この作品のレビュー
平均 3.5 (71件のレビュー)
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ブクログさんが「十五夜に読みたい 月のつく小説」を推していたので迷う事なく便乗。否、至極当然暗黒Ver.である。
マッサージ店で働くさくらは客であった松原のアプローチを受け交際を始める。優しく包容力…のある彼に惹かれたさくらだったが、交際してまもなく彼女は松原の支配欲に違和感を感じ別れを切り出す。これにより、松原の異常なまでの執着が延々と彼女に付き纏う事となる。女性陣は鳥肌不可避の「ストーカー」の誕生だ。
はっきりしないさくらの言動が模範過ぎるストーカーへの滑走路を造り出してしまった。
そんなストーカー松原の狂気度は個人的には低く感じた。いや、しっかり気持ちが悪いのだが、なんだろう、許容範囲と言うか、いや、自分がされたらと考えると恐れ戦くが、フィクション内の狂気を求めると弱い。(語彙力)
しかしこれ、裏を返せば「とてもリアル」。名前のイメージもあって淡いピンクな雰囲気をまとっていたさくらは松原に追い詰められた事により段々と薄くなり、白くなり、最終的は透明な精神状態となる様が恐ろしかった。
現実に起こるであろう範囲内で究極の気持ち悪さが彼女の色彩を奪ってゆくのだ。
これを踏まえて今回のテーマである「月」をなぞった文を改めて見返してみる。
「青い空に傷をつけるような白くて細い月が見えた。月はいつも、振り返るとそこにある。どこまで行っても、ついてくる。」
....やだぁ、怖い。(語彙力)
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小説としては微妙。ストーカーの視点だけで物語を追うと内容は在り来りだし展開はめちゃくちゃ。後半は「不運な偶然」とやらが多い。粗探しは野暮だが、ご都合主義感は否めなかった。
終わり方はとても胸糞悪い。私はこれを褒め言葉として使う事が多いが、今回に限っては言葉通りの意味である。アンチハッピーエンドという人間性疑う癖を持ち合わせているはずなのに、この釈然としないラストには眼球が埋もれるくらい眉間の皺を刻んだ。
ストーカーの問題定義だけではなく、承認欲求についてや男女の意識の差、幼少期の境遇による意識の変化等、心理学的な要素にも触れられていたので「ただただ嫌な気持ちになる作品」とは言わないが、ここら辺の主張は浅い。
決して短くは無い物語だったので広がりを期待し過ぎてしまったのだろう...。
これに加えて、着地点到達時のあっさり感とあっさりさせるには重すぎる結末に少々グロッキーとなった。
うーん、はっきり言うと面白くはなかった。
ので、今回は興味深かった事のメモとそれに対して感じた事を保存する場として使わせていただきます(._.`)
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接近欲求
理性を凌駕すれば対象への関心が固着する
成就すれば恋愛だが、拒否される「摩擦」が生じれば欲求が高まりアディクションが始まる。つまりストーカーとなる。
ストーカーは警察や被害者よりも努力する。運は、努力するものの味方をする
解説者は小早川明子さん。
(ストーカー問題を始めとする人間観のトラブルを手掛けるカウンセラーの方)の解説内の言葉。
「こうしてほしい、しかしそうしてくれなくてもあなたの自由だ、私は諦める。でももし私の希望を受け入れてくれたら感謝でいっぱいだ」
ここだけ抜粋すると圧の強めな発言に聞こえるが、純粋に言葉自体を受け止めると普通に生活している私達が人に何かを要求する時って大体こうだと思う。
〈してくれたら嬉しいけどしてくれないのは自由だしそれに対して負の感情は持たない〉のを当たり前に繰り返している。だが、このリミッターが外れる瞬間なんて誰にも分からない。
回避方法も分からない。なので、月並みな言葉ではあるが、どんなに近くにいる人にも思い遣りの精神は忘れてはいけないと改めて強く感じた。
人のためは勿論だが、もし自分のリミッターが外れて見境が無くなったモンスターになってしまったら嫌ではないか。つまりは己自身のためでもあるのだ。この理論は美しくは無いが、悪でも無いと思いたい。
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続きを読む投稿日:2022.10.01
ストーカーの話。主人公に煮え切らない対応に少しイラッとすることもあったけど、それも含めリアルでよかった。ストーカーの心情がよく伝わる
投稿日:2024.05.25
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