シーソーモンスター
伊坂幸太郎(著)
/中公文庫
作品情報
バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。(「シーソーモンスター」)
アナログに回帰した近未来。配達人の水戸は、一通の手紙をきっかけに、ある事件に巻き込まれ、因縁の相手檜山に追われる。(「スピンモンスター」)
時空を超えて繋がる二つの物語。「運命」は、変えることができるのか――。
【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】
※〈螺旋プロジェクト〉とは――
「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画
〈螺旋〉作品一覧
朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』
天野純希『もののふの国』
伊坂幸太郎『シーソーモンスター』(本作)
乾ルカ『コイコワレ』
大森兄弟『ウナノハテノガタ』
澤田瞳子『月人壮士』
薬丸岳『蒼色の大地』
吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
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商品情報
- シリーズ
- シーソーモンスター
- 著者
- 伊坂幸太郎
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公文庫
- 書籍発売日
- 2022.10.25
- Reader Store発売日
- 2022.10.21
- ファイルサイズ
- 17.2MB
- ページ数
- 480ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (182件のレビュー)
-
伊坂幸太郎が、螺旋「企画」の仕組みをかなり詳しく話してくれている。そもそも編集者の思いつきを、彼の発案で「企画」にまでに具体化して、大きな約束事は8人の作家全員で決めたらしい。
実は螺旋シリーズはこ…れで2冊目。最初は朝井リョウの作品を、そうとは知らず4年前に読んだ。かの作品は平成を舞台にしているから、話を大きく出来ないだけあって、内に内に籠るストーリーで、好きにはなれなかった。伊坂さんは中編一話目がスパイもの、二話目が近未来もの、ということで、サービス精神いっぱい、テーマも国家構造にまで及んで、私の好みだった。
「人間の歴史は、全部、争いだろ」
「え」
「争いの合間に小休止があるだけじゃないのか」
(略)
「だけど、争えば人は傷つくし、物も壊れる。ないほうがいい」
愛読していた子供向けの本のことが頭によぎった。(略)その主人公マイマイが発する定番の台詞がある。「争わないほうが好ましい」僕はそのことを思い出した。「争いたくなる気持ちはわかる。だけど、争わないほうが好ましい」と心優しきマイマイは言うのだ。
「一人一人の気持ちだとか、目先の社会のことを考えれば、争いは悪いことかもしれない」檜山景虎は言った。「ただ、違う次元の話なら、争いはなくてはならないものだ。実験室でビーカーの中を撹拌するのと同じだ。かき混ぜなければ実験にならないだろ」(略)「できるだけたくさんの方向性を増やす方向に、物事は進む。撹拌して、拡散する。だから争いは起きなくてはいけない」(236〜239p)
このように、突然「長い問答」が始まるのも「お約束」だったのだと、伊坂さんは打ち明けてくれている。言い出しっぺだから、かなり煮詰めたテーマをぶっ込んでいる。「人間の歴史は決して争いじゃないんだよ」と、私としては檜山くんに言いたいところではあるが、伊坂さんの言いたいのは、そこじゃない。「争いは人間の本能だ」とは伊坂さんは言ってない。檜山くん(伊坂さん)は、「とりあえず、この数千年間はそうなのだから、それで人類が進化した面は確かにある。でも、その渦の狭間でどうにか穏やかに生きていく努力は、平和をつくる努力は必要だ」という落とし所のようだ。うーむ、ちょっと違うかな。でも悪くはない。
この前、伊坂幸太郎トラウマから脱したばかりで未だぐずぐずしながら読んだ。割と長いことかかった。螺旋シリーズは、やはり手を出したくはない。続きを読む投稿日:2023.11.29
このレビューはネタバレを含みます
2024/5/28読了。
レビューの続きを読む
嫁姑の小競り合いは読んでいてちょっとホントにしんどくなった。
自分はどちらかと言うとシーソーモンスターの世界観を継承したスピンモンスターの方がミステリーという感じがして好きだ…った。
近未来のありそう感も良かったし、γモコのメンバーが死んだら集まろうという約束や逃走劇にはワクワクしっぱなしだった。
水戸の記憶が蘇ったところは鳥肌ものだったが、それを話の本筋に持って来なかったあたりオシャレだなと思った。続きを読む投稿日:2024.05.28
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