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高橋和巳・高橋たか子 電子全集
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高橋和巳の代表作ともいえる宗教団体の破滅を描いた一大長編『邪宗門』を中心に、未完作「古風」を併録した一巻。高橋和巳の代表作ともいえる一大長編『邪宗門』。序章+3部構成の体裁をとる物語は、「ひのもと救霊会」なる宗教団体が昭和初期に治安維持法違反や不敬罪といった罪科に問われることで、国体論的国家権力によって徹底的に弾圧され、壊滅の危機に迫られるも、戦後、新たなる世の到来とともに、信徒それぞれが希望と復讐の念を交錯させつつ再起、再興を志しながらも、今度は駐留軍によって弾圧され解体していく宗教団体の破滅・・・
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晩年の長編『きれいな人』『巡礼地に立つ』『墓の話』『過ぎ行く人たち』に、14の短編(うち7編は未発表)を収録。
2003年から2009年にかけて発表された長編『きれいな人』『巡礼地に立つ フランスにて』『墓の話』『過ぎ行く人たち』に加え、「群像」に断続的に発表された短編6編と、それに続く未発表の短編7編等を収録した一巻。
『きれいな人』(2003年6月刊)は、『亡命者』『君の中の見知らぬ女』に続く大河小説3部作の最終作として、フランスを舞台にしたキリスト教的テーマで描かれた歴史小説で、第45回毎日芸術賞を受賞。
『巡礼地に立つ フランスにて』(2004年11月刊)は、『土地の力』の続編として書き下ろした「霊的著作」作品。
『墓の話』(2006年4月刊)は、「群像」に5回にわたった発表された「短期連作という型」の長編。
『過ぎ行く人たち』(2009年6月刊)は、1980年以後のフランス体験の集大成として、ブノワというフランス人の少年を18年間にわたって探し歩く物語で、執筆時、たか子は72歳、生前最後の著作である。
また、単行本未収録の短編として「假の家」「遠い水、近い水」「二つの、お話」「この世の底にいて」「終りの日」「あこがれ」「空(そら・くう)」の7編と、没後に発見された手書きの未発表作品「顔」「物の力。あるいは、独身者」「庭」「メモ。あるいは思い出のごとく」「あの頃」「レミニッサンス」「或る近くて遠い迷路」の7編も併録する。
解説と解題は、生前のたか子と交流のあった文芸評論家・山内由紀人氏が担当。
付録として、未発表短篇7編の生原稿(一部)等を収録。
※この作品は一部カラー写真が含まれます。 -
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39歳で夭折した作家晩年の未完小説『黄昏の橋』『白く塗りたる墓』「もう一つの絆」に遺稿「遥かなる美の国」等を収録。
39歳で夭折した高橋和巳晩年の小説『黄昏の橋』『白く塗りたる墓』「もう一つの絆」(いずれも未完)に加え、遺稿として「遥かなる美の国」、「清角の音」「他者の古里」等を収録する。
『黄昏の橋』は雑誌「現代の眼」1968年10月~1970年2月にかけ連載された未完作品。
古美術世界に沈潜する学芸員・時枝が、偶然、機動隊と学生の衝突で一人の学生が橋から転落するのを偶然目撃し、封印されそうな事件の深層に迫っていくという当時の世相を反映した作品。
続く『白く塗りたる墓』は、開高健や柴田翔らと共同編集した、季刊「人間として」創刊号(1970年3月)に発表された。
内容はテレビ局を舞台にした作品で、第一部完のまま、続きを描かれることがなかった最後の小説である。
「もう一つの絆」は「群像」1967年9月号に発表され、第一部第五章まで書かれた未完作品。
遺稿として、小説の断片である「遥かなる美の国」、「清角の音」「他者の古里」も収録。
解説は、芥川賞作家・高城修三氏が務め、解題は和己巻の監修者を務める作家・太田代志朗氏が担当。
付録として「白く塗りたる墓」「遥かなる美の国」、「清角の音」「他者の古里」の生原稿等を掲載する。
※この作品は一部カラー写真が含まれます。 -
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1992年から2001年にかけて発売された『土地の力』『始まりへ(小説ふう戯曲)』『亡命者』『君の中の見知らぬ女』を収録。
1992年から2001年にかけて発売された長編『土地の力』『始まりへ(小説ふう戯曲)』『亡命者』『君の中の見知らぬ女』を収録した一巻。
『怒りの子』(1985年9月刊)を最後に小説家をやめ観想生活に入ったたか子が、「霊的著作」と名付け、文学と明確に区別した霊的三部作の『土地の力』(1992年5月刊)と、『始まりへ(小説ふう戯曲)』(1993年4月刊)は、女子パウロ会より書き下ろしで刊行され、信仰書として「信仰を生きつつある人の証言」の書であり、神探求を実行する人の書でもある。
ちなみに霊的三部作のもう一作はエッセイ『「内なる城」について思うこと』。
『亡命者』は、「群像」1995年8月号に一挙掲載された作品で、『怒りの子』以来10年ぶりの小説作品。
たか子自身をモデルとする「私」の物語と、「私」が修道院で出会った30代のキリスト者の夫婦を主人公とした「小説『亡命者』」から構成されている。
『君の中の見知らぬ女』(2001年3月刊)は『亡命者』から6年後に刊行された書き下ろし作品である。
解説と解題は、生前のたか子と交流のあった文芸評論家・山内由紀人氏が担当。
付録として、未発表の戯曲「人生の終りの時」(未完)の生原稿等を収録する。
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ドストエフスキー作品に着想を得た『日本の悪霊』に、戦争に運命を翻弄された男を描く「堕落」「散華」等を収録。
秘密革命組織が起こしたネチャーエフ事件を素材としたドストエフスキーの作品『悪霊』に着想を得た『日本の悪霊』。
敗戦に運命を翻弄された男を描く「堕落」、「散華」、小編「革命の化石」を収録した一巻。
『日本の悪霊』は、戦後革命の挫折を素材として、「文藝」1966年1月号から1968年10月号に6回にわたって記された作品。
逃亡生活に疲れた犯罪者・村瀬は、「つまらぬ犯罪行為」で収監される。
担当刑事の落合は村瀬に“惹きつけられた”ように過去の捜査にのめり込んでいくのだった・・・・・・。
留置場での実態を生々しく描く様は同じドストエフスキーの作品『死の家の記録」を彷彿させる。
その他、かつて満州建国に奔走した過去を持ち、現在は混血児養育施設の園長を務める青木隆造が、その“虚しさ”から公金流用の疑いをきっかけに失踪し町を彷徨っていく作品「堕落」、電力会社の鉄塔建設予定地にある孤島に一人暮らす元右派の思想家だった中津老人の孤独な死を描く「散華」等を収録する。
解説は、文芸評論家・立石伯氏が務め、解題は和己巻の監修者を務める作家・太田代志朗氏が担当。
付録として『日本の悪霊』「堕落」「散華」の生原稿等を収録。
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高橋たか子の長編『装いせよ、わが魂よ』『怒りの子』、小説集『遠く、苦難の谷を歩いている時』を収録。
1982年から1985年にかけて発売された長編『装いせよ、わが魂よ』『怒りの子』、小説集『遠く、苦難の谷を歩いている時』の3冊に、短編「恋う」、中編「終りなき出会い」を収録。
『装いせよ、わが魂よ』(1982年10月書き下ろし作品)は、『天の湖』『荒野』に続く、高橋たか子のカトリック受洗後3作目の長編小説で、彼女が神に直進していく霊的な予感に満ちた作品。
一方、『怒りの子』(1985年9月書き下ろし作品)は彼女が“小説家として最後の作品”として、作品の舞台に故郷・京都を選び、京都弁によって殺人というテーマを描いたもので、第37回読売文学賞を受賞した。
小説集『遠く、苦難の谷を歩いている時』は「甦りの家」「遠く、苦難の谷を歩いている時」「病身」の3編で構成され、うち「甦りの家」は年上の女性と美しい少年との愛の儀式を描き、「人形愛」「秘儀」とともに三部作ともいえる背徳的な小説である。
また、短編「恋う」は第12回川端康成文学賞を受賞している。
解説と解題は、生前のたか子と交流のあった文芸評論家・山内由紀人氏が担当。
付録として、『装いせよ、わが魂よ』の生原稿等を収録する。
※この作品は一部、カラー写真が含まれます。 -
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自ら指揮したストの敗残者となった組合活動の指導者の“身の破滅の過程”の独白で描かれる『我が心は石にあらず』と、大阪・釜ヶ崎を背景にした自伝的な小編「我れ関りを知らず」を収録。
『我が心は石にあらず』は、雑誌「自由」1964年12月号から1966年6月号に連載され、のち1967年に単行本が刊行された。
主人公・信藤誠は精密機械メーカーの研究所員かつ労働組合委員長としてエリート街道を歩んでいる一方で、妻子ある身でありながら組合活動で知り合った久米洋子と不毛な愛を続けていた。
運動が緊迫するなか、久米が妊娠したことで、怪文書が出回り“エリートの不倫スキャンダル”として信藤は窮地に追い込まれていくのであった・・・・・・。
日本の高度経済成長期に、組合活動の指導者の“身の破滅の過程”を描いた同作は、その後ラジオドラマとして、1964年12月1日にNHKラジオで放送された。その台本も併録する。
自伝的な小編「我れ関りを知らず」は、雑誌「VIKING」第165号(1964年8月)に発表されたもの。
解説は、文芸評論家・小林広一氏が務め、解題は和己巻の監修者を務める作家・太田代志朗氏が担当。
付録として「我れ関わり知らず」の生原稿等を収録する。
※この作品は一部、カラー写真が含まれます。 -
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高橋たか子の初期作品集『彼方の水音』『骨の城』『双面』『共生空間』と、最初の長編『空の果てまで』を収録した一巻。
1971年から1973年にかけて発売された小説集『彼方の水音』『骨の城』『双面』『共生空間』に加え、書き下ろし長編小説『空の果てまで』を収録する。
『彼方の水音』は高橋たか子が1971年8月、39歳の時に刊行された第1小説集で、実質的な文壇デビュー作「子供さま」(1969年「群像」7月号初出)等の5編の短編を収録。
『骨の城』は同人誌「白描」に掲載された「白夜」など、主に60年代に描かれた習作10編からなる。
続く『双面』は表題作等3編の短編集、『共生空間』は「螺旋階段」等5編からなる短編集。
長編『空の果てまで』(1973年2月刊)は、たか子にとって初の長編小説。
「悪こそは 人間を超えたものが不可能な顔をのぞかせる。
人間の唯一の場だからかそんな情念を秘めた女の反省をこの小説で描いてみた」とたか子が述べるとおり、“人間の悪”を描き、第13回田村俊子賞を受賞した代表作の一つ。
当時、新進気鋭の“内向の世代”の作家の一人として注目を浴びていた。
解説と解題は、生前のたか子と交流のあった文芸評論家・山内由紀人氏が担当。
付録として、収録した作品の単行本初刊の表紙などを掲載する。
※この作品は一部、カラー写真が含まれます。 -
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高橋和巳が自身の青春の総括として、学生運動で傷ついた世代の10年後の「生」を辿った長編『憂鬱なる党派』等で構成する一巻。
学生運動で傷ついた世代の10年後の「生」を辿った長編『憂鬱なる党派』と、自身が育った地域(貧民街)を舞台にした“高橋和巳文学の原景”を鮮烈に描いた短編「貧者の舞い」を収録した一巻。
『憂鬱なる党派』は出世作『悲の器』より早く、雑誌「VIKING」108号(1959年8月)から連載開始されるも、122号(1960年10月)に第七章(一)まで11回分連載された後中断、丸5年放置された後、1965年11月に完全版として全十六章建てで単行本として発売となった。
この長編は、高橋自身が属した「京大文芸同好会」(後に「京大青年作家集団」)での体験が下地となって記されている。
主人公・西村と同様に、高橋自身も無期停学処分を受けた学友のために処分撤回のハンストに参加しており、まさに自身の青春の総括ともいえる作品。
当巻では、『憂鬱なる党派』の完全版はもちろん、連載中断となった「VIKING」連載の初出版も併録する。
「貧者の舞い」は「世界」1964年12月号に初出掲載された短編。その小説の原型が、1955年の「文學界」新人賞に応募したものだといわれている。
同年の新人賞は後の芥川賞作品『太陽の季節』(石原慎太郎)だった。
解説は、文芸評論家・黒古一夫氏が務め、解題は和己巻の監修者を務める作家・太田代志朗氏が担当。付録として『憂鬱なる党派』の生原稿等を収録する。
※この作品は一部カラーが含まれます。 -
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高橋たか子の人気作品集『人形愛』や長編『天の湖』『荒野』、小説集『怪しみ』、掌編「鏡狂」を収録。
1977年から1981年にかけて発売された小説集『人形愛』『怪しみ』と、長編『天の湖』『荒野』、さらに『山本美智代オフセット版画集2 銀鏡』(1976年9月刊)に収録された掌編「鏡狂」を収録した一巻。
『人形愛は』は1978年に発売された小説集で、「人形愛」「秘儀」「見知らぬ山」「結晶体」の4編からなる。
うち「人形愛」は、たか子が傾倒していた三島由紀夫作品の影響を受け、背徳思想と美意識が結びつき“女が犯す悪”を描いた作品として人気の高い一編。
長編『天の湖』(1977年12月刊)はカトリック受洗後初の作品として、内なるカトリック的主題が深く追求されており、『荒野』(1980年3月刊)は聖書の読み「あらの」と読ませるように『天の湖』の世界を深化させた神探求のための作品。
さらに小説集『怪しみ』(1981年3月刊)は「怪しみ」「招き」「顕われ」「誘い」の4編から構成されている。
解説と解題は、生前のたか子と交流のあった文芸評論家・山内由紀人氏が担当。
付録として、収録した単行本初刊の表紙画像を収録する。
※この作品はカラーが含まれます。 -
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高橋和巳の文壇デビュー作『悲の器』(第1回文藝賞受賞)を中心に、妻たか子が和巳死後に記した2冊の回想記からなる一巻。
高橋和巳の文壇デビュー作『悲の器』と「飛翔」に加え、妻たか子が記した回想記『高橋和巳の思い出』『高橋和巳という人――二十五年の後に』の2冊を収録。
『悲の器』は1962年、河出書房新社主催の第1回文学新人賞「文藝」の長編部門受賞作として、高橋和巳の名を文壇に轟かすこととなる記念碑的な書き下ろし作品。法曹界の権威で官学系大学教授の正木典膳は、神経を病んだ妻をもつ中、やがて家政婦と関係を持つ。しかし妻の死後、彼は知人の令嬢と婚約し、家政婦から婚約不履行で告訴される・・・・・・。
理性と愛の相剋のもとに破滅していく戦後知識人の苦悩と葛藤が描かれた長編である。
一方、「飛翔」は「芸術生活」1964年4月号に発表された小品。
また、“奇蹟の夫婦”電子全集の特性に順じ、妻たか子が和巳没後に記した回想記2冊を併録。
2冊の間に20年のブランクがあり、その味わいの変化にも注目したい。
解説は、文芸評論家・井口時男氏。解題は和己巻の監修者も務める作家・太田代志朗氏が担当。付録として「悲の器」の生原稿等を収録する。 -
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高橋たか子の代表作『誘惑者』『ロンリー・ウーマン』ほか、『失われた絵』『没落風景』『華やぐ日』の計5タイトルを収録。
1974年から77年にかけて記された小説集『失われた絵』『華やぐ日』、長編『誘惑者』『没落風景』、連作長編『ロンリー・ウーマン』の小説5タイトルを収録。
『誘惑者』は1976年に本格的な書き下ろし単行本として発表された長編作品で、たか子初期の代表作の一つ。
昭和初期に起こった女学生の三原山での自殺幇助事件に着想を得て、小説の舞台を昭和25年の京都とし、「死とは何かの追及」をテーマに、同年、第4回泉鏡花文学賞を受賞した。
『ロンリー・ウーマン』は、5篇の短篇連作による小説集(1977年6月刊)。
それぞれ独立した物語ながらも、ある作品で主人公だった人物が他の作品では脇役で登場するなど連鎖的構成をとった実験的な作品で、同年に第16回女流文学賞を受賞。
さらに、小説集『失われた絵』(1974年2月刊)、長編『没落風景』(1974年4月刊)、小説集『葉やぐ日』(1975年7月刊)を収録する。
解説と解題は、生前のたか子と交流のあった文芸評論家・山内由紀人氏が担当。
付録として、1977年2月にNHK・ラジオ第一放送「文芸劇場」にて放送されたラジオドラマ『誘惑者』(板谷全子脚色)のシナリオなど、貴重な資料も収録されている。 -
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高橋和巳の代表作ともいえる宗教団体の破滅を描いた一大長編『邪宗門』を中心に、未完作「古風」を併録した一巻。
高橋和巳の代表作ともいえる一大長編『邪宗門』。
序章+3部構成の体裁をとる物語は、「ひのもと救霊会」なる宗教団体が昭和初期に治安維持法違反や不敬罪といった罪科に問われることで、国体論的国家権力によって徹底的に弾圧され、壊滅の危機に迫られるも、戦後、新たなる世の到来とともに、信徒それぞれが希望と復讐の念を交錯させつつ再起、再興を志しながらも、今度は駐留軍によって弾圧され解体していく宗教団体の破滅までのさまを描いた作品。
当巻では、決定版ともいえる単行本に加え、「朝日ジャーナル」1965年1月3日号~1966年5月29日号まで全74回にわたり連載された初出版も完全併録。
決定版では改稿に加え、特に第3章で、大幅な増補が施されていることも確認できる。
また、併録した未完作「古風」は1957年3月から1958年8月まで、同人雑誌「対話」第一、二、三号に発表され、壮大な構想にもとづく長編小説として書かれたが、中断したまま、未完となった作品で、和巳最後の小説『黄昏の橋』に受け継がれる作品といえる。
解説は、和巳と同じ京都大学文学部卒で関西学院大学文学部教授・橋本安央氏(『高橋和巳 棄子の風景』を執筆)が務め、解題は和己巻の監修を務める作家・太田代志朗氏が担当。
付録として「邪宗門」「古風」の生原稿等も収録する。 -
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