの侵入者ではなく、もともと雷光殿にいた人間であり、今もこの建物内にいる」という状況が発覚。お互いがお互いを疑う中、さらなる犠牲が・・・・・・。一方、森羅殿に滞在している貴の宮は、宇治で自分たちを襲った賊の「ある特徴」を思い出す。急ぎ、雷光殿にいる姉・火の宮に伝えようとするが・・・・・・。熾烈で哀しい道を進み、「女東宮」の座に就く姫君とは――。
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平安末期。謎の疫病が猛威をふるう京の都。多数の庶民が命を落とす中、宮廷でもまた、東宮三人が立て続けに死亡するという前代未聞の事態が起こり、貴族たちは恐怖と混乱に陥っていた。そこへ、強力な予言力をもつ賀茂の老巫女から「一時的に東宮に皇女をたてよ」という神託が届けられる。帝の兄であり、実質的にこの国を支配している上皇はこの神託を受け入れる、ただちに女東宮の候補となる数人の皇女たちが選び出された。その中には、人々から忘れ去られた寂しい暮らしをしていた16歳の火の宮も入っていた。女東宮候補となった火の宮を待つ試練とは・・・・・・。
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