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東京サーガ<矢代俊一シリーズ>外伝
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東京サーガ<矢代俊一シリーズ>外伝
栗本薫
英二なんかに、ヤラれちまいやがって……。セクシーな英二と、美しいサックス奏者俊一。全裸で絡み合う恋人たちを、晃市は苦々しく思い浮かべていた。矢代俊一グループに入れたものの、元カレの英二は憧れの俊一とできてるわ、ピアニストとしての自信もおぼつかなくて、晃市はふんだりけったりだ。自暴自棄な気持のまま、バカ騒ぎに明け暮れる夜。行きつけの店へ遊びに行った帰り、晃市は見知らぬ男たちにレイプされそうになり!? 故・栗本薫が綴り続けた、2万枚の遺稿『矢代俊一シリーズ』。その外伝がBL桃色図書室に登場。ジャズメ・・・
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(あんな子って……どんなセックス――するんだろう……)自分の云われる「綺麗」とはまったく違う。その青年は女っぽいと思われることはないだろう。顎もしっかりと張り、頬骨も高い。長身にふさわしくしっかりとした肩幅と、胸の厚みも充分にある。痩せてはいたが、骨格はかなりがっしりして手足も大きい。どことなくパセティックな感じがする――雑誌の仕事で、俊一は俊一の熱烈なファンだという、20代後半の、ハンサムなカメラマンの助手・涼と知り合う。色白の青年だった。その目は、俊一を見たと思うとたちまち伏せられ、白いうなじから頬までがさっと赤く染まる。本来何の接点もなく、ただのスターとファンで終わるはずの、二人の関係を瓦解させたのは俊一だった。涼が童貞だと知り、うぶな青年を誘惑する、妙にスリリングな楽しさを感じてしまったのだ。
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俊一と愛し合うようになって、ようやく透は悟ったような気がしていた。(俺は、巽さんに恋して自分から離れ、良と逃避行をして、そのあと捨てられ、島津さんと究極の愛を確かめたまま置いてきぼりにされて、島津さんに死なれてしまったジゴロだったのに……)どれほど傷つき、どれほど『ここにいる』『そこにある』、ただそれだけの愛を求めていたか――
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俊一と愛し合うようになって、ようやく透は悟ったような気がしていた。(俺は、巽さんに恋して自分から離れ、良と逃避行をして、そのあと捨てられ、島津さんと究極の愛を確かめたまま置いてきぼりにされて、島津さんに死なれてしまったジゴロだったのに……)どれほど傷つき、どれほど『ここにいる』『そこにある』、ただそれだけの愛を求めていたか――
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恋愛やセックスに溺れない人間には、相手が溺れこんでくるという奇妙な原理――セックスするとき、それまでおさまりかえった顔をしていたお偉方が服を脱いで素裸になり、思いがけない裸や顔を見せる、それを眺めるのが透は大好きだった。そんなだから性に溺れるはずがなかったし、誰かに執着することもなかった。だから透は、それが本気の恋だと自覚はしていたが、決して告げることはないと思っていた。「友達だよ」と嘘をつき続けることで、永遠に彼…矢代俊一…の側にいられる気がしたのだ。だがバーで隣に座った、俊一の愛人、金井恭平に詰め寄られ、逃げ場を失ってしまう。
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恋愛やセックスに溺れない人間には、相手が溺れこんでくるという奇妙な原理――セックスするとき、それまでおさまりかえった顔をしていたお偉方が服を脱いで素裸になり、思いがけない裸や顔を見せる、それを眺めるのが透は大好きだった。そんなだから性に溺れるはずがなかったし、誰かに執着することもなかった。だから透は、それが本気の恋だと自覚はしていたが、決して告げることはないと思っていた。「友達だよ」と嘘をつき続けることで、永遠に彼…矢代俊一…の側にいられる気がしたのだ。だがバーで隣に座った、俊一の愛人、金井恭平に詰め寄られ、逃げ場を失ってしまう。
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ずきん、と透の胸に、甘い痛みが――恋愛の深みにはまった者だけにしかわからない、甘い、心臓を直撃される痛みが走る――矢代俊一グループが初めての全米ツアーに出発した。これから一ヶ月半あまりを、俊一なしで過ごすことを思うと透は憂鬱になる。 一人きりのマンションで、良との短い逃避行や未来への不安、自死した島津のことなどで想いは千々に乱れるが、結局は俊一への恋心へと戻っていき、たまらないほどに胸が疼きだすのだった。そんなある日、透は行きつけの店へ向かい、銀河と飲みながら話すうちに、俊一への恋に溺れた、ばかな男としての不思議なシンパシーを感じる。やがて誘われるまま、銀河の家へついて行った透は、意外なものを見せられ……。
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ずきん、と透の胸に、甘い痛みが――恋愛の深みにはまった者だけにしかわからない、甘い、心臓を直撃される痛みが走る――矢代俊一グループが初めての全米ツアーに出発した。これから一ヶ月半あまりを、俊一なしで過ごすことを思うと透は憂鬱になる。 一人きりのマンションで、良との短い逃避行や未来への不安、自死した島津のことなどで想いは千々に乱れるが、結局は俊一への恋心へと戻っていき、たまらないほどに胸が疼きだすのだった。そんなある日、透は行きつけの店へ向かい、銀河と飲みながら話すうちに、俊一への恋に溺れた、ばかな男としての不思議なシンパシーを感じる。やがて誘われるまま、銀河の家へついて行った透は、意外なものを見せられ……。
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ずきん、と透の胸に、甘い痛みが――恋愛の深みにはまった者だけにしかわからない、甘い、心臓を直撃される痛みが走る――矢代俊一グループが初めての全米ツアーに出発した。これから一ヶ月半あまりを、俊一なしで過ごすことを思うと透は憂鬱になる。 一人きりのマンションで、良との短い逃避行や未来への不安、自死した島津のことなどで想いは千々に乱れるが、結局は俊一への恋心へと戻っていき、たまらないほどに胸が疼きだすのだった。そんなある日、透は行きつけの店へ向かい、銀河と飲みながら話すうちに、俊一への恋に溺れた、ばかな男としての不思議なシンパシーを感じる。やがて誘われるまま、銀河の家へついて行った透は、意外なものを見せられ……。
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ずきん、と透の胸に、甘い痛みが――恋愛の深みにはまった者だけにしかわからない、甘い、心臓を直撃される痛みが走る――矢代俊一グループが初めての全米ツアーに出発した。これから一ヶ月半あまりを、俊一なしで過ごすことを思うと透は憂鬱になる。 一人きりのマンションで、良との短い逃避行や未来への不安、自死した島津のことなどで想いは千々に乱れるが、結局は俊一への恋心へと戻っていき、たまらないほどに胸が疼きだすのだった。そんなある日、透は行きつけの店へ向かい、銀河と飲みながら話すうちに、俊一への恋に溺れた、ばかな男としての不思議なシンパシーを感じる。やがて誘われるまま、銀河の家へついて行った透は、意外なものを見せられ……。
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女優の母親によく似た美貌を持つ銀河は、激烈な恋に落ちてしまう。相手は二十も年上の、楚々とした人妻――田代俊一だった。俊一と会う機会を作れないまま、銀河はひたすら彼への執着と恋心を募らせていた。どの場面も目に焼き付いているのに、銀河の父、渥美公三に抱かれるビデオを、ことあるごとに引っ張り出しては貪るように眺めてしまう。白くたわむ、なめらかな肢体。清純そうで淫乱な魔性――それが俊一の姿だ。ある晩、映画監督に飲みに誘われる。相手が男だということは隠し、問われるままに銀河は俊一への想いを監督に打ち明けた。それはあまりに歪んだ、狂った≪初恋≫の告白だった――
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元アイドルでジゴロの透の《飼い主》だった、プロデューサー島津正彦が薬物による自殺、という衝撃のさいごをとげてから一年あまり。島津に最後に抱かれて以来、もう、そんなことは一生縁がないだろう、と思っていた透だった。だが、渥美に手酷く強姦され、放心状態で彷徨っている俊一を保護し、彼の、以前の印象とは裏腹なかよわさや幼さに戸惑いながらも強烈に惹かれてしまう。渥美の突然死で、彼の妄執から逃れられるかとみえた俊一だったが、渥美の遺児、二人の兄弟が、俊一に異常なまでの関心と欲望を持っていると透は知る。俊一を守ろうとして、兄弟に3Pの誘いを持ち掛けるが――『翼あるもの』『朝日のあたる家』『ムーン・リヴァー』を経て、森田透の≪再生≫が描かれる長編外伝。
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元アイドルでジゴロの透の《飼い主》だった、プロデューサー島津正彦が薬物による自殺、という衝撃のさいごをとげてから一年あまり。島津に最後に抱かれて以来、もう、そんなことは一生縁がないだろう、と思っていた透だった。だが、渥美に手酷く強姦され、放心状態で彷徨っている俊一を保護し、彼の、以前の印象とは裏腹なかよわさや幼さに戸惑いながらも強烈に惹かれてしまう。渥美の突然死で、彼の妄執から逃れられるかとみえた俊一だったが、渥美の遺児、二人の兄弟が、俊一に異常なまでの関心と欲望を持っていると透は知る。俊一を守ろうとして、兄弟に3Pの誘いを持ち掛けるが――『翼あるもの』『朝日のあたる家』『ムーン・リヴァー』を経て、森田透の≪再生≫が描かれる長編外伝。
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