佐伯泰英の時代小説第一作。すべてはここから始まった!豊後相良藩二万石の徒士組・金杉惣三郎は、14年ぶりに江戸に入った。何者かによって奪われた相良藩の蔵書の中に、幕府の怒りに触れるもの――切支丹本が混ざっていたという。事が明るみに出れば藩の取り潰しは免れない。固い絆で結ばれた藩主・斎木高玖からの密命を帯び、真相を探るべく脱藩を装って、江戸での浪人生活をはじめる惣三郎。江戸の市井でさまざまな人々と縁を結びながら切支丹本の行方を探ってゆくと、そこには藩主の伯父である斎木丹波の影が。密命を果たすため、東・・・
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清之助と結衣を伴い、大和柳生へ向かった惣三郎。清之助とともに親子で剣術を指導することになった。そんなある日八付草露と名乗る者が惣三郎へ立ち合いを申し込む。
「参りました」と惣三郎が八付に平伏、負けを認めたことで道場はざわつく。
父の行動を理解しようとする清之助だが、またもや尾張の刺客が親子を狙う!
*この電子書籍は祥伝社文庫から刊行された「完本 密命」を底本としています。 -
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惣三郎の次女結衣が姿を消した。結衣は堺町の芝居小屋へ入っていくところと、芝神明の宮地芝居の小屋から出てくるところを目撃されていた。結衣の持ち物から守り刀、着替え、金がなくなっていることから、家を出たことは確かなことのようだ。そして結衣が追っていった一座は尾張名古屋から来た一座らしい。惣三郎の胸に黒い不安が過る・・・・・・。
結衣を追って尾張熱田へ急行する惣三郎。柳生にいる清之助も妹を助けんと尾張へ急ぐ!
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鹿島の米津寛兵衛の一周忌法要へ、鍾馗の昇平を筆頭にした石見道場の面々を引き連れて行くことにした金杉惣三郎。ところがその矢先、大岡忠相より探索の密命が下される。それは直参旗本の家督相続が絡む、奇怪極まりない事件だった。
一方清之助は新宮、伊勢、奈良を経て大和柳生の庄をたずねる。時が許す限り稽古をする同士と出会い、秘剣・霜夜炎返しを披露する。しかし尾張柳生の刺客はなおも清之助を狙う!
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享保八年秋、飛鳥山の菊屋敷は、棟方新左衛門と久村りくの結納を祝う宴で賑わっていた。ところが石見道場に新左衛門と夫婦になる約定を交わしたという女が現れる。花火の房之助親分らが極秘に探索に乗り出すと、女は意外な人物の妻だった。
一方、二十一歳になる清之助は身の丈六尺三寸、鍛え上げられた躰をもつ若武者に成長していた。紀州和歌山を発ち、大和街道を行く清之助は、不逞の黒装束の一団に取り囲まれ、銃弾をうけ倒れてしまう――。
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紀州藩下屋敷が火付けにあった。言うのも憚られるほど凄惨な殺戮が行われており、江戸町奉行・大岡忠相はやっきになって火付け一味の正体を暴こうとしていた。しかしまったく手がかりがつかめない。金杉惣三郎は将軍吉宗の命を受け、一味の探索にあたる。
殺戮からただ一人生き残った娘・鶴女は心を閉ざし、何も喋ろうとしない。惣三郎は鶴女の身柄を預かり、飛鳥山の菊屋敷で家族をあげて見守ることに。平穏な時が過ぎるのも束の間、黒衣の山伏たちが襲いくる。
「金杉様、私の朋輩衆の仇を討って下さいますか」。惣三郎は鶴女の願いを受け止め、火盗黒野分と対峙する!
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鹿島に「この人あり」と謳われた鹿島一刀流の達人・米津寛兵衛の訃報が金杉惣三郎へもたらされる。急ぎ鹿島へ向かうと、寛兵衛は影ノ流を名乗る謎の剣客と立ち合い、非業の死を遂げたのだった。
悲しみに暮れる間もなく、江戸にはたちの悪い火付けが横行し町を恐怖に陥れ、清之助と思いを寄せ合う葉月には強引な結婚話が持ち上がる。その頃、四国八十八箇所の霊場を巡る清之助には尾張の刺客が現れる。そして惣三郎一家のまわりにも姿を見せない敵の気配がつきまとうのだった。
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父金杉惣三郎の剣に近づき、乗り越えんとして武者修行を続ける清之助。久方ぶりに故郷・豊後相良の番匠川で修行していた折、尾張柳生七人衆を名乗る刺客が現れ、「そなたら親子は尾張柳生の終生の敵」と襲いかかる。
一方、江戸では徳川吉宗の密命を受けた惣三郎が、行方を絶った御庭番の探索に乗り出す。その背後にはまたしても尾張の影が・・・・・・。
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金杉惣三郎の愛娘みわは浪人者に取り囲まれ拉致されようとしていた。そこへ細身の若侍が現われ、みわの窮地を救い、名乗りもせずに姿を消した。握ったみわの手に香の匂いを残して・・・・・・。
一方、惣三郎は尾張柳生の四天王から立て続けに襲撃を受ける。いわれなき襲撃に疲れ果てた惣三郎だが、柳生一門はその手を緩めることはない。
そんななか、みわは尾張柳生の策に籠絡されてしまう。愛娘の危機に、惣三郎が疾走する!
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徳川吉宗の発案で武術を奨励するための剣術大会が催されることになった。金杉清之助の元にもこの試合の内容がもたらされ、道場の代表選抜の試合に向けて一日一食、睡眠時間も削って、無心に自らの剣の限界を突き詰める孤独な闘いをしていた。
父惣三郎から送られた新藤五綱光が丹精込めた刃と、葉月が手縫いした白鉢巻きを手に、清之助は試合にのぞむ。
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め組の姉御お杏が、待望の男子を出産した。惣三郎らが駆けつけ、祝いの酒を酌み交わしている席に、相良藩江戸屋敷の留守居役が訪ねてきた。
話を聞くと、旧主・斎木高玖が伏せっており、高玖の側室に"隠れきりしたん"の疑いがかかっているというのだ。「余を助けてくれるか」と問う旧主に、「一命を賭して微力を尽くします」と答える惣三郎。
調べを進めると、お家騒動の先にまたしても幕閣の陰謀が渦巻き、その行く手には、寒月霞斬りを破る"一期一殺剣"が立ちはだかる――。
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大岡忠相の密偵役を辞退して半年。金杉惣三郎は、荒神屋の帳面付け仕事をしながら長屋での暮らしを楽しんでいた。
しの、みわ、結衣を伴って成田詣でをし、その足で清之助が修行に励んでいる鹿島を訪れ、家族の絆もますます強くなっている。
そんな折、大岡の町火消し再編で、惣三郎の友・芝鳶の辰吉が不当な因縁をつけられる。加えて押し込み先を皆殺しにし、戯れ歌を残す火付け盗賊が跋扈。捨ててはおけぬ惣三郎は再び探索に乗り出す!
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ようやく拝領屋敷で家族そろっての暮らしがはじまったが、しのと娘みわの仲はうまくいかず、息子清之助は岡場所の出戻り女と心中騒動、肝心の惣三郎は酒浸りで、思い描いた暮らしとは程遠い。
親しい人々が家庭崩壊を心配するなか、惣三郎が何者かに襲われ、川に落ちて行方不明になってしまった。
惣三郎はまたしても吉宗を守るため、東海道を下りながら七人の刺客を迎え討つ!
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