徳川最後の将軍 慶喜の本心
植松三十里(著)
/集英社文庫
作品情報
御三家水戸藩に生まれた徳川慶喜は、美男子で文武に秀でていた。一橋家養子となると、名君の資質を見込まれ次期将軍に推される。だが、出世欲がなく、黒船来航からの国難に対処して欲しいとの要望を初めは拒む。開国を迫る世界情勢を鑑み、諸外国から日本を護りたいとは思うが・・・・・・。最後に将軍となり、最悪の評価を覚悟して最良を模索し続けた慶喜。溺れる国の未来を拓いた男の真意とは! 歴史小説。
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商品情報
- シリーズ
- 徳川最後の将軍 慶喜の本心
- 著者
- 植松三十里
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社文庫
- 書籍発売日
- 2021.07.20
- Reader Store発売日
- 2021.09.02
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 352ページ
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この作品のレビュー
平均 4.4 (7件のレビュー)
-
‥‥だが徳川慶喜の本心は、今もって理解はされていない。(341p)
最後の1行である。私も正直戸惑っている。司馬遼太郎の「最後の将軍」もあるし、最近は大河でスポットライトが当たったばかりだし、なによ…りも自ら語り下ろしの自伝も著している。それでも、こんなにも、慶喜の本当の心は知られていない。慶喜の評価は定まっていない。試しに昨年私が大いに感心した幕末史「維新史再考(三谷博)」を紐解いても、慶喜の大阪城から江戸への逃げ帰りの理由は一切書いてなくて、評価もされていなかった。あの行為によって、内乱の泥沼化が回避されたのにも関わらず、である。
徳川慶喜ほど将軍になる事を「期待」された将軍はいない。家茂と慶喜とで幕府を二分した後継問題から始まって、幕末の動乱期に将軍後見職として京都で辣腕を振るっていた時期、そして家茂急死のあとに度重なる将軍就任への頼みを何度か断っている事、そして就いた途端に大政奉還をしてしまったこと。総てが「時代」が為させたこと、追い詰められてしたことだという評価がまかり通っている。
英明かつハンサムなアイドル的な将軍であったのに、(鳥羽伏見)戦争を投げ出して江戸に逃げてしまい、それを契機に討幕の錦の御旗も盤石なものになった結果、落ちぶれた元アイドル将軍という見方をされることが多い。この運命も、絵にはなるけど、わかりにくさを助長させているようだ。
小説は「慶喜の本心は実はわかりやすいんだ」と主張している。「慶喜は、最初から将軍になる野心はなかった。幕府に対する忠誠は一切なくて、ひたすら朝廷に対する忠誠しかなかった。よって日本が中国やインドのようにならない様にしながら、日本を帝のもとに統一することが自分の任務である」と、どうやら本気で思っていたようだ。ここまで振り切っているとは、研究者はおそらく思っていないようだ。慶喜は賢いので、尊王ではあるけど攘夷にはならない。賢いので、会津のような尊王佐幕や、薩長の尊王討幕を相手に孤軍奮闘して、時には出し抜き、時には出し抜かれる、1日で形勢が逆転することもある。とても濃い人生を送っている。
おそらく、司馬遼太郎の頃からは遥かに当時の状況がわかってきていると思う。確かに彼の決断がなければ、維新とき何遍か「香港化」する可能性はあったと思う。慶喜だけではなく、この時如何に多くの知識人が香港化を防いだことか。島津久光のようなプーチン式の危ないヤツがいた中で、よくぞ「選択」したと思う。つまり、維新時の知識人の何人かは、本当に日本の独立ひいては「平和」を守ったのである。小説だから思い切って描けた展開も多い。とても面白かった。
fukuさんのレビューで本書を知った。ありがとうございました。続きを読む投稿日:2022.04.26
敗軍の将、ではないと思ってる。
幕府を閉じるにあたって、苦しみ希望葛藤…その思いはいかほどだったか。
投稿日:2024.01.22
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