うまれることば、しぬことば
酒井順子(著)
/集英社ノンフィクション
作品情報
陰キャ、根暗、映え、生きづらさ、「気づき」をもらった・・・・・・あの言葉と言い方はなぜ生まれ、なぜ消えていったのか。「ことば」にまつわるモヤモヤの原因に迫る、ポリコレ時代の日本語論。古典や近代の日本女性の歩みなどに精通した著者が、言葉の変遷をたどり、日本人の意識、社会的背景を掘り下げるエッセイ。
以下、章題。
・Jの盛衰
・「活動」の功と罪
・「卒業」からの卒業
・「自分らしさ」に疲弊して
・「『気づき』をもらいました」
・ コロナとの「戦い」
・「三」の魔力
・「黒人の人」と「白人」と
・「陰キャ」と「根暗」の違い
・「はえ」たり「ばえ」たり
・「OL」は進化するのか
・「古っ」への戦慄
・「本当」の嘘っぽさ
・「生きづらさ」のわかりづらさ
・「個人的な意見」という免罪符
・「ウケ」たくて。
・「You」に胸キュン
・「ハラスメント」という黒船
・「言葉狩り」の獲物と狩人
・「寂しさ」というフラジャイル
・「ご迷惑」と「ご心配」
・「ね」には「ね」を
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商品情報
- シリーズ
- うまれることば、しぬことば
- 著者
- 酒井順子
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社ノンフィクション
- 書籍発売日
- 2022.02.25
- Reader Store発売日
- 2022.02.25
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 264ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (19件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
うまれることば、しぬことば
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酒井順子
∞----------------------∞
たったひとつの言葉で、ここまで追求できるのかと感心した。色んな方向から物事を見ようと思っているのだけど、私はまだまだ浅いなと思う。
ここから長いです。
●「J」は「日本」よりもかっこよく爽やかに感じてもてはやされたが、今では軽く見られてしまうという存在に。
●以前は自然に流されて出来たことを「活動」するようになった。「〇〇活」はプレッシャーも与えるが「活きる」と思って気軽に捉えよう。
●実質クビでも「卒業」と言われる時代。相手を思うと言うよりも、言い難いことを曖昧にしてしまっている残酷な言葉。
●「男らしく」「女らしく」と言われてきた世代よりも「そのままでいい」と育てられた世代の方が「自分らしさ」を追求する。
●自分の感情や気づいたことすら人からもらったことにしたい。「分かった」ではなく「分かりみが深い」は曖昧。
●「負けるな」「強くなりたい」など正義に我ありと思うことと、コロナを戦争と見なす感覚は同じ。
●「日本三大〇〇」や諺、慣用句に多く用いられる「三」。「二」では少なすぎ「四」では多すぎる。人は3人集まると社会になる。
●「黒人の人」と「白人」、「男」「女」と「男性」「女性」。長くすると柔らかく聞こえる。「外人」ではなく「外人さん」。「さん」をつけ、ラッピングして当たり障りなくする。
●「根暗」の生みの親はタモリ。「陰キャ」はキャラクター性であり性格ではない。「陽キャ」で「根暗」もいる。バブル前後で「暗」や「陰」の価値が変わった。
●紫式部日記や枕草子の頃の「映え」は着物の色や髪など。現代は見かけこそが大事と認識され「映える」対象も変わり、羞恥心も薄れてきている。
●以前は「女優」「女医」など女という但し書き付き。今では男性と同じ呼称になったが「〇〇女子」など別の言葉が増えてきている。カテゴライズ行為はその中のものを平板化してしまう。
●「新」が登場すると古いものがダサく見える。「新〇〇」も摩耗するが付けずにいられない。好意的に捉えられるまで20年。半腐れが古い。
●人の言葉は嘘でできているから「本当」をつけなければ信じてもらえない「ありがとう」。「本当の〇〇を知っているか」は実際大したことがない。
●「生きづらい」原因は他者にあり自分は被害者という傾向がある。
●言いきれない言葉にべんりな「よう知らんけど」「あくまで個人的な意見ですが」など曖昧にする表現が多様にある。しかし説得力のある言い切りに憧れも抱く。
●「ウケる」は受け取るの意。ウケを狙って失敗した政治家の多いこと。
●歌詞の中の女性に「おまえ」と呼び男性を「あんた」と呼んでいた頃。今では乱暴で雑な響きだが、今の歌詞にある「君」「あなた」を使う訳でもない。「You」の便利さ。
●セクハラ元年より前と後で生まれた人たちの「〇〇ハラ」に対する受け止め方の違い。オシャレに知的に怒るムーブメント。
●自分の言った言葉が非難され「言葉狩りに合う」のが怖いとは、新ルールに対応できない古い人間と思われるが、今問題ないと思っている人も時代が進めば自分もそうなる。
●かつては核家族化を嘆いていたが、今は1人の方が気楽で幸せ。それが当たり前になり、今度は寂しいと言いづらくなる時代に。
●「ご迷惑とご心配」「ご指導とご鞭撻」「ご理解とご協力」「ご健勝とご多幸」セットされた定型文。本来の意味を分からず使っていないか?
●スポーツのルーティンのように使われるインタビューの一言目「そうですね」は和歌の枕詞に近い。「ね」は「ね」で返す。「ね」だけで通じる会話。
● 英語はユニセックスな言葉で、ジェンダー問題から字幕の女性の言葉遣いが変わり、字幕だけでは男か女か分からなくなった。「わよ」「のね」など。日本語は女用文字のかながある。
2024/03/28 読了(図書館)投稿日:2024.03.28
アスリート達が、インタビューを受けた時にまず言う言葉「そうですね〜」、これが以前から気になっていたので、これを読んで、そうだったのか〜と納得した。
今まで会話の最後に無意識に追加してた「・・知らんけ…ど。」、全国的に広まってたのか・・知らんかった。続きを読む投稿日:2023.06.17
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