黒い天使
コーネル ウールリッチ(著)
,黒原 敏行(訳)
/ハヤカワ・ミステリ文庫
作品情報
夫はいつも彼女を「天使の顔」と呼んでいた。彼女を誰より愛していたのだ。それが突然そう呼ばなくなった。ある日、彼女は夫の服がないことに気づく。夫は別の女のもとへ走ろうとしていた。裏切られた彼女は狂おしい思いを抱いて夫の愛人宅を訪ねる。しかし、愛人はすでに何者かに殺されており、夫に殺害容疑が! 無実を信じる彼女は、真犯人を捜して危険な探偵行に身を投じる・・・・・・新訳で贈るサスペンスの第一人者の傑作。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 黒い天使
- 著者
- コーネル ウールリッチ, 黒原 敏行
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- ハヤカワ・ミステリ文庫
- 書籍発売日
- 2005.02.28
- Reader Store発売日
- 2016.07.01
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 384ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.0 (8件のレビュー)
-
どうやら浮気をしているらしい夫の相手の女の部屋に行った私。するとその女は殺されていた。その場に夫からの電話が・・ ドアにはMのイニシャルのあるマッチが・・しかし夫は容疑者として逮捕されてしまう。
女…の部屋にあった電話帳をつかみ家に戻った私はMで始まる名前の男4人に電話をかけ、真犯人を探し始める。どれも訳ありげな男だった。「黒衣の花嫁」とか「喪服のランデブー」とパターンは似ている。黒衣~ と喪服~ は復讐だが、こちらは追及。ウールリッチの作品には元気で行動力のある女性が登場する。
はっとした言葉
「 女はなぜ男に惹かれるのか? 男はなぜ女に惹かれるのか? 心のなかの幻影のせいだ。」
夫はいつもわたしを「天使の顔 エンジェル・フェイス」と呼んだ。「黒衣の天使 エンジェル・イン・ブラック」は3番目に電話をした男が言った言葉。
原題:The Black Angel
1943発表
2005.2.28発行 図書館続きを読む投稿日:2022.02.20
このレビューはネタバレを含みます
泣けた。静かに泣けた。夜の切なさに包まれたかのようだ。やはりウールリッチはすごい。
レビューの続きを読む
『喪服のランデヴー』に代表される連作短編集のように物語を紡ぎだすウールリッチのスタイルは健在。今回は夫の冤罪を晴ら…すべく浮気相手の4人の男と妻アルバータの物語として描かれる。
1人目はミアに魂を抜かれた元夫で人生のどん底の貧民街で暮らす男の話。
次はミアを麻薬の運び屋に使っていた違法医師の話でスリラータッチのこの話がもっともぞくぞくした。
3人目の男は資産家の遊び人だがとても魅力的な男との話。
そして最後の男はナイトクラブを経営する裏稼業に足を突っ込んだ男の話。
最初の2人目まではおろおろしながらも勇気を振り絞って犯人かどうかを探る初々しさと危うさが出ていたアルバータだが、3人目からは百戦練磨の女詐欺師の如く、恋は売っても愛は売らず、冷えた頭で犯人かどうかを洞察する女性に成長しているのが面白い。そして一人称で語られるがゆえにその人と成りが実は男を狂わすほどの美貌を持っている事を徐々に悟らせる事となる。
アルバータという主人公の魅力はこの美貌を備えているのにも関わらず、天使の如く純粋な心を捨てきれないところにある。浮気をした夫を刑務所から出すために犯罪まで犯す彼女の不器用なまでの純粋さは、夫の愛を超えた女の意地というものも感じられ、興味深い。
特に白眉なのは3人目の男、ラッド・メイソンの章である。
この男は心底アルバータを愛し、またアルバータも心を許した存在となる。しかし彼女は彼が犯人でない事を知ると去っていくのだ。犯人でない事を願いつつ、それが証明されると去らなければならないジレンマ。
お互いが魂で通じ合っているのに女だけが始まった時から別れがあるのを知っているという事実は胸を苦しませる。
しかし自分が窮地に陥ったときに助けを求めたのが彼だったことから、深く愛していた事を知る。そして衝撃の事実と結末。
切ない。切なすぎる。
メイソンの喪失感は特にふられた事のある者―特に男(もちろん私もそう)―なら痛切に判るだけに胸に鉛のように沈み込んでいく。
そして今回は今まで以上に特に名文が多かったと感じた。ところどころではっとさせられた。
そんな数ある名文の中から最も印象が残ったのはこの文章。
「(前略)ただ上を見るだけ―」(中略)憶い出が行く場所は下ではなく、上なのだ。
私はこの文章にこう続けたい。
だから私は上を向く。でないと涙がこぼれてしまうのだ。
誰もがロマンティストになる小説だと思った。本当にウールリッチは素晴らしい。続きを読む投稿日:2022.03.15
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。