ライトノベル
死想図書館のリヴル・ブランシェ
シリーズ内の平均評価:
(6)
完結
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イツキ様。 死想図書館の蔵書であった、意志無き全知の記憶 『アカシック年代記』 との対決の時です。 『アカシック年代記』 がパートナーに選んだのは、矢口未耶様。イツキ様の、幼なじみでございます。 彼女はいま、全ての知識を得た全能の存在となっています。つまりは神 ── 邪神です。今までで最も熾烈な戦いとなるでしょう。そして私、『真白き本』 とも、これでお別れでございます。 イツキ様。 さようなら、お元気で。
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イツキ様、死聴音楽堂に異変が起きました。双子の管理人の片割れ、ジュモ・ブルが行方知れずです。付近では、謎の連続傷害事件が勃発、警戒が必要かと思われます。 失踪の鍵を握っているであろう、イツキ様の学校の生徒会長・緑ヶ丘ユカリ宅への侵入を提言いたします。 ・・・・・・はい? 仰るとおりです、イツキ様。この衣装はレースクイーンです。とくに今回の事件と関係はありませんが、それがどうかされましたか?
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イツキ様。このような格好で失礼いたします。いえ、このバニーガール姿は、決して給仕服に飽きたからというわけではございません。これは、死書 『不思議の国のアリス(アリス・イン・ワンダーランド)』 の仕業です。 この悪夢と無邪気の少女幻想から抜け出すため、私達は死書 『アリス』 を封印せねばなりません。 ところで、死書 『アリス』 が最も優先するのは“享楽性”、楽しむことです。つまりイツキ様。『三月のウサギ』 に変えられた私は、とても発情しています。不躾なお願いとは存じますが、その、イツキ様が慰めてくださると──。
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此処は彷徨う 『死書』 を封じる死想図書館。私は司書の、リヴル・ブランシェと申します。お帰りなさいませ、黒間イツキ様。そろそろ 『筆記官』 としてのおつとめにも慣れてきた頃かと存じます。── イツキ様。本日はご報告がございます。この図書館を司るエレシュキガル様の容態が、今だ優れません。その煎薬である死書 『喫茶養生記』 を見つけ出し、封書することが快方の近道となります。潜伏先はすでに調査済み。所在は── 京都です。此度の案件、イツキ様の修学旅行と同時期なのは僥倖でした。はい。もちろん私が、案内役のバスガイドです。
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お待ちしておりました、黒間イツキ様。私は、この図書館の案内を仰せつかっております、リヴル・ブランシェと申します。貴方様は私をお使いになり、この図書館より逃げ出した“死書”の封印をしていただきます。その過程において、この身はすべてイツキ様に隷属します。私は、そのために存在しています。 ですからイツキ様、これから共に ── イツキ様? なぜこちらを見ようとしないのですか? 私がメイド服だからですか? まさか私が、人間に見えないからですか? 分かりました。今からその証明をするために、衣服を脱ぎ、身体の御確認をお願いしたく ──
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