2050年のジャーナリスト
下山進(著)
/毎日新聞出版
作品情報
話題となった『2050年のメディア』が通史とすれば、こちらは列伝。激動するメディア界の中で生きる人々の哀しみと情熱を直接取材によって鮮やかに描く。
※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
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商品情報
- シリーズ
- 2050年のジャーナリスト
- 著者
- 下山進
- 出版社
- 毎日新聞出版
- 書籍発売日
- 2021.09.22
- Reader Store発売日
- 2023.03.01
- ファイルサイズ
- 38.7MB
- ページ数
- 343ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (4件のレビュー)
-
下山さんの本は、『2050年のメディア』に続く2冊目(エコノミストの2050年シリーズも含めれば4冊目かもしれないが)、相変わらず2050年のジャーナリストとはどんな人?に対する直接的な回答はなく、読…者の想像に委ねる形式になっている。
とはいえ最後に「答えはネットの中にない。本の中にある」という言葉を引用しながら、組織潰れても個人で生き残るジャーナリストこそ2050年にジャーナリストと名乗れる、つまり生き残ることができている人なのだろうとは想像できる。代表的なオールドメディアである新聞は、このままはっっこう部数の縮減が進めば2030年までに消滅またはイデオロギーの差など意味がなくなるくらい経営統合が進むであろう。
下山さんは本書でも述べているようにかねてより、新聞は有料デジタル版をどうしたらとってもらえるかそのことに全経営資源を集中すべきであると主張してきた。しかしそれを実際に実行している新聞社はない(日経はその方向に舵を切っているようには見える)。それどころかオリンピックのスポンサーになり、あろうことか自治体と包括連携協定を結ぶような新聞社まで出てきてしまった。
今日の様々な選択肢がある読者は、そんな体制翼賛的な新聞など読むわけはなく、新聞の発行部数が年々減少しているのは必然の帰結のように感じる。産経新聞はここ2年くらい10%を超えるような発行部数の落ち込みであるが、政府の公式見解を知りたければ、政府関係のHPを見ればいいのであって、誰も政府プロパガンダメディアにお金を払うわけがない。
今そんな新聞社に見切りをつけた元ベテラン記者らがwebメディアを立ち上げ始めている。その機運を自分は応援したいし、そうした人々がどんどん出てきてほしいと思う。自分も今後、部分的にジャーナリズムに関わっていくことになるので、自分の中でジャーナリズムとは何か、ジャーナリストとはどんな人間かを常に考え、アップデートしていくように心がけたいと思う。続きを読む投稿日:2022.10.23
筆者は、文藝春秋で長くノンフィクションを担当した元編集者。
「サンデー毎日」で2020年3月3日発売号から続ける連載をまとめたのが本書です。
同じ著者による「2050年のメディア」(文藝春秋)が、メデ…ィアの未来を予測する良書だったので、続編とも呼べる本書を買いました。
ただ、前著がメディア全体を俎上に載せたのに対して、本書はタイトル通り、個々の「ジャーナリスト」ないしは個別のメディアに焦点を当てています。
事例を通して、未来のメディアを考える際のヒントを得るという趣旨(だと思います)。
その分、前著と比べ散漫な印象があり、タイトルにそぐわないのではという回もありましたが、読みごたえはありました。
特に、北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃する「イージス・アショア」の問題を独自の視点で執拗に報じ、新聞協会賞を受賞した秋田魁新報、ポッドキャストを活用するなどして有料電子版が好調な英エコノミスト誌、社内外の記者を新媒体で競わせる新潟日報の回などが面白かったです。
さて旧来型のメディア、とりわけ新聞は、インターネットメディアに押され衰退著しいのはご承知の通り。
それで徐々に有料電子版に軸足を移しているわけですしかし、成功しているのは日経など数えるほどです。
なぜでしょうか。
本書では、「前うち」報道主義から脱却できていないからだ、と手厳しい。
「前うち」報道というのは、他社より一歩でも先んじて速報することです。
しかし、朝刊で抜いても、他社にすぐに追いつかれ、コモディティ化してしまいます。
つまり、ヤフーニュースやラインニュースで無料のニュースは十分と人々は感じてしまうのです。
「人々がお金を払うのは、その媒体でなければ読めない、独自の切り口をもった記事だ。」
本当にその通りだと思います。
メディア関係の方にはお勧めの本です。続きを読む投稿日:2021.12.13
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