栃木県・鹿沼カントリー倶楽部に入ったばかりの研修生、沖田圭介。24歳という遅いスタートながら、プロゴルファーを目指すべく、練習にあけくれる日々を送る。厳しいトレーニングと、プロを目指す仲間たち、石原、笹崎、長谷川らとの研鑽の毎日。大地のように素直で風のように大きな沖田のゴルフは、すくすくと育っていく・・・。圧倒的な感動を呼ぶ青春大河物語ここに開幕!
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夢、尽きるまで。沖田圭介は進む。
その時、ゴルフの聖地セント・アンドリュースの空気が揺れた――
14番ホール第2打地点で、
首位リックと4打差の沖田は2アイアンを選ぶ。
沖田が刻みに徹したプレーをするものとばかり、
皆が思っていたところ・・・・・・・・・放たれた球はカップイン!!
アルバトロスという異次元の出来事に度肝を抜かれた観客達。
ゴルフの聖地は大歓声に包まれる。
その光景を目の当たりにしたリックやウォーレンの目の輝きが増したのは言うまでもない――
呼応する男達が放つ球が描く放物線は、
無我の境地に至る者が故の軌跡か。 -
沖田の心に宿る“挑戦”という信念。
「戦略を考えると眠れなくなる・・・・・・」
出場したプロ全員がティショットでアイアンを選択し、
ボギーで凌げれば万々歳と思える13番ホール。
沖田はティショットをドライバーで振り抜くが、
コース内で最も深いとされるラフに入れてしまう。
首位リックに迫るにはどうしてもこの13番ホールでバーディが欲しい・・・・・・
沖田の焦りはとんでもない不運を呼び込んでしまうことになる。
それでもひたすら前を向き続け、勇気を目一杯詰め込んだ熱球を打つ!! -
優勝を手繰り寄せる一打を放てる者は?
スコットランド人として64年振りとなる
全英オープン優勝を期待され始めたリック・スチュワート。
観客のボルテージが上がる12番ホール・ティグランド。
リックは完璧なティショットを放つがバンカーにつかまる。
不甲斐なさから激高するリック!!
アンガス侯爵に見放され、世間から変人と批判され、
友にも見捨てられた孤高の男に寄り添う者はもうブロディしかいない。
リックは再び人に心を預けられるようになるのか!? -
苦節十年、リック魂の咆哮をあげる!!
セント・アンドリュースのロートルキャディ達は、
8番ホールから12番ホールを悪魔の棲む岬と呼ぶ。
予測不可能な風が絶えず舞うこの岬で、
沖田は8番ホールをトリプルボギーとした後に、9番ホールでチップインバーディを取る。
生まれた時から身についているパフォーマンス性の強さを見せるが、
不安定なゴルフは続き、首位リックとの差は7打差まで開く。
首位を走るリックは、運命という無責任な言葉を嫌ってきた男だった。
女神の悪戯も悪魔のせせら笑いにも心を揺るがす事はなく、
積み重ねてきた自分のゴルフに忠実な男だった。
しかし、フェスキュー草が茂るラフからの一打から新たな試練がリックにのしかかる!! -
沖田の全英、ここに終わる!?
「模倣のゴルフは、絶えず私の後を追う事を意味する」
単独首位に立つリックは、
惜しげもなくリンクスで編み出したショットを沖田に見せつける。
沖田はすぐさまその球を模倣し、食らいついていく。
両者が繰り出すプレーに、緊張を解く隙などない。
不安定な風が吹く7番ホール。
キャディ笠崎の反対を押し切り、沖田はドライバーでティショットを放つ。
沖田自身でさえも気づかぬまま、
少しずつ歯車が狂いはじめていた・・・・・・ -
全英オープン最終日、野獣覚醒!!
全英オープン最終日、4番ホールで沖田圭介は遂に首位をとらえる。
厳しいコースセッティングの中で戦い抜くために、沖田は宇賀神さんの最後の教えを思い出す・・・・・・・・・・・・
それは“模倣”だった!!
セント・アンドリュースを誰よりも知る者として矜持を持つリック・スチュワート。
リックの持ち球であるビッグドローを完璧に模倣し続ける沖田。
一進一退の攻防を繰り広げる二人にコースがけむるほどの
豪雨と強風が襲いかかる。
首位に躍り出るのは誰だ!! -
悲願のメジャー初制覇へ!
沖田圭介と笠崎孝は気持ちをひとつにして
戦い抜かなければならない時に、
ポットバンカーにはまった球のリカバリーショットで二人の意見が割れる。
笠崎の提案する安全策に首を縦に振らない沖田。
その心に響いていたのは今は亡き宇賀神さんの言葉だった。
過去をみつめるだけの臆病者で終わりたくない。
未来を感じ取り、突き進む勇敢な選手でありたいと願う沖田は、
常識にとらわれない奇策に打って出るのだが・・・・・・ -
全英オープン最終日スタート。熱量、猛烈!
世界の強豪が競演する夢の舞台―――
全英オープンは大会最終日にその様相を一変させる。
1番ホール、観客の熱気と歓声が渦巻く中で
沖田圭介はリック・スチュワートと同組でスタート。
感じたことのない欲望の炎が燃え上がる沖田。
1番ホールでイーグルを奪取し首位に肉薄していく。
一方、狂気を迸(ほとばし)らせるスチュワートは淡々とプレーを進める。
この男から溢れ出る執念に気づく者はまだ誰もいなかった・・・・・・ -
ウォーレン、明日への咆哮!!
セント・アンドリュースの魂が宿る
17番ホールを制する者に勝利の女神が微笑む――
沖田は1日目、2日目のトラブルを引きずることなく、
勇気に満ちたティショットを放つ。
盤石な試合運びに定評のあるウォーレンだが、
沖田を強く意識しはじめたことから心に小さな綻びが生まれる・・・・・・
大会3日目の終盤に大きな波乱が!?
好敵手がいるからこそ恐れと喜びが生まれる。
そう信じる二人の魂はどこまでも熱くなっていく!! -
男の意地は原動力!! 石倉、正念場!!
全英オープン3日目。
バックナインに入ると強烈なアゲインスト風で、
沖田はスコアを伸ばせずにいたが、
ウォーレンはスコアを伸ばし続け首位を独走していた。
二人の男の重なり合う強き運命の影は濃さを増していく。
一方、沖田のキャディを務める石倉は体力の消耗が激しく、
キャディとしての役割を果たす事が難しくなってきた。
石倉をかばいながらプレーを進める沖田に、
競技委員が声を掛けた。
その言葉は・・・・・・・・・・・・・・・ -
波乱のムービングサタデー!!
大会3日目。
8年前のマスターズ・トーナメントで沖田が途中棄権した
プレーオフ以来の同組対決が実現した!!
ライバル達が注目する中、ティショットでビッグドライブを放つ二人。
世界ランキング1位ウォーレンの安定したショット。
崩れないパターのリズム。迷いの無いストローク。
対する沖田は、パッティングのバランスに違和感を感じていた。
鈍色の空に夏草の輝きが奪われていく。
白球に賭ける男達の正念場が始まる!! -
沖田圭介、新たな相棒と歩みはじめる!
過去に囚われない者に、躊躇する心は生まれない――
全英オープン初日とは打って変わり、
2日目は1イーグル10バーディと盛り返してきた沖田だったが、
17番ホールで打球が乱れ、11打も叩いてしまった。
己を貫くゴルフに限界はないのか!?
沖田に試練の波が容赦なく押し寄せる。
一方、キャディを務めるルディは自責の念に駆られ、
沖田との別れを決意する。
大会3日目、沖田のバッグを新たに担ぐ者は!?
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