河原町ルヴォワール
円居挽(著)
/講談社文庫
作品情報
最強の女、死す。どんでん返しに次ぐ、どんでん返し。1行も見逃せない、法廷ドラマが始まる。賀茂川と高野川が合流する鴨川デルタ。瓶賀流が目撃したのは、濁流に呑み込まれる友人、龍樹落花の姿だった。下流で発見された落花の遺体。その死を信じることのできない妹の撫子。だが、落花殺しの罪で双龍会に連れ出されたのは、兄の大和だった。同門対決の掟を破った禁断の双龍会が始まる。
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商品情報
- シリーズ
- 河原町ルヴォワール
- 著者
- 円居挽
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 2015.09.15
- Reader Store発売日
- 2015.10.09
- ファイルサイズ
- 5.2MB
- ページ数
- 352ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (16件のレビュー)
-
登録してレビュー書いていたのが電子書籍版であった。実際は文庫本につき再登録、レビューもコピペしました。
ルヴォワールシリーズのどうやら最終巻、シリーズ完結に相応しい終幕であった。
以下完全ネタバ…レにつき、ご注意ください!
このシリーズ当初からミステリの、ありとあらゆる騙しの仕掛けに満ち満ちていた、これ以上の仕掛けなんて果たしてあるものか?と思うほどだったのが、またしても仕掛けてきた。文庫本の体裁、構造をも使用したトリックであった。それは174pを境に分岐する構成だった。
その前にであるが、前作で城坂論語の離脱、撫子と論語の別れ、敵陣営への加担、龍城大和の敵陣営への加担、と不安要素盛りだくさんで終わった後の。今作の序盤で当主龍城落花の死が訪れる!いやいやまさかの叙述トリック、実は生きてる、を疑わざるをえない。しかしながらどうやら本当のことらしい、実は生きていたのだが序盤で疑ったにも関わらず見抜けなかった。読み手として悔しい限りである。
本筋は落花の死の真相を巡る双竜会での舌戦であるが、龍城撫子がメインとして登壇する。やっとメインヒロイン登場!という展開である、龍師としての技量は他のキャラに見劣りするものの、その普通さが読者には理解し易く、彼女に感情移入することによって今作のトリックに陥る伏線となっていたように思える。
そして撫子の対戦相手が、城坂論語と龍城大和である。元カレと実兄を相手に戦うのだ。そして撫子は運命の決断を下すことになる。ここが174pの件であった。
今作は4章からなり、1章は落花死亡にまつわるプロローグ、2章以降は双竜会での闘論である。そして時間軸が、章を構成するパート毎に詳細に記述されている。2章最後の撫子の決断とは、以降の対戦龍師を論語、大和、どちらかを選ぶ、というものだった。それを受けて3章は流れていくはずなのだが…234pで突然混乱、困惑することになるのだ。時間軸が被ってる!?さっきは論語と闘ってたのに?同じ時間に大和と対戦?これって今時のタイムリープとか?ファンタジーになっちゃった?という疑念は、全て作者の仕掛けたトリックの内にキレイに纏まることとなった。大どんでん返しのうちに...
既読の方々には、感じた混乱、困惑、伏線の回収等々、この気持ちを共有していただけると思う。総じてこれでもか!のトリック満載のシリーズを、ここまで継続しまとめ上げ、その物語に活躍するキャラクターを、脇役も含めて、いちいち魅力的過ぎるほどに創り上げ、読者を唸らせ続けた作者の偉業であると、個人的に断ずる。
いろんなところで中二病的とも評価されてるようだが、ラストはまさにその評価に相応しく、そして大好きな終わり方だった。
このシリーズがメディアミックスの流れの中で、アニメ化もドラマ化もされていないの甚だ残念でならない。これアニメになったら絶対見る。続きを読む投稿日:2021.01.08
ラスト河原町。面白かった。前の3巻は拗さも残って今ひとつに感じたけど、ここに至って読み返しても良いかなと思えました。
投稿日:2023.11.06
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