コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎
笛吹太郎(著)
/ミステリ・フロンティア
作品情報
昨日行った居酒屋が消えた? 引き出しのお金が四万七千円も増えていた? 誰も死んでいないのに姉が四方八方に喪中はがきを送りつけていた? ミステリ談義の集まりにひとりゲストをお呼びして、毎回カフェでゆるゆると行う推理合戦。それなりにみんながんばるのだけど、いつも謎を解き明かすのは店長の茶畑さんなのだった。もっと気軽に謎解きを楽しみたいと思っていた皆さんへ贈る、ユーモラスなパズル・ストーリー七編。期待の新鋭、本格的デビュー。/【収録作】コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎/コージーボーイズ、あるいはありえざるアレルギーの謎/コージーボーイズ、あるいはコーギー犬とトリカブトの謎/コージーボーイズ、あるいはロボットはなぜ壊される/コージーボーイズ、あるいは謎の喪中はがき/コージーボーイズ、あるいは見知らぬ十万円の謎/コージーボーイズ、あるいは郷土史症候群/あとがき
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商品情報
- 著者
- 笛吹太郎
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 東京創元社
- 掲載誌・レーベル
- ミステリ・フロンティア
- 書籍発売日
- 2021.11.30
- Reader Store発売日
- 2021.11.29
- ファイルサイズ
- 3.6MB
- ページ数
- 247ページ
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この作品のレビュー
平均 3.1 (15件のレビュー)
-
カフェ〈アンブル〉で月に一度行われる「コージーボーイズの集い」。評論家、作家、編集者、同人誌主幹というメンバーが、ゲストの不可思議な話にああでもないこうでもないと推理合戦を繰り広げた後に真打ち登場とば…かりに店長の茶畑が謎を解き明かす。
元ネタはアイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会』だそうで、通常のあとがき以外に各話毎に付記もつけられているのも『黒後家~』に倣っているのだとか。
行った筈の居酒屋がない、起こる筈のないアレルギーが起きた、大切にしていたオモチャのロボットをバラバラにした、誰も死んでいないのに出された喪中ハガキ、三十年前の愛犬毒殺、引き出しに入れていたお金が倍に増えた…等々、様々な謎と推理が繰り広げられる。
いわゆる安楽椅子探偵ものであり、話だけで進むので『コージーボーイズ』のメンバーも読んでいるこちらも生々しさはなく、単純に謎解きを楽しめる。
途中で気付くものもあれば、全く予想外のものもある。犯人は分かっても動機が意外だったり一捻りあるのも楽しい。
あとがきによると、この作品は現代を舞台にしているものの現実世界とは『少しズレた世界にいる』そうで、そうした作り物感も相まって、殺人事件などがあっても気楽に読める。
カフェ〈アンブル〉で出てくるお茶やお菓子も美味しそうで、私もコーヒーを飲みながら楽しんだ。続きを読む投稿日:2022.04.27
ひとつひとつの話は短く謎もあっさりしてて読みやすく、するっと一冊終わりました。物足りない? いやいや、問題なく楽しめたんでええんとちゃう?/強いて言えばキャラのアクをもちょっと強くしてくれたらもっと楽…しいかも/形式はほぼ『黒後家蜘蛛の会』やけどあれより軽く、それは長所やと思います/それぞれの話に著者のあとがきサービス。
■簡単なメモ
/出版業界の嫌われ者が死んだ。近所で飲んでいた作家の福来は飲み過ぎで記憶=アリバイがない。三軒目に行った居酒屋を虱潰しに探したが見つからない。コージーボーイズの仲間たちは実際の「事件」に大喜びで議論する。これはすぐ解ける。犯人も含めて。
/ナッツを摂取してないのにナッツアレルギー発症。これも事件発覚と同時に即解けます。
/二十年前、愛犬を毒殺したのは本当に彼女だったのか。これは外しました。最近トリカブト絡みの小説を読んだとき調べたので心臓の薬をうっかり犬が摂取したのかと思った。半端な知識があるほど引きずられて間違えるという例ですねえ。
/息子の大事にしていたロボットのフィギュアが違和感ある壊れ方。息子になにかとあったのではないかと母は心配。これはすんなり解けました。ちなみに『パタリロ!』はウチにもそこそこあります。
/誰も死んでいないのに喪中はがきを出した姉のココロは? これは…うーん、半分は解けたというか、ベースは解けたんやけど細部は思いつかなんだゆう感じでしょうか。
/机の引き出しにしまっていた封筒に入った五万三千円がピン札の十万円に化けた。やった可能性があるのはパーティに来ていた友人たちだけだが…。これはメンタリティが違いすぎたからなのかまるっきり解けず「なるほどなあ」となりました。
/若者の間で郷土史ブーム? そんなバカなと話し合う面々。これは解けませんでした。でも、シャーロック・ホームズの有名事件に似たシチュエーションのがあったので気づけなアカンかったなあと読後に思いました。
■カフェ「アンブル」についての簡単な単語集
【青木】実咲の美大での先輩。郷土史に興味を抱いた?
【アンブル】カフェ。古書店とカフェの街、荻窪にある。
【伊佐山春嶽/いさやま・しゅんがく】伊佐山古書店の二代目。コージーミステリの本質は古典的な謎解き小説に戻ろうとする原点回帰の姿勢。《ディテールの深堀りこそ、ミステリを読む楽しさですよ》p.149
【歌村ゆかり】「コージーボーイズの集い」の長にして同人誌『COZY』主幹。鷹揚な人物。肌ツヤがよい。
【影浦巡/かげうら・めぐる】夏川ツカサが好きな画家。不穏なモチーフでミステリのカバー絵によく使われている。鶴屋仙一がコレクターとして有名。
【カレン】バー〈雫〉の店員。
【川津】バー〈POISON〉のバーテンダーにしてギリギリ食っていけないロックバンド「メドゥーサアイズ」のギタリスト。三十二歳。姉のサキが出した喪中はがきの謎を持ってきた。
【コージーボーイズの集い】カフェ〈アンブル〉に書籍関係者が月に一度集まり、本好き店長の好意で奥の円卓を借り切ってお茶とケーキを囲んでゆるゆるとミステリの話をする集い。ルールは二つ、作品の悪口は大いにやるべし。人の悪口は不可。ただ、後者はしばしば破られる。メンバーは長の歌村ゆかり、作家の福来晶一、古本屋で評論家の伊佐山春嶽、編集者の夏川ツカサ(語り手の「ぼく」)の四人。最近、ときおりゲストを呼ぶようになった。
【雫】近所のバー。
【島村悦史/しまむら・えつし】業界ゴロで町の嫌われ者だったが死んだ。編集プロダクション経営者で自称評論家でもある。
【茶畑/ちゃばたけ】カフェ〈アンブル〉店長。元一流ホテルのホテルマンで本好き。五十代なかばと思われる。ジーヴスかヘンリーを彷彿とさせるらしいが〈コージーボーイズ〉にとっての位置づけはヘンリーの方でしょう。ただ、ヘンリーやジーヴスと違い嘘をつくのだけはとてもヘタ。
【鶴屋仙一/つるや・せんいち】ゲスト。在野の郷土史家。中央線沿線(特に西側)に詳しい。仙人じみた風貌。画家、影浦巡のコレクターとしても知られる。
【夏川ツカサ】編集者。語り手の「ぼく」。
【二宮正樹/にのみや・まさき】『十万円で世界を救う方法』がヒット、次世代のホープとされる作家。ミステリも好きとのことでゲストとなった。
【ハードボイルド】福来さんはハードボイルドとコージーミステリは相反すると思っているが、伊佐山さんは対立カテゴリではないと言う。
【服部はるか】ゲスト。書店員で歌村主宰の『COZY』の長期読者。コージーミステリで重視するのは「生活感」。
【春野すみか】国文学科で教鞭をとるかたわら軽妙な(題名の
)エッセイ『西荻すみっこ日記』の著者としても知られている。
【福来晶一/ふくらい・しょういち】小説家。甘党で酒好き。トレードマークは黒縁メガネ。飲み過ぎで記憶=アリバイを失った。
【実咲/みさき】鶴屋仙一の孫。T美大生。
【森田森夜/もりた・しんや】漫画家。山賊のような黒ひげ巨漢だが作品は緻密にして繊細。「ぼく」に聞いた「コージーボーイズの集い」に興味を持ったので初めてのゲストとして参加。
【山沢誠弥/やまざわ・せいや】実咲の美大での先輩。郷土史に興味を抱いた?
【横田】文芸編集者として名が知れている。続きを読む投稿日:2024.02.22
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