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トンネル騒動が落ち着き、ヴェルと妻となったカチヤとの結婚式がオイレンベルク領で挙げられた。ところが、結婚式はマロイモや特産品を使った料理が並び、物産展の様相を呈していた。一方、新婚旅行に至っては、魔の森で狩りをしているだけにしか映らないものの、つつながく行事として消化されていった。だが、予期せぬ地雷が眠っていた。不運が重なって連絡が届かず、式の存在すら知らなかったカチヤの師、リサがお冠なのだ。式がどうこうではなく、ただ先を越されたのが腹立たしいのだという。そんなリサから近々会いに行くという手紙を受け取ったカチヤは、不安な夜を過ごすはめになるのだった・・・・・・。テレーゼに魔法の才能!? それがなぜかリサとの決闘に発展! 大幅加筆と書き下ろし短編で送るドタバタの第十三弾!
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癖のある魔法使いリサが身内となり、賑やかさを増すバウマイスター伯爵家。そんなすったもんだの日々を挟み、エルとハルカの結婚式がいよいよ明日へと迫っていた。だが、和風な式場と和やかな雰囲気の中にあって、ただ一人殺気を帯びる者がいた。ハルカの兄、タケオミである。限られた時間の中、彼は彼なりに思案を巡らせ、なんとか結婚を阻止できないかと足掻くのだが・・・・・・。一方、ヴェルは王都にある冒険者予備校の臨時講師を任されることとなった。適任かどうかに疑問を持ちつつも、有能な生徒らと教え教われの関係を築き、その職務を全うしていく。エルとタケオミ、ヴェルと教え子、悲しき男の生き様と次の世代の成長を描く第十四幕!
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冒険者予備校の臨時講師を引き受けたヴェルの講師生活はなおも続いている。バウルブルクに新設された冒険者予備校も軌道に乗り始め、ヴェル発案による講義での挨拶や帰りの掃除などといった独自ルールが導入されていく。さらには、学習の成果を発表するといった場を設けない、純然たる祭り要素強めの学園祭を催すに至るのだった。そんなある日、ヴェルは特別講師として招いたアーネストへの報酬として、探索済みの地下遺跡にて学術調査の手伝いをすることに。ヴェルは、護衛役として弟子の三人とエルを連れて遺跡に入るも、調査は小一時間で終了し、若干肩透かしを食わされる。だが、帰りがけに造り物のネズミを発見し捕らえようとした際、そのネズミに魔法をかけられヴェルは子供の姿へと変えられてしまう。しかも、この地下遺跡が実は広大なものであると判明した瞬間、冒険者デビューをはたしたあの地下遺跡の悪夢がヴェルの脳裏を過るのであった・・・・・・。
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そろそろお腹が目立ってきたエリーゼと、無事教え子を巣立たせたヴェルのもとに、ニーナと導師が様子を見に訪ねてくる。そして生まれてくるであろう子の話に花を咲かせるなか、いつしか話題は導師の昔話に――。それは、アームストロング伯爵家のために尽力する人生しか待ち受けていないのであれば、猶予ある限り『全力で外の世界を楽しむのである!』と母の墓標に誓いを立て、冒険者予備校の門を叩いた若き日の導師の立志譚であった。大器晩成で不器用なアームストロング少年の成長、そんな彼の相棒となる美少年ブルーノとの出会い、そしてすでに活躍中のアルフレッドへのライバル心!王都を舞台に、王国の黎明期を彩った偉人たちが多数登場する完全書き下ろしの第十六幕!
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教え子の卒業式、そして導師の昔話を経てからすぐ、エリーゼが産気づく。だが、この世界では男性が出産に立ち会うことはできず、今か今かと部屋の外で終始落ち着かない感じで待つヴェル。やがてついにその時が訪れ、部屋に踏み込むヴェルが目にしたものは・・・・・・光り輝く我が子であった。「さすがは、俺の子供。もう輝いているぜ。いや、俺に似ずに素晴らしいカリスマだ」以降出産ラッシュが続き、我が子の寝顔を見て心が安らぐ反面、お祝い品への御礼状の発送作業や、生まれて早々に婚約の話が出てきたりと、様々な面倒事がヴェルの心を折りにくるのだった。幸福感と同時に子をもうけた貴族家の大変さを思い知る第十七幕!
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バウマイスター伯爵家ではベビーラッシュから始まった貴族家の厄介事が、沈静化の動きを見せて・・・・・・はいなかった。将来を見据えて家庭教師の募集をかけるも、関わってはいけない面倒な団体『賢者協会』に絡まれてしまう。貧乏貴族の八男から始まり、子持ちの大貴族となったヴェルは、改めて貴族家の苦労を噛みしめるのであった。そんな賑やかで苦労の絶えない日常のなか、ヴェルの下に新たな火種が飛び込んでくる。魔族の国を見つけたと報告した巨大魔導飛行船リンガイアが、消息を絶ったのだ。さらに王国西方海域に謎の魔導飛行船艦隊が出現し・・・・・・。大事の前の小事! そしてドタバタな日常エピソード多めの第十八幕!
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魔族の国を発見した巨大魔導飛行船リンガイアが消息を絶ち、西方海域に魔族の国の魔導飛行船艦隊が現れたことに端を発したヴェルたちの遠征だったが・・・・・・事は膠着していた。だがヴェルは、戦うでも交渉が進むでもない状況よりも、港町にもかかわらず新鮮な魚が手に入らない現状に嘆いていた。大勢押しかけた軍人により、独占されていたのだ。ならば自分たちで釣ればいい。こうしてしばらくの間、ヴェル達は釣りとバウマイスター伯爵領での土木工事と、一体何をしに遠征したのかが疑問になるような生活を続けるのであった・・・・・・。漁場で遭遇するアーネストの教え子たち! 魔族のマスコミからまさかの取材!? そしてついに『魔王』と接触するヴェル一行! 新たな舞台、魔族の国に至る第十九幕!
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――余は、魔族の王国を復活させることをここに宣言する!突如押しかけてきた幼い魔王エリザベートの宣言に、ヴェルは困惑してしまう。下手に関わると内政干渉のリスクが高まるのだが、知ってか知らずか魔王はヴェルたちの部屋に通うようになった。以後、魔王は出されるおやつに舌鼓を打ちつつ学校の宿題に取り組んだり、芋掘りに参加したり、料理に挑戦したりと、およそ他人とは思えない程度にヴェルたちと親睦を深めていく。すべては、特にやることもなく暇であるという現実が招いた必然ともいえた。一方、難航していたリンガイア開放交渉を大人の事情でうまく解決に導いたヴェルに、バウマイスター伯爵領南方諸島群以南の探索話が持ち上がり・・・・・・。魔族との交渉はお偉いさんに一任して、魔王との交流&南方探索開始の第二十幕!
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ヴェルたちの南方探索は、ルルのいた島以降から頓挫してしまう。五十を超える領主たちによって分割された戦国時代風の島『アキツシマ島』の揉め事に、ヴェルがうっかり首を突っ込んでしまったのだからしかたがない。あげくには、王国から「領内の海域にある島なのだから責任を持って統一と統治をせよ」と念を押される始末であった。しかたなくヴェルは、日本人なら一度は耳にしたことのあるような戦国武将の名を冠する領主たちと対峙するが、強くても領主たちが中級魔法使いクラスであることがわかり、これならやりようはあると統一に本腰を入れるのであった。戦場を舞う戦国な乙女たちと、資金稼ぎにやってきた魔族と魔王様、そして容赦なく増える嫁候補! 新天地すなわち新嫁という環境がヴェルを襲う第二十一幕!
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アキツシマ島平定の功績により、ヴェルは辺境伯に陞爵した。偉くなってもろくなことはないといったヴェルに、早速魔道具ギルドの会長の葬儀へ参列するようにとの話が舞い込んでくる。接点の無さを訴えるヴェルだったが、辺境伯ともなればそうはいかないとブランタークに諭され、泣く泣く王都へと飛ぶこととなった。葬儀の参列を終え、教会をあとにするヴェルは、街中でアーカート神聖帝国の皇帝であるペーターとまさかの再会を果たす。彼は魔族との交渉や、それによって生まれた混乱を解消すべく極秘裏に王国へ来訪したのだという。だがそれは、すぐにどうこうなる問題でもないため、今はとりあえず「どこか遊びに連れて行って」と、ペーターはヴェルにお願いするのであった・・・・・・。皇帝とのお忍び接待に、巨大ガニの捕獲、今や恒例となった増え続ける嫁! そしてとあるメイドの物語がついに感動のフィナーレ!? アキツシマ統一後を描く第二十二幕!
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王国は魔族との関係性を踏まえ、五年に一度行われる帝国への親善訪問をより短いスパンで、より有意義なものとすべく、新たに親善友好団を創設した。団長にはヴァルド王太子が就き、付き添いの若き大貴族としてヴェルが選ばれ、一行は帝国へ赴く。だが蓋をあけてみれば、そんな大義名分とは裏腹に、ヴェルへ親善友好団参加という休暇を与え、親密になりたいヴァルドと、ヴェルと昆虫採集に勤しむペーターの姿がそこにあった。一方、新しい魔族の国を作るべく旅立ったオットーたちは、古代魔法文明の遺産を求め帝国の北、極北の大地へとたどり着いていた。人も魔族も住めないこの手つかずの大地に、世界を統べるための遺産が眠っていると信じて・・・・・・。そして親善友好団の日程を終えたヴェルたちもまた、極北の大地へ向かった。王国、帝国、ともにこの地の調査と、氷の下に眠る魔道具の入手が目的だというが、はたして・・・・・・。偶然にも名だたる曲者たちが集ってしまったこの極寒の地より、新たな物語が動き出す!
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魔族との初邂逅から一年、ヴェルはアグネスら弟子三人娘、フィリーネとの結婚式を迎える。式がひと段落したころ、ブライヒレーダー辺境伯が『ハグレ魔族』に起因する厄介事を語り始めた。辺境伯によると、魔法使いのいない地方貴族が、魔法が使える者なら魔族でも問題ないとして彼らを雇い入れ、代々抱えている細かい諸問題をその力で強引に解決しようとしているのだそうだ。かえって傷口が広がるとも知らずに・・・・・・。そして案の定、紛争は起こる。借金苦のブレンメ男爵家の嫡男イーヴォが、マインバッハ騎士爵領内にある魔導飛行船の発着場を占領すべく『ハグレ魔族』を率い動き出したのだ。その情報は、ブレンメ男爵家の令嬢イヴァンカが文通相手であるアマーリエの息子カールに宛てた手紙から判明したのだが、これを知りヴェルは動揺を隠せないでいた。――あの幼く可愛かったカールが貴族令嬢と文通・・・・・・いったいいつの間にリア充に・・・・・・。各地の紛争に甥っ子の文通事情。ヴェル的にはどっちも苦い感じの第二十四幕!
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