この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
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(2013.02.25読了)(2013.02.21借入)
【新島八重とその周辺・その④】
「吉田松陰」奈良本辰也著、を読んだのですが、僕の日本語力不足で、書いてある内容を把握できませんでした。そこで、…小説だったら、もっとわかるかなと、この本を借りてきました。「世に棲む日日」司馬遼太郎著、も読みたいのですが、全4巻なので、手軽に読めそうなこちらの本にしました。
奈良本さんの本よりも吉田松陰についてわかったように思います。小説というよりは、史伝というか伝記というか、といったところです。
【目次】
第一章 疾風の時代
丘の上の武士
関ヶ原の怨念
不安な幕開き
少年軍学者
山鹿流の血
意地悪な親試
世界史への開眼
アヘン戦争
出会い
第二章 憂国の旅
旅立ちのとき
詩心の歴程
友情と脱藩と
黒船来航
下田踏海事件
第三章 松下村塾
野山獄の日々
華夷弁別
集まる俊才たち
諸友に示す
狂夫の言
門下生の活躍
高杉晋作と久坂玄瑞
暗殺計画
絶交
自由をわれに
第四章 武蔵野の野辺に
江戸送り
獄中の恋
死罪二つあり
生きて大業を
留魂録
松陰に続く人々
吉田松陰略年譜
あとがき
文庫本のための付
解説 磯貝勝太郎
●萩城での新年の賀式(14頁)
筆頭家老「今年こそは恨みかさなる徳川幕府を討ち滅ぼす戦いをお始めになってはいかがでしょう」
藩主「いや、わが藩にはまだそれだけの力がない。我慢して今少し時期を待つことにしよう」
(関ヶ原の戦いで、家康の東軍と戦うことを控えたにもかかわらず、家康は約束を守らなかったので、いつか徳川幕府を滅ぼしてやろうと、代々、機会をねらっていた、というのです。)
●出会い(45頁)
偶然めぐり合った相手によって、人間の運命が微妙に変化していく例は、今も昔も決してめずらしいことではない。伊藤静斎との出会いを最初として、大次郎(吉田松陰)は多くの人と出会い、それによってさまざまな人生の軌跡を描いていくのである。
●松陰の講義(50頁)
古い書物を棒読みにするのではなく、身近な実例をあげ、自分の意見を述べながら、精魂こめて相手に理解させようとする話し方が人をひきつけるのである。
●発動の機(55頁)
心というものは、生きている。生きているものには必ず〝機〟がある。機は物事に触れるにつれて発し、感動する場面に遭遇して動く。この発動の機を与えてくれるのが旅である。
●渡辺崋山(59頁)
『慎機論』は、中国広東にあったアメリカのオリファント会社所属モリソン号が、1837年、日本の漂流漁民七人を救助して乗せ、対日通商を目的として浦賀沖や鹿児島湾口に来航し撃退された事件を、渡辺崋山が批判したものである。
●外国の情況を(60頁)
「外国の勢力に対抗するためには、外国の情況をよく知る必要がある」
●至誠をつらぬく(74頁)
至誠をつらぬくことこそ人間の最も大切な道である。
至誠とは誠意をつくすことで、大次郎は死ぬまでその信条を変えなかった。誠の心を持ってことにあたれば、どんな相手にも、いつか理解してもらえる。至誠は神にも通ずるというかたい信念である。
●東北旅行(74頁)
東北旅行は、江戸―水戸―白河―会津若松―新潟―佐渡―弘前―青森―盛岡―仙台―米沢―日光―足利―江戸というコースをとった。
●アヘン戦争の影響(84頁)
清国と同じ運命をたどるのを、ひどくおそれるあまり、外国に平身低頭するだけの外交姿勢が、これから始まるのである。
●情報入手(136頁)
各地に遊学するものに、報知費を出してやれと藩に進言している。報知費とは飛脚費のことだ。
●死ぬべきところ(193頁)
死して不朽の見込みあらば、いつ死んでもよいし、生きて大業をなす見込みあらば、いつまでも生きたらよいのである。
●「吉田松陰」奈良本辰也著、岩波新書(222頁)
この本が、松陰の復活を促す記念碑的な出版となった。
☆「八重の桜」関連図書(既読)
「保科正之-徳川将軍家を支えた会津藩主-」中村彰彦著、中公新書、1995.01.25
「奥羽越列藩同盟」星亮一著、中公新書、1995.03.25
「新島八重の維新」安藤優一郎著、青春新書、2012.06.15
「八重の桜(一)」山本むつみ作・五十嵐佳子著、NHK出版、2012.11.30
「吉田松陰」奈良本辰也著、岩波新書、1951.01.20
(2013年2月27日・記)
(「BOOK」データベースより)
維新を動かした英才たち、高杉晋作や伊藤博文に、大きな影響を与えた松下村塾。その塾長・松陰とは、どんな人物だったのか。三十歳の、短い燃焼度の高いその生涯を描き、思想と行動を浮き彫りにする。続きを読む投稿日:2013.02.27
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