囚われの盤
小島環(著)
/講談社
作品情報
魯国出身の公輸盤は、君主に忠実に使える父のもと裕福な家庭で過ごした。彼には、密かに心を寄せる人物―イチ―がいた。だがイチは、その類い希なる才能を盤の父に見いだされ、ついに父の妻の一人となってしまう。これ以上は一緒に生きていけないということが分かり、絶望の淵立たされていた時に、盤はイチに呼び出される。そこで見せられたのは、生きているのかと見まごうほど精巧につくられた喜鵲の木製工作だった。その作品の素晴らしさに目を奪われていたのも束の間、盤の家がある方で大きな騒動が起きていることに気付く。イチも連れて逃げようとした盤だが、イチは忽然ときえていた。そしてこの日を境に、二人の人生は大きく枝分かれしていく。
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この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
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古代中国を舞台に、心を許していた元許嫁の奸計で一家皆殺しになり仇を討とうと十年の間彼女を追い続ける青年と、その技術力と見せない本心で彼を翻弄する元許嫁で有り元義理の母でもある女工匠。
二人の愛憎劇だけ…れど国の在り方、古い固定概念からの解放も匂わせて色んな意味でタイトル通りの内容。
あのラストはある意味潔いけれど、しかしあそこで物語終わるって…!!色んな件のその後が気になって読後の飢餓感が凄い!!続きを読む投稿日:2017.10.18
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