アメコヒメ
高松美咲(著)
/ふゅーじょんぷろだくと
作品情報
“ある日、トラウマが落ちてきた”。少年は愛する人を失った。そしてまた、彼は失う。――野呂 雅史の母親は彼が中学2年生の時に自殺をした。その事件を境に生きる事に対して鈍感になってしまった“ノロ”。夏休みを間近に控えたある日、小学生の頃からの親友・音成 晶はノロから一本の電話を受ける。珍しい呼び出しにアキラがノロの部屋へと駆けつけると、そこには全身火傷の少女が横たわっていた──。
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商品情報
- シリーズ
- アメコヒメ
- 著者
- 高松美咲
- ジャンル
- ボーイズラブ - ボーイズラブコミック
- 出版社
- ふゅーじょんぷろだくと
- 掲載誌・レーベル
- ふゅーじょんぷろだくと
- 書籍発売日
- 2013.12.01
- Reader Store発売日
- 2018.10.05
- ファイルサイズ
- 54.6MB
- ページ数
- 184ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (5件のレビュー)
-
再読。
叙事詩というか文学というか、
漫画を読んでいるというよりは小説を読んでいるかのような風景と表現だった。
ファンタジーのはずなんだけど、どこか懐かしい。
そしてたった1巻なのに、11話なのに、…奥深さがあって、最後には一歩踏み出すから希望ととらえているんだけど、
だけどこの作品の全てをつかみきれなくて、いろんな人の考察を読みたくなるような不思議な作品。
数年ぶりに再読しても、やっぱり初めて読んだかのような印象を抱いた。つかみきれない。でも嫌いじゃない。むしろ好き。
いまや高松美咲さんは、キャッチーな青春マンガで話題の作家さんだけれど
あの万人向けな「スキップとローファー」の前にはこんなにも複雑な作品を出しているということはもっと知られてもいいと思う。続きを読む投稿日:2021.12.25
明確にはBLではないが、スメルズ好きな人にはこの空気感は伝わるんじゃなかろうか。高松美咲さんの『アメコヒメ』、ファンタジーなんだけど、依存される心地、ひな鳥の様に依存する純粋さ、それをなんか気持ち悪い…ものと直感で感じ取る勘。依存しあっている人間同士を見て「それは依存と言うもので人間関係の一つではあるが依存じゃない方法で関係を築いた方がいいんじゃ…」と思ってしまう気持ち悪さが凄い出てる。アキラの気持ち凄い解るわ…ノロの様に母親が首つって自殺した、と言うトラウマがなくても満たされずにいる人間っているんだよ。不幸ではないであろう自分を卑下してるんだよな、アキラ。第10話でアキラがノロを殴って言った言葉、絵にして文字にしてよくぞ描いてくれた、と言う気持ちが大きい。ほぼ全くと言っていいかもしれん、これはBLではないが、「腐れ縁」と言うかなんでこの人間と友達やってるんだろう、って事が描かれている。こんな微妙で論理的に語りにくいものを作品として成り立たせている作者が凄い。アメコは雨の精の一族なのかなぁ。
色々恵まれているけどそれをさほど幸福と考えてないアキラと、家庭環境に問題があり無感動・無感情が平常心になってしまったノロの、共依依存に見えて実はそうじゃない関係が緻密に描かれていて凄いなぁ…。実はアキラがノロに依存していると言うだけのものでもない。ノロにとってアメコは捨てられた子猫でも同じことだったろうと思う。母親の事があって更に無感動・無感情であるのが「通常モード」になってしまったノロは、自分がいないと駄目なんだ、と言う存在が降ってわいて来れば同じ様に接するだろう。そう言う対象を得ないと自分が「在る」実感を抱けないノロ。んなノロに「唯一の友達」と称して優越感を享受していたアキラだが、それだけじゃなかろう、アキラにとってはアキラの秘密の場所に連れて行った時に無言で泣いていたノロの悲しみをなんとかしてやろう、とずっと思っている存在だったに違いない。ノロに消えて欲しくなかったに違いない。アキラがノロへのどす黒い優越感を抱いていたことを白状したとこ、そんな気持ちを抱いていながら壊れそうなノロにしっかりしろと言うところ、どんなに見下していようとノロに気持ちを抱いているところ(友情なのか腐れ縁なのか)、ノロとアメコの別れが呆気なく描かれているところ、特に好きだ。続きを読む投稿日:2015.01.16
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