幽霊が返した借金
翔田寛(著)
/PHP文芸文庫
作品情報
時は天保年間の江戸・神田白壁町。おでん屋を営む主人公のこはるは、気になることがあると、首をつっこまずにはいられない性分である。ひょんなことから近所に住む夫婦喧嘩の仲裁をしていたところ、奇妙な事件に巻き込まれてしまうこはる。不思議なことに、借金を返したのは、すでに死んでいた女だというのである。そんなことがあり得るのか? 断片的な材料から、こはるが導き出した謎の答えとは――。表題作のほか、できすぎた女の失踪に隠された真実をあぶりだす「神隠し」、放火未遂に対する証言の違いの謎を解く「嘘吐き弥次郎」など四編を収録。定町廻り同心もお手上げの怪事件の数々に、こはるが挑む“人情&ミステリー”時代小説。
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商品情報
- シリーズ
- 幽霊が返した借金
- 著者
- 翔田寛
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP文芸文庫
- 書籍発売日
- 2014.01.08
- Reader Store発売日
- 2016.09.09
- ファイルサイズ
- 1.4MB
- ページ数
- 352ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (2件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
おでん屋を営む主人公は、気になる事があると
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つい首を突っ込んでしまう。
連続短編になっていて、事件はきっちり解決。
しかも、今だと考えられないような事件のごまかし。
すべて関わった人達が幸せにはなっていますが
後ろを知らなかったら、それでも…と
言いたくなるような事件も。
江戸で、人情で、というので成立する内容かと。
辻褄もあっていますし、面白かったです。
最後の話だけは…本人が選んだとはいえ
なかなか辛いものがありそうですが。投稿日:2020.04.30
「翔田寛」の連作短篇時代小説『幽霊が返した借金 おでん屋こはる事件帖(『神隠し―子預かり屋こはる事件帖』を改題)』を読みました。
「池波正太郎」、「木村忠啓」、「月村了衛」、「神楽坂淳」の作品に続き…時代小説です、、、
「翔田寛」作品は、5年くらい前に読んだ『消えた山高帽子 ― チャールズ・ワーグマンの事件簿』以来なので久しぶりですね。
-----story-------------
幽霊が借金を返した!?
できた娘が失踪!?
おでん屋「こはる」が数々の怪事件を見事解決。
“思わずホロリ”とする連作時代ミステリー。
時は天保年間の江戸・神田白壁町。
おでん屋を営む主人公の「こはる」は、気になることがあると、首をつっこまずにはいられない性分である。
ひょんなことから近所に住む夫婦喧嘩の仲裁をしていたところ、奇妙な事件に巻き込まれてしまうこはる。
不思議なことに、借金を返したのは、すでに死んでいた女だというのである。
そんなことがあり得るのか?
断片的な材料から、「こはる」が導き出した謎の答えとは――。
表題作のほか、できすぎた女の失踪に隠された真実をあぶりだす『神隠し』、放火未遂に対する証言の違いの謎を解く『嘘吐き弥次郎』など四編を収録。
定町廻り同心もお手上げの怪事件の数々に、こはるが挑む“人情&ミステリー”時代小説。
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おでん屋兼子預かり屋の「こはる」が数々の怪事件を見事に解決する連作時代ミステリー… 2010年(平成22年)に『神隠し―子預かり屋こはる事件帖』として刊行され、改訂・改題し文庫化された作品です。
■第一話 幽霊が返した借金
■第二話 運の悪い女
■第三話 神隠し
■第四話 叱られっ子
■最終話 嘘吐き弥次郎
天保八年、神田百壁町の甚兵衛長屋近くにあるおでん屋“おかめ”を営む「こはる」は、一年前に腕利きの大工だった夫「幸次郎」と死に別れ、母「おてい」、一人娘「さなえ」との三人暮らし… “おかめ”への客足が減るなか、幼子をあやすのが得意な「こはる」が思いついたのは、子預かり屋の商売だった、、、
―夜泣き、寝小便、よろず承り候… よそ様の赤子の世話はもちろん、夫婦喧嘩の仲裁やら何やらと相談にのるうちに、気になることがあると首をつつこまずにいられない性格の「こはる」は、身近で起こった奇妙な事件に巻き込まれ、その解決にひと役買うことに...。
『第一話 幽霊が返した借金』では、「文七」と「おきん」の夫婦の借金が、その家に居候していた姪で元芸者の「おえん」によって返済されたが、「おえん」は借金が返済された日には既に死んでいた事件を解決し、
『第二話 運の悪い女』では、近くの裏店で「おせん」という女房とその連れ子の14歳になる「お初」と暮らしていた「周蔵」が包丁で刺されて殺され、「お初」が行方知れずとなった事件を解決し、
『第三話 神隠し』では、提灯屋なかやの女中で、働き者で心優しく、ほかの者からも慕われており、店の主人の後妻の話もあった「お照」が突然失踪した謎を解き、
『第四話 叱られっ子』では、母親に嫌われて叱られてばかりいる「松吉」が、本当は心優しく、ほかの人をかばうような心の持ち主であることを証して、母親「おふじ」の愛情を取り戻し、
『最終話 嘘吐き弥次郎』では、火事騒ぎの不審な点をきっかけに、「こはる」の夫で大工の「幸次郎」が足場から落ちて死んだ事件の真相を明らかにする、
人情ミステリなのでどれも優しいし、心が温かくなるんですけど、どれもそこはかとなく哀しいんですよね… 人間の業とでもいうか、罪を犯さざるを得なかった人への愛惜が感じられる展開でしたね、、、
「こはる」のキャラって、自分の頭の中では、「宮部みゆき」作品の、ぼんくら同心「井筒平四朗」シリーズに登場する、煮売屋の未亡人「お徳」と、少しイメージがダブりましたね… いずれの作品もおでんが食べたくなるしね、愉しめる作品でした。続きを読む投稿日:2023.05.03
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