女たちのニューヨーク
エリザベス ギルバート(著)
,那波 かおり(訳)
/早川書房
作品情報
1940年、アメリカ。小さな町のお嬢様ヴィヴィアンは、大学を辞め、NYのショーの世界に飛び込んだ。華やかで刺激的な毎日。だが、それは突然終わる。彼女の過ちが、街中を騒がす醜聞になったのだ。恋人も友達も居場所も失い、彼女は初めて自分と向き合う
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商品情報
- シリーズ
- 女たちのニューヨーク
- 著者
- エリザベス ギルバート, 那波 かおり
- 出版社
- 早川書房
- 書籍発売日
- 2021.05.18
- Reader Store発売日
- 2021.05.18
- ファイルサイズ
- 1.3MB
- ページ数
- 576ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (13件のレビュー)
-
ものすごくよかった。今年のベストワンかもっていうくらい。とっても好み!!
1940年代のニューヨーク、素行不良で女子大から追い出されたヴィヴィアンは、ニューヨークで劇場を営む叔母ペグのもとで暮らすこと…になり、衣装係をしながら、ショーガールたちなどと自由奔放に遊びまわり、やがて大女優エドナがやってきたことではじめた新しいショーが大当たり。前半のこのあたりは、ニューヨークの話で、ショービジネス界の話で、個人的に好きな要素がたくさんなのですごく楽しく読んだ。新作のショーがだんだんつくりあげられていく過程にわくわくして、いよいよ初日の幕が上がるとき、舞台裏で脚本家兼演出家のビリーがするスピーチに感動した。「観客を先に愛せば、観客はきみたちを愛してくれる」。まるで自分もその舞台裏にいるような、そういう舞台裏を知っているような、暗い舞台袖とかまぶしい照明とかが見えるような気さえした。
そういうキラキラした話が続くのかと思っていたら、でも、そうではなくて、そこにちょっと驚いた。まさに青春のきらめきのなかにいたようなヴィヴィアンが、スキャンダルを起こして困った立場になり、逃げるように実家に帰る。
このときのエドナの言葉がひどかった。「あなたは絶対にひとかどの人間にはなれない。あなたがどんなに苦労してたいせつなものをつかもうとしてもけっしてうまくいかない。あなたは何者にもなれない」。若者に向けて言うこんなにひどい言葉がある? こんなこと言われたら生きていけない、と読んでいてものすごくショックで、読みながらずっとあとをひいていて、いつか和解する場面とかがあるのかも、と祈っていたけどそれはなく、それもなんだかショックだった。どんなに悔やんでも時が経っても許されないこともある、癒されない傷もあるってことなのか、と。だいたい、エドナ、なんでそこまでに怒る?って気もするんだけど……。
敬愛するエドナにそこまで言われ、大好きだった劇場を出て、恋人も友人もなくしたヴィヴィアンは傷つき深く落ち込んで、しばらく実家でまわりの人の言うなりになって無為な暮らしを続けるんだけど、やがて叔母ペグが迎えにきてニューヨークに戻る。戦時中ということもあってそこからは地道に生活して、そのうち友人とウェディングドレスをつくる仕事をはじめる。
前半のショービズだニューヨークの夜だっていうキラキラ感もよかったけど、後半の、ヴィヴィアンが堅実に仕事をして自分の生き方をつかんでいくっていうところがすごく好きだった。淡々と静かでしっとりした感じがあって。
そもそも、ニューヨークで自由に生きていく、とかいうと、やりたいことがあって情熱があって邁進する、みたいなイメージだけど、ヴィヴィアンの場合は、やりたいことも計画もなく、むしろなにをしたらいいかどうやって生きていったらいいかわからない感じで。ウェディングドレスをつくる仕事をはじめるのも友人に誘われてのっかる形でうまく進んでいって、正直うらやましいと思ってしまった(笑)。そういうのも才能とか人格とかなんだろうか……。
自由に生きる、っていう意味をすごく考えさせられた。それはよく口にされるけど、そう簡単なことではないと思っていて。自由に、ってどういうこと? 自分の好きなことだけしてなににも縛られず、ってこと? それですごく心に残ったのが、「臆病者だろうが酒浸りだろうが不誠実だろうが信用できなかろうが、どんなに欠点があっても、それがなに? それになんの意味が? なんの意味もない、そういうものだというしかない」。というヴィヴィアンの言葉。自由に生きる、っていうのはそういうことかなと思ったりした。そしてなんだか勇気づけられた。そういうことをめざして生きていけばいいのかな、とか。もちろん、そういうものだ、って思えるようになることが最高に難しいんだけど。
この小説、年をとったヴィヴィアンが、ある人の娘に向けて過去をふりかえって手紙を書く、という体裁になっているんだけど、その「ある人」、娘の父親はだれか、っていうのが謎になっていて。だれのことだろう、どういうことだろう、と思って読んでいくのもよかった。予想しなかった展開になって、予想しなかったような人物が出てくるところがおもしろかった。
あと、わたし、普段はキンドル派なんだけれど、この本の装丁の色合いとか表紙のニューヨークの街角の絵とかがすごく好きだと思って紙の本を買った。この絵ほしい。。。続きを読む投稿日:2021.05.25
ヴィヴィアンという90歳近い主人公が、アンジェラという女性に手紙を書く形で物語が語られる。
この2人の関係が、最後のほうまで謎だったが、そこがいい仕掛けになっていると思った。
ヴィヴィが一番馴染めない…堅物のオリーヴ。でも彼女の行動力や格言が、大事な転換点になっていたのも興味深い。
「名誉の戦場は痛みを伴う場所なの。」
心に刻んでおきたい。
続きを読む投稿日:2022.09.23
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