銀座の女帝・彩香の娘として育った明日香は、名門の娘が多い私立校で水商売の娘と蔑まれ、鬱積した不満を抱えていた。家庭を顧みない母にも反抗する明日香にとって、唯一の支えは育ててくれた安西のお婆ちゃんだった。しかし安西が他界し、明日香の心に穴が空いてしまう。相談した菱和会会長の伊達に「ママに反抗するなら、ママの手から離れてお前の力で生きろ」と言われて決心。密かに憧れを抱いていた舞子になるべく、十七歳で家出して京都へ向かう。祇園甲部にある屋形を兼ねた茶屋の『よし野』に入ろうとするが、身元のしっかりした者・・・
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ニチブン編集長の北沢が、豆千代が陰謀を知らせたことを、亀田に連絡する。豆千代の命が危ない!彩香が杉野にアメリカの策略を報せ、菱和会に豆千代の保護を頼んだ。鈴木が豆千代を座敷に呼び、帰りに拉致させる。それを追った明日香と康平が、駆けつけた菱和と烏丸とともに救出した。亀田、マッケンジー等と対決し、杉野の邪魔をしないことを約束させる。ニールに別れを告げる明日香。康平と結婚し、芸妓を辞めて小さな料理屋を営むことにする。母・彩香も、ともに暮らすために呼んだ。彩香と明日香、二人の女帝が人生の最後に辿り着いた場所は、家族という名の幸せ・・・。『女帝』母娘二代の物語、ここに堂々の完結!!
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高柳はニールの手先だった。そうとも知らず、ニールに抱かれる明日香。豆千代はようやく亀田から、杉野の家族に何か手を打ったことを聞き出し、それを録音することに成功した。U・C・Fに、インサイダー取引疑惑が噴出する。康平は花板にのし上がり、明日香に結婚を申し込んだ。豆千代と彩香に呼ばれニールにも会いたい明日香が、同じ日に東京へ向かう。上京した豆千代は、亀田の情報を週間ニチブンの井上に渡した。
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亀田が豆千代を呼んだことを、屋形『千代田』で聞き出す明日香。杉野の抹殺を命じられているニールは、明日香の素性を知った。情報を得るため、亀田の通う『すず屋』の”おかあさん”に、踊りを習い始める明日香。ニールはスキャンダルの火元として、杉野の妻・梨奈に狙いを定めた。杉野は訪中し、親アジア外交をスタートさせる。征四郎は癌に罹ったことで、これまでの自分の所行を反省し、明日香に頭を下げて詫びた。杉野総理の政治資金を管理している梨奈は、U・C・Fファンドマネージャーの高柳を紹介される。
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杉野総理と若手議員の最初の会合は、『彩香』で行われた。そこで亀田派にいる増沢が亀田が杉野を潰すために、アメリカ大使と祇園で会うという情報をもたらす。彩香は明日香に電話して協力を仰いだ。二人の女帝が、手を携えて戦うときが来たのだ!明日香はニール・マッケンジーと知り合い、好意を抱いて『よし野』の座敷に彼を招く。アメリカ大使・ガードナーと亀田の密会は、上七軒の茶屋で行われた。そこへ現れるニール。彼こそ杉野への刺客にして、米国務次官補だったのだ。座敷には、豆千代が呼ばれる。敵とは知らずに明日香を好きになったニールは、再会しキスを・・・。そして豆千代は、亀田に身をまかせた。
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尾上元総理の死は、アメリカの陰謀だったと教える謙一。脱アメリカを志したため、消されたのだと・・・。とうとう総理大臣になった杉野謙一は、亀田に約束通り陰謀を録音したレコーダーを渡した。所信表明演説で尾上と同じ脱アメリカ、アジア共同体構想をブチ挙げる。予想通りアメリカの反感を買ったが、杉野総理に賛同する若手議員達が、集まり始めた。一方、明日香とともに女帝を目指している豆千代は、祇園に来た亀田と鈴木の座敷に呼ばれていた。豆千代を、好色な目で見る亀田。
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武士が到着する寸前、監視の三千歳を倒して脱出する明日香。明日香が逃げたことを知った、板東達と武士は銃撃戦に突入した。遠巻きに様子を窺っていた伊達達と烏丸会も、ゴルフ場に突入。一同の目前で板東と一騎打ちになった武士は、遂に板東を殺った。ところがその後に、三千歳が放った銃弾を受けて死んでしまう。ショックで自殺しかけた明日香だが、彩香の母としての励ましに立ち直った。豆千代は康平に別れを告げ、芸妓として生きる決心をする。雪乃にも、新しい恋人が・・・。また杉野一家が明日香を訪れ、梨奈が深く頭を下げた。総裁選を戦う謙一と、その横には政治家になると決めた謙司と、その嫁になった美佳が・・・。
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二台のトラックに分譲して金沢に向かう、蟷螂会の特攻隊。しかし岐阜に潜入させていたスパイ部隊から報告を受けた武士は、彼等の動向を県警本部に通報して、全員逮捕させてしまった。蟷螂会に捜査が入り、若頭が出頭。板東は姿をくらませた。そして明日香を呼び出すように、三千歳に命じる。相談があると三千歳に呼び出された明日香は、板東の手中に・・・。明日香を人質に取られ、独りで来いと言われた武士は、単身岐阜に向かう。連絡を受けた伊達は、密かに烏丸会に応援を頼み、部下を引き連れて明日香救出に出発した。康平も、烏丸会と行動をともにする。対決の場は、板東の持つゴルフ場!
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明日香に拒否され、三千歳を座敷で口説く左近。三千歳が板東の女だと聞かされ、明日香潰しに手を組もうと持ちかけた。蟷螂会に攻勢をかける本城組。カジノやピンサロを壊し、覚醒剤の密輸ルートを知る男も襲われた。康平と付き合い始める豆千代。それを祝福する明日香。蟷螂会の覚醒剤密輸現場を襲い、ルートを潰す本城組。板東は反撃のために、暴走族時代の仲間がやっている組を焚きつけて、全国に抗争の火種を播いた。三千歳に信用されなかった左近は、明日香に三千歳と板東の関係を話す。全国に抗争が勃発し本城組は本家・菱和会の手を借りずに、自分の力だけで蟷螂会を潰す決意を固めた。
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好意を持った左近と、再び『ご飯たべ』の約束をする明日香。康平は、とうとう豆千代を抱いた。左近とドライブに出た明日香は、雨に降られて飛び込んだ旅館で強引に犯されてしまう。後日、三千歳を座敷に呼んだ征四郎と左近は、明日香にプライドを傷つけられた腹いせに仕組んだことだと話した。左近が明日香をモノにして、振ってやろうという企みである。そこで三千歳は明日香と武士の関係も聞き、そのことを板東に教えてしまう。一方、明日香は久しぶりに武士に逢い、激しく愛し合った。本城組の組長は死に、武士が本城組二代目を襲名した。再び明日香を座敷に呼んだ左近が明日香に迫るが、厳しく拒否する明日香。
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組員の携帯記録を全て調査して、内通者が久保田だったことを突き止める武士。金沢港の倉庫街で久保田と対決し、撃たれてしまった。武士は携帯で明日香に連絡し、助けを求める。伊達に救出を頼んだ明日香だが、居ても立ってもいられずに左近の座敷をキャンセルして金沢に向かった。瀕死の武士に寄り添い、回復を祈る。逃げた久保田は、蟷螂会の手で始末された。武士が助かり、戻ってきた明日香は、三日間の謹慎処分を受ける。謹慎を終えて後、迷惑を掛けた左近と『ご飯たべ』に出た。だがドライブ帰りに強引にキスされて、それを写真に撮られてしまう。またスキャンダルに見舞われる明日香。しかし、祇園の客に影響はなかった。
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明日香と初めて愛し合った後、武士は金沢へ行った。先斗町で、亀田、鈴木、板東が顔を合わせて、提携の密談をする。座敷には三千歳がいた。ちょうど三千歳を訪ねてきていた明日香が、それを目撃する。しかし明日香に尋ねられた三千歳は、上手くはぐらかした。もう覚醒剤まで打たれて、板東の意のままになっているのだ。組に戻った武士は、賭場の摘発は情報を流しているスパイが居るためだと目星をつけた。誰が組を裏切っているのか?一方康平には、舞妓の豆千代が惚れていた。裏切り者は、若い頃から武士の面倒を見てきた、若頭の久保田だった。武士を殺せと、久保田をけしかける板東。
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松村をつける明日香。梨奈をつける伊達と彩香。ホテルのロビーで松村と会う梨奈。テープと金の受け渡しの場へ、伊達が介入した。松村を部屋に引き入れ、二度と梨奈と明日香に近づかないよう、引導を渡す。ほうほうの体で逃げる松村。明日香も部屋に入ってきて、謙司とのことは思い違いだったと判り、梨奈は打ちのめされた。立ち直って修行を続ける明日香は、三千歳とともに京都を代表する芸妓へと育つ。美佳と謙司は結婚へ。再び動き出した蟷螂会は、狙いを武士の実家・本城会に向けた。板東は三千歳を自分の女にしている。本城組の賭場が次々摘発され、組長が倒れた。波乱の中、武士の出所の日が・・・。
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