マナーはいらない 小説の書きかた講座
三浦しをん(著)
/集英社単行本
作品情報
作家・三浦しをんが「小説」を真正面から考えた――。「小説を書くのは自由な行い」。だがしかし、「ここを踏まえると、もっと自由に文章で表現できるようになるかもだぜ!」。長編・短編を問わず、小説を「書く人」「書きたい人」へ贈る小説の書きかた講座。人称、構成、推敲など基本のキから、タイトルのつけ方や取材方法まで、本書タイトルにあやかって「コース仕立て」でお届けする大充実の全二十四皿。
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商品情報
- シリーズ
- マナーはいらない 小説の書きかた講座
- 著者
- 三浦しをん
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社単行本
- 書籍発売日
- 2020.11.10
- Reader Store発売日
- 2020.11.12
- ファイルサイズ
- 5MB
- ページ数
- 272ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (91件のレビュー)
-
いつかは弥生時代を背景とした大河小説を書きたい。そんな野望を持っているが、25年間一つも書けていない(泣)。そんなこんなで、藁をもすがる気持ちで紐解いた。文章教室的な本は幾つか読んだが、「エンタメ小説…」指南書は初めて。忖度無し、コレは思いもかけず1番参考になる本だった。
しをんさんは「推敲に推敲を重ねよう」と言っているので、感想代わりに、最近このブクログ欄で原稿用紙約9枚のレビュー代わりの小説を書いたので、それを推敲してみようと思う(長さ問題があるので、引っかかった部分だけ)。
「白銀の墟 玄の月(3)十二国記」小野不由美 新潮文庫(20年5月6日)
を、検索してみてください。これは、小野不由美女史が創り上げた「十二国世界」の、「創世記」を私流に「でっち上げた」お話です。つまりテーマは、大胆無謀にも、私流の「十二国世界観」です。
〈人称問題について〉
短編なので、一人称は正しかった。本当は主人公はキャラ立ちさせるべきなんでしょうが、長くなると問題なので、便宜的に中国秦国の官僚で記録官「中書令」の犀子(創作)を語り手にしてしまった。上手くいったと思います。大河小説ならば、三人称単一視点も試してみようかな。
〈比喩表現について〉
頭いたい。そもそも、もっと膨らまして9枚→100枚ぐらいには、するべき内容だったと思う。よってするべき比喩はほとんどできていません。でもそんなに長くなったら誰も読んでくれない!!あ、ごめん。この小説は〈小説〉と言ったけどホントは〈プロット〉というべきでした。誰か、これを原案に小説に書いてくれないかな。その前に小野先生に読んでほしいな。因みに三浦しをんさんは、新刊発売直後は感想検索しているみたいです。・・・なんか、「推敲」と言いながら「自己満足」と「言い訳」ばかしだな。
〈セリフについて〉
主な登場人物は3人で、喋るのは主には2人なのだから、此処で出ている「どの様な人が喋っているのか、誰が喋ってるか」技巧は難しくありません。むしろ気がついて欲しいのは、秦国の丞相である李斯は、最初はお尋ね者盧生を呼び捨てにしていますが、セリフのやり取りの途中、相手の正体に少し気がついてきて敬語を使い始めます(少し自慢)。‥‥だけど、繰り返しますが、構成からいってもホントは100頁半分をかけて李斯と盧生の関係を描くべき作品です。あゝ枚数が!
〈取材方法について〉
大変参考になりました(最大限ツテを利用、相手の佇まい・口調に注意)。‥‥でも、ホントは25年間ずっと取材しているようなもの。
〈高揚感について〉
しをんさんは、本の1/5ぐらいを使って映画「ハイロー」論を展開していて、ちゃんと高揚感の手本を見せてくれています。本来なら、私も映画を観た上で本書評を書くべきなんでしょうが、アマプラ無料にはなっていなくて断念しました(^^)。「青臭いセリフは小説だからこそ生きてくる」‥‥案外小説を書くには高揚感は必要なことなんだと思いました。
〈描写と説明について〉
「(粘りすぎるとくどくなるので)さりげない塩梅の描写を探ってください」という指摘が、繰り返しますがこの小説には適応しませんが、グサッグサッと来ました。「あれ?この納豆、あんまり糸を引かないな」‥‥そうです。25年間も温めていたら、そりゃ発酵を通り越して腐るわな(石になっているかも)。
〈書く際の姿勢について〉
「周りのアドバイスなど無用!」友達や同僚から感想を求めない方がいい。・・・迷っていましたが、ホント有り難きお言葉。SNSレビューも気にする必要なし。まぁそうなんだよね。だいたい、自分できちんと推敲出来なかったら、書く資格はない。
〈文章、書き進めるコツについて〉
「文章のデッサン力」という瞬発力が身に付いていたら、あとは「マラソンを完走する」持久力です。とのこと。「闇雲に走らない」。どういうコースか知らないままに42.195キロを走るマラソン選手はいない。「あと2キロ先に給水ポイントがある」とわかっていれば踏ん張りがききます。「ここから上り坂が続く」とわかっていれば、息切れせぬように慎重に行こう、とペース配分できます。‥‥心しておきます。
書いてみて気が付いたけど、しをんさんの本自体が脱線しまくりなのを良いことに、全然「推敲」になってないな。続きを読む投稿日:2021.05.25
私は、小説を書きたいとは思わないし、俳句や短歌も詠まない。
本書は「小説の書き方講座」という本だが、「小説の読み方講座」というエッセイとして読んだ。
テレビは観るし、音楽もよく聴く方だと思う。
新聞…や本も読む習慣があるが、これらは全てinputだ。
outputが重要だとよく聞くので、facebookとinstagram をしているが写真が主で文章はほぼ無い。
何年か前に"ブクログ"に出会った時、文章を書く(頭の中を整理する)のにちょうど良いと思った。
最初はいろいろと悩んで書いていたレビューが、最近はダラダラと単に長いだけになっていると感じる。
600字くらいの文字数に納めるのが、考えをまとめるのには良いのだろう。
しをんさん曰く、「小説家になるには、普段から言語のインプットとアウトプットを意識的に実践する」ことが必要らしい。
しをんさんは、目に映ったものや感じた気持ちを脳内で言語化する習慣が身についていて、毎日脳内でしゃべり続けているそうだ。
途中からレクチャーする話題に困り、
小説を書く際に要求されるのは、たったひとつ「センス」です。
大切なのは「慣れ」です。
小説の書き方について的確にアドバイスできる人はそうそういない。
と、開き直っている。
小説をたくさん読んで、どこが面白かった(つまらなかった)かを考え言語化することが「センス」になるのだそうだ。
こんなレビューだと、役に立たない本のように思われそうですが、技術的なことも沢山書かれているのでご心配なく。
例えば、
登場人物の魅力を前面に押し出す作品の場合、「登場人物の年齢や外見をなるべく早く情報提示したほうがいい」という法則がある。
このくだりを読んでピンと来たのは本屋大賞の「成瀬」だ。
読む前に表紙に「成瀬」の姿が描かれているのだから最初からイメージはバッチリだった。
本屋大賞の要因の一つは表紙の絵だと思った。
しをんさんの特技である「アホなことならいくらでも書ける」モードは全開だったのでエッセイとしても最後まで楽しめました。続きを読む投稿日:2024.05.01
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