死にゆく者の祈り(新潮文庫)
中山七里(著)
/新潮文庫
作品情報
何故、お前が死刑囚に。教誨師の高輪顕真が拘置所で出会った男、関根要一。かつて、雪山で遭難した彼を命懸けで救ってくれた友だ。本当に彼が殺人を犯したのか。調べるほど浮かび上がる不可解な謎。無実の罪で絞首台に向かう友が、護りたいものとは――。無情にも迫る死刑執行の刻、教誨師の執念は友の魂を救えるか。急転直下の“大どんでん返し”に驚愕必至。究極のタイムリミット・サスペンス。(解説・村上貴史)
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商品情報
- シリーズ
- 死にゆく者の祈り(新潮文庫)
- 著者
- 中山七里
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮文庫
- 書籍発売日
- 2022.03.28
- Reader Store発売日
- 2022.03.28
- ファイルサイズ
- 1.1MB
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この作品のレビュー
平均 3.6 (127件のレビュー)
-
かつて山岳部で遭難した際に、自分と彼女の命の恩人だった親友の関根が死刑囚となり執行を待つ身となっていた。囚人の仏道を説く教誨師の主人公の高輪顕真が過去の事件に疑問を感じ再調査して真相に迫るミステリ。
…
大好きな中山七里のミステリ。
文庫化された新作、迷わず手に取った。
教誨師と呼ばれる存在を本作で初めて知る。
冒頭、説法を解き仏の心へと戒心した、とある死刑囚の執行が確定、執行現場に立ち合う高輪顕真の目線でリアルな終幕の場面から始まる。
主役が教誨師という観点が斬新、かつテーマが死刑制度であることから、期待高く読み進め序盤は面白かったのだが、話が進むにつれどんどんと現実離れしてしていく感が否めなかった。 もはや中盤以降、教誨の務めではなく、殺人事件の真相解明する探偵、延いては再調査に協力する刑事のバディになっていた。これでは初めから警察小説にしてくれた方がしっくりきた作品だった。展開も終い方も私が中山七里に期待する【らしさ】はなく、個人的には事前期待を下回る作品であった。
しかしながら、これはあくまで総括。
作中、脳裏と心に残るフレーズ・セリフがあった。
とある弁護士が言った。
「死んで償えるものより、生きて償えるもののほうが大きいはず」
高輪顕真が言った。
「僧侶として相応しくない行為を罵られるのは怖くない。人として報いるべきを報いなかったと罵られる方が応える。」
生きるということはそもそもしんどいと思っている。その過程で人との関わりは不可避だ。時に自分の選択や決断、発言や行動が誰かを救い支えることもあれば、傷付け軋轢を生むことだってあるだろう。だからこそ喜怒哀楽を振るわせながら、人間らしく、土臭くいきたい。綺麗でなくていい。いや、きっと美しくない。冒したならば償い報える自分でいたい。なので、少なくとも私はこれからもしんどいだろうと思っているし、それで良い。私の死にゆく者としての生き様であり祈りだ。
本作のテーマは死刑制度であったが、同じテーマで既読の東野圭吾の『虚ろな十字架』早見和真の『イノセント・デイズ』高野和明の『13階段』は名作だったことを思い出し、感慨に耽る。こんな回想が出来るのもまた、読書の副産物であり醍醐味だ。本当に読書は面白い。好きだ。大好きだ。続きを読む投稿日:2022.05.06
護られなかった者たちへがとても良い印象で同著者の作品はどれも自分の中でハードルが高くなってしまう。
主人公が僧侶と教誨師というあまり触れたことのない世界で読みながら仏教の世界とはとか、こういう導きで…すというものを知れたのは新鮮だった。
とはいえ、あくまで設定上の役割の為に僧侶、教誨師というものが深堀りされるわけではなく、根本は友情的なものにミステリーが加わったものだと感じた。
自分と自分の大切な友人と主人公を重ねた時に自分でもそうなるなとか、そう感じてしまうなと思うことが多々あったし、そう思える友人を持っているのは幸せなことだなと改めて感じた。
ただ、最後は自分が願った展開にならないかも!と思ってやきもきしていたが、意外な落ちでうまくストーリーを纏めてあって読後も気持ち良く振り返る事ができました。
続きを読む投稿日:2024.03.12
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