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朝倉先生のあとを追って上京した次郎は先生が主宰する「友愛塾」の助手となり,自己を磨く充実した日々を送る.やがて二・二六事件が勃発,軍部の力はさらに強まり・・・・・・.朝倉先生の自由主義的な教育理念や哲学が,青年次郎にどのような精神的成長をもたらすのか.永遠不滅の教養小説最終巻.(解説=原彬久)(全五冊)
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時代はしだいに軍国主義の影が濃くなり,自由を重んずる朝倉先生は五・一五事件を批判したために辞職を勧告される.次郎たち五年生は朝倉先生の留任運動を計画し嘆願の血書を認めるのだが,この退職事件に関する態度が激越だったとして,次郎も退学を余儀なくされる.配属将校や思想警察が幅を利かせる思想統制の時代.(全五冊)
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次郎の中学時代.兄恭一とその友人らの感化により,また朝倉先生が主宰する「白鳥会」に入会することにより,次郎は人生を深く考えるようになる.無計画のうちに強行した筑後川上流探検,宝鏡先生とのトラブル,実父が営む酒屋の番頭の不始末などのエピソードを通して,急激な精神的成長をとげる次郎の姿をつぶさに描く.(全五冊)
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苦労の末,中学に上がった次郎.入学していきなり上級生に難癖をつけられたかれは,ナイフを握って立ち向かうが,そこを終生の師となる朝倉先生に見つかり,「慈悲」について教えられる・・・・・・.愛に飢えた少年次郎は,愛されるより,自ら進んで愛することの大きさに気づき,しだいに理性的,意志的な少年として成長していく.(全五冊)
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次郎は生後まもなく里子にだされ,五、六歳になって実家に帰ってくるが,自分に対する家庭の空気が非常に冷たく感じられ,乳母が恋しくてたまらない.大人の愛に飢える次郎は,周囲に対して反感をいだいて,わざと嘘をついたり,乱暴をするようになる.つらい運命に耐えながら成長する次郎の姿を深く見つめて描く不朽の名作.
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