屋上物語
北森鴻(著)
/祥伝社文庫
作品情報
さまざまな人たちが集まるそのデパートの屋上では、いつも不思議な事件が起こる。飛降り自殺、殺人、失踪・・・・・・。だが、ここに、何があっても動じない傑物がいた。人呼んでさくら婆(ババ)ァ、讃岐うどん店の女主人である。今日もPHSの忘れ物が一つ。奇妙なことにそれが毎日、同時刻に呼出音だけ鳴るのだ。さくら婆ァの手が空いた時間帯に、まるで何かをつたえたいかのように・・・・・・。早世したミステリー界の異才が残した珠玉の連作「屋上」推理、熱いリクエストに応えて待望の電子化!
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商品情報
- シリーズ
- 屋上物語
- 著者
- 北森鴻
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 祥伝社
- 掲載誌・レーベル
- 祥伝社文庫
- 書籍発売日
- 2003.06.01
- Reader Store発売日
- 2015.03.13
- ファイルサイズ
- 1.1MB
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この作品のレビュー
平均 3.4 (23件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
デパートの屋上が舞台のミステリ連作短篇集。
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この屋上でいくつかの不可解な事件が起こる。
屋上には、このデパート地階にある讃岐うどん専門店が出すアンテナ・ショップがある。良心的な200円台という安さで、正真正銘の手打ちうどんを提供する。だから、昼休みになると、近所のサラリーマンやOLでごった返す。
そんな人気うどんスタンドをひとりで切り盛りするおばちゃんが、この物語の名探偵役。通称「さくら婆ァ」。男前な女傑。屋上を仕切っている。
北森作品は読み始めて間もないが、読後感がやさしく、温かい。犯罪が描かれているにもかかわらず、だ。どうしてだろう、と考えてみた。
著者・北森鴻さんは、しばしば料理の達人を登場させる。<ビア・バー香菜里屋・シリーズ>のマスター・工藤も、『メイン・ディッシュ』のミケさんもそうだった。そして、このうどん屋の「さくら婆ァ」もそうだ。多くの客を唸らせている。彼らの作る料理の美味しそうなことといったら、食べてみなければ、いや読んでみなければわからない。
このスペシャルな料理に、まずはやられる。おいしい料理に心和まない人はいないだろう。
腹は鳴くが……もうひとつ、北森作品に共通しているのは、いずれの料理人たちの心にもとげが刺さっているところだ。どこか翳がある。彼らは人に言えない悲しみを秘めているのだ。事件にかかわる人々の悲しみを、彼らも実感として知っている。そんな悲しみを抱えているからこそ、彼らは人に対してやさしくできるのだと思う。思いやりあふれる彼らの言動は、事件当事者たちの凝り固まった心を解きほぐす。名探偵とは、事件の謎を解くだけの存在ではない。被害者の心情をも理解する。ときには加害者にも。そんな彼らが悲しみや苦しみから立ち上がろうとする凛とした姿は、読み手の心に清々しさをもたらしてくれるのではないだろうか。凛とした姿と書いたが、実際の探偵役たちは、場末の小さなバーのマスターであり、女に拾われた居候のフリーターであり、デパート屋上のうどんスタンドのおばちゃんなのである。彼らの外貌と、明晰な頭脳やさりげないやさしさとのギャップが、これまた微笑ましく、やはり読み手の心をつかむ要因になっているのだろう。
また、わかったような感想。不細工。かっこ悪い。反省。べるさん、ご紹介ありがとうございました。投稿日:2008.10.29
〈再登録〉デパートの屋上で起きる数々の事件を解決するのは「屋上の主」こと、うどん屋の店主・さくら婆ぁだった…
一つの事件が別の事件の引き金になる…という構成は、「メイン・ディッシュ」などと似ています。…この作品では語り手が稲荷神社の狐だったりベンチや観覧車だったりしますが。
デパートの屋上という特殊な空間に集まった人間ドラマという感じがしました。明かされる真実は残酷なものばかりですが、さくら婆ぁの内に秘めた優しさに救われます。
〈追記〉令和の今ではデパートの屋上も失われた風景になってしまいました。屋上が憩いの場であった時代を忘れずにいたいものです。続きを読む投稿日:2024.05.29
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