わずか一しずくの血
連城三紀彦(著)
/文春文庫
作品情報
長年埋もれていた連城三紀彦のミステリー長篇!
ファン待望、必読の一冊。
薬指に結婚指輪をはめた左脚の白骨死体が山中で見つかり、
石室敬三とその娘は、その脚が失踪した妻のものだと確信する。
この事件をきっかけに、日本各地で女性の身体の一部が発見される。
伊万里で左腕、支笏湖で頭部、佐渡島で右手・・・・・・
それぞれが別の人間のものだった。
犯人は、一体何人の女性を殺し、
なんのために遠く離れた場所に一部を残しているのか?
壮大な意図が、次第に明らかになっていく超絶ミステリー。
※この電子書籍は2016年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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商品情報
- シリーズ
- わずか一しずくの血
- 著者
- 連城三紀彦
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2019.10.09
- Reader Store発売日
- 2019.10.09
- ファイルサイズ
- 1.8MB
- ページ数
- 416ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (4件のレビュー)
-
連続猟奇殺人
日本各地で次々見つかる人間の部位
一部は犯人からの自白
いろんな人の視点が入れ代わりで展開される物語で
いろんなことが起こるのだけどなかなか犯人に
行きつかずもどかしくも感じましたが
読…み終えてほっとしました続きを読む投稿日:2021.10.09
このレビューはネタバレを含みます
注!思いっきりネタバレしてますw
レビューの続きを読む
『敗北への凱旋』の内容に辟易して、連城三紀彦ファンはやめた……
つもりだったんだけど、本屋で見たら、無性に読んでみたくなって。またファンになることにした。…
読者なんて、いい加減なもんだ(爆)
約10ヵ月ぶりの連城三紀彦は、読み始め、なんだか読みにくい。
“一年以上前に失踪した妻から電話がかかってきて、「自分がテレビに出ているから」と言うので見ると。
白骨化した左足が発見された”とか。“やがて全国各地で女性の体の一部が見つかり”なんて、裏表紙の内容紹介に、やたら「そそる」ことが書いてあるのになぁーw
ま、それは著者独特の、わかったよーな、わかんないよーな(ぶっちゃけ、わかんないw)お飾り表現があるからなのか?
それとも、(確かに連城三紀彦といえば、とろーっとしたエロだけどw)それにしたって、エロがくどい!と思ってしまったからか?
いや。そんなこと言って、実はどっちも好きだったりするんだけどね(笑)
でも、それにしたって、たんに雨が降ってきたのを、“空から弾丸を撃ち込まれた”なんて書かれても、面倒くさい以外なにものでもないじゃないか!w
エロの方にしても、ごくごく普通の父親が電話に出ている娘を見て、“ダッチワイフを連想した”とか。
旅館の仲居さんが風呂上りの女性の目を見て、“恥部を連想した”とか。
もはや、「そんなヤツいねーよ」と言うしかないw
とはいうものの。
“廊下は半分灯が落ちていた。女の顔は闇の溜まった辺りに埋もれていたので…”なんかは、その光景がパッと浮かんできて、ゾクゾクしてくるし。
それを見た仲居さんがその後、されてしまうエロエロな出来事やその描写はドキドキ楽しかったw
つまり、連城三紀彦って。空から弾丸を撃ち込んだり、娘を見てダッチワイフを連想しなきゃ、もっと面白いんじゃないかい?(爆)
ま、それはともかく、この『わずか一しずくの血』は面白かった。
要は(以下、数行は思いっきり内容に触れてます)、日本のあちこちで女性の体の一部が発見される → 失踪者もいっぱい! → 犯人が女性を誘うシーン → お!これは連続猟奇殺人かぁ~。エロなシーンもあるし。ワクワク!
という、ミステリー小説ファン垂涎モノのお話wだと思っていたら……、というお話なのだ。
そこがいいんだよなぁー。
なんだか、著者のニヤっと笑っている顔が見えるようで。
連城三紀彦という人は、たぶん「読者が読みたい展開なんか、死んでも書くかよ!」みたいに思っていたような気がしてしょうがないのだが、これは、本当にそんな感じw
ていうか、これって、著者らしいひねくれ感はあるものの。物語としての面白さは、素直にストレートだった気がする。
『暗色コメディ』みたいに、よくわからないんだけど…、読み終わってみたら、なんか面白かった、かも…、みたいな面白さ(?w)ではなく、わかりやすく面白いところがいいんだと思う。
ま、確かに。ここで出てくる犯人(犯人と言うのか?)みたいなことする人っているのかなぁーと思うところはある。
ただ、(くどいようだがw)娘を見てダッチワイフを連想する父親や、風呂上がりの客の目を見て恥部を連想する仲居さんよりは、まだリアルなんじゃないかと(爆)
ただ、2020年という現在からすると、いかんせん物語の雰囲気が70年代、60年代なので。
いや、話の中で出てくるモノやコトからすると、物語の時代設定は90年代の前半、いっても94年くらいなんだろうなーとわかるのはわかる(95年5月~96年8月の連載らしい)。
90年代前半といったら、ほとんどの家がプルルルーっと鳴る電話になっていたと思うのだが、この話の冒頭で鳴る電話は、ジリリーンの黒電話の絵しか出てこない。それくらい、物語の雰囲気がひと昔前なこともあって、
現在の空気感で描かれた小説が当たり前の人が読むと、「なぁ~んか、昭和ぁ~な話」で終わっちゃうのかなぁ~という気はする。
というか、現在現役バリバリの作家だったら、たぶん刑事の広川辺りのパートを軸に、犯人(?)は独白パート、仲居さんパート、辻村パート、それ以外に適時に事件のそもそも背景を断片的に入れていく、みたいに書いていって。
最後に全てのパートをガッチャンコして、読者に「おぉ~」と言わす、みたいな書き方をするんじゃないだろうか。
たぶん、そういう風に書いた方がわかりやすいだろうし。
何より、この書き方だと、ラストがちょっと説明くさくなってしまった気がする。
とはいえ、小説としては、それを補って余りあるくらいには面白いと思った。
てことで、例の『敗北への凱旋』はなかったことにして、次読もぉーっと(爆)続きを読む投稿日:2020.08.02
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