元年春之祭
陸 秋槎(著)
,稲村 文吾(訳)
/ハヤカワ・ミステリ
作品情報
二千年以上前の前漢時代の中国。山中の名家を訪ねてきた少女は、かつてこの地で奇妙な殺人事件が起きたことを聞き、その推理を試みる。そこに新たな事件が! 不可能状況の殺人、二度にわたる「読者への挑戦」。気鋭の中国人作家による本格推理小説の新たな傑作
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商品情報
- シリーズ
- 元年春之祭
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- ハヤカワ・ミステリ
- 書籍発売日
- 2018.09.15
- Reader Store発売日
- 2018.09.15
- ファイルサイズ
- 1.9MB
- ページ数
- 328ページ
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この作品のレビュー
平均 3.2 (58件のレビュー)
-
古代中国が舞台のミステリ。
名家で殺人事件が起こり、滞在していた利発な娘が推理することに。
前漢時代の中国。
かっては楚という国の狩り場があった地方。
国の祭祀を担った名門の観一族は、今はあまり表に…は出ない。それでも春の祭儀の準備は怠りなかった。
ところが当主の妹が殺され、犯人が全くわからない、ありえない状況だったのです。
於陵葵(おりょうき)は、豪族の娘で、都から伝統ある祭祀の見学に来ていました。
才気あふれる勝気な娘で、観一族の少女とも何かと火花を散らすが、大人たちとも対等に渡り合って論じる。
じつは四年前にも、前当主一家が惨殺される事件があった…
読者への挑戦状も挟んだ構成の本格ミステリです。
作者は古典の専門家で、繰り出される漢籍や宗教論など、ついていけなくなりそうだが、本筋に影響がある部分には何とか食らいついて読みました。
中国歴史ドラマをいくつか見ているので、楚という国や屈原という人物は知っているし、漢の時代の衣装なども大体は思い浮かびます。
日本なら弥生時代という紀元前に、このような文化がすでにあるという。
一方で、ある意味ドラマで見る昔の中国の滅茶苦茶ささみたいなものも感じるけど~見ている人にしかわからないかなぁ?(笑)
わかりやすくいうなら… 暗い部分もあるが濃くて、喜怒哀楽が激しくドラマチック?
古代中国となると、中国人にはある程度まで常識でも、日本人で理解の範囲が広い人は限られるかも。
ただ、モチーフはともかく、雰囲気や筋立ては、意外と日本人になじみのある世界。
新本格派を読み込んできた作家さんなのだろうと思わせるし、ラノベやアニメの影響もありそう。
この作品で受賞後は日本に住んでいるというのには驚きましたが、そういうことだったのかと。
気鋭の中国作家の変わった味わいを楽しませてもらいました。続きを読む投稿日:2020.10.15
以前読んだ『文学少女対数学少女』が面白かったので、すごく楽しみにしていました。
しかし、思った以上に難しくて手こずりました。
だって紀元100年代の中国で、1000年も昔から連綿と続いている宗教・祭…祀が核になった連続殺人のミステリなのよ。
以前から、中国の神話って聞いたことないなあ、中国の神様って誰?って疑問に思っていましたが、札幌の図書館にそれらしい本を見つけられなかったので、今回意気込んで読んでみましたが、余計に訳が分からなくなりました。
神様は、いた。
五帝と言われる概念。
天の最高権力者と言われる太一(たいいつ)思想。
なんかさー、神様っぽくないでしょ?
現世の最高権力者も帝だし、太一なんて、そこら辺にいそうじゃん。
で、くりひろげられる宗教談義。
主人公が、豪族の長女に生まれたために、生涯を家族の安寧を祈念するため処女でいなければならないという於陵葵。
その代わり、大抵のわがままは通るので、彼女は古礼の見聞を深めるという名目で旅をしているのだが、17歳にして既に一流の学者並みの知識を持っている。
難解なうんちくが続く会食のシーンが大変だけど、犯人も動機もここをきちんと読めば分かるようになっている。
知識は必要ない。
でも、わからなかった。
その人の立場になったことがなかったから。
でも、於陵葵とお付きの少女・小休の関係性や、於陵葵と観家の末娘・露申の友情が、一筋縄ではなくて、読みごたえが十分なの。
というかね、『文学少女対数学少女』の時も思ったけど、女の子同士の友情がツンデレってなかなかないよね。
露申は露申で、名家の中で価値のない自分にコンプレックスを持っている。
才能のない自分は婿を取って子をなし、家という狭い世界の中だけで生きていこうと決めている。
そう、古代中国って、女性の価値なんて誰も考慮しない。(古代にも中国にも限らんが)
勝手に持ち上げたり貶めたりして、家族という枷に縛り付ける。
事件は悲劇以外の何物でもないけれど、読後はさわやか。
どうか彼女たちの未来に幸いがありますように。
ところでこの、2000年以上も前を舞台にしたこの作品の中の、ある登場人物の台詞に笑ってしまった。(笑うシーンではない)
”この五十年の世間の激変は、それまでの数百年をあわせたよりも急でしょう。幸か不幸かこのときに生きている私たちは、なにも成さずに死ぬわけにはいかない”
もしかしたらいつの時代も、人は時代の激変を感じながら生きてきたのかもしれないな。続きを読む投稿日:2023.09.23
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