小説十八史略 傑作短篇集
陳舜臣(著)
/講談社文庫
作品情報
中国史の精華を味わう魅惑の作品集、ロングセラーの特別篇――春秋から三国時代を経て、隋・唐、南宋。中原に覇を競った人びとを活写し、今なお多くの読者を魅了する『小説十八史略』。のちの始皇帝、秦王(しんおう)暗殺を命じられた荊軻(けいか)。金の都で蒙古から史書を守る宿命を負った宋人・王勉(おうべん)をはじめ、孟嘗君(もうしようくん)、楊貴妃(ようきひ)など、「十八史略」の時代に生きた人物に光をあてる、歴史小説コレクション。
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商品情報
- シリーズ
- 小説十八史略 傑作短篇集
- 著者
- 陳舜臣
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 2006.04.14
- Reader Store発売日
- 2021.02.26
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 512ページ
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この作品のレビュー
平均 4.7 (3件のレビュー)
-
陳舜臣氏の著書は、いつか読んでみようと思いつつ今日になってしまいました。
「十八史略」の小説版で、しかもこの本は短篇集。
とても読みやすかった。
陳舜臣氏の「小説十八史略」を全巻読んでみます。
きっと…期待に違わないことでしょう。
一気に陳舜臣氏のファンになってしまいました。続きを読む投稿日:2015.04.30
陳舜臣先生の偉大さを改めて思い知った一冊である。
フィクションとして、陳先生の歴史小説ははっきり言って、直感的におもしろい!とか大興奮!とか生き様に感動!とかいう成分は皆無である。
漢の生き様をこれ…でももかと書く北方謙三とか、つらいときにはいつもお世話になってます、宮城谷昌光先生の「よく生きるとはこういうことである」ということがはっきり提示されて、がつ〜んと感動さえられるフィクションあふれる物語に比べると、たぶん淡泊すぎて一見するとつまらない。
実は私も、単に本を読むという楽しみだけなら宮城谷先生が一番好きだし、勝手に歴史作家脳内ランキング一位にしてました。
しかし…、陳舜臣はやっぱりすごい。
この短編集に、孟嘗君を描いたものがある。今どき、孟嘗君といえば、陳舜臣ではなく、宮城谷である。天下のNHK的にもそうである。
でも、この陳版孟嘗君はあっさり、私的孟嘗君において、宮城谷孟嘗君を抜いてしまった。
というのは、なんで、孟嘗君が説客を三千人も養って、彼らから信望を得られたかということにおいて。
陳舜臣の説明はこう。
孟嘗君は五月五日生まれ。この日生まれの子は不詳だから殺せと父親に言われる。しかし母親は密かに孟嘗君を育てる決意をする。
が、いつか育て上げたあかつきには、父親に孟嘗君を認知させたい。だから、父親以外の全ての人が、この子は父親(清郭君)の息子であるとわかっていながら、清郭君にだけは知られない状態で育てなければならない。
どうする?
とにかく、そういうわけだから、他人全ての手を借りなければならない。そして、決して告げ口されないように他人に恨まれてはいけない!
というわけで、孟嘗君の母親はとにかく、他人の下手に出ては、謙虚に振る舞い、贈り物を配りまくり、子である孟嘗君にも「あなたは他人のおかげでここまで生きてこれたのよ」と口をすっぱくして育てるのである。
で、どうなったか。
母親は、自分と孟嘗君のためという目的のために、他人につくして、接待していた。
しかし、孟嘗君にとっては、生まれたときからその状況なのである。
もはやそれが常態。つまり、目的(悪く言えば、下心)が皆無に、人に尽くし、接待する、超絶ネイティブ一流ホスト、孟嘗君が誕生した!
とこういう理屈が、わずか一ページで語られている。
な…なにこの説得力!そしてリアリティ!
ああ、たぶん当時、現実に起こったこととして、こうだったのかもしれない、と全く納得いかされる内容なのである。
これが宮城谷版だと、孟嘗君は五月五日生まれ。この日生まれの子は不詳だから殺せと父親に言われる。しかし母親は密かに孟嘗君を育てる決意をする。
ここまでは同じなのだが、その後、白圭(なんか英雄っぽい人)に拾われ、諸国を歩き、徳を獲得!三千人を心服させる
という、最高におもしろい話なのだが、まあフィクションでしかありえない展開になる。
史料を読んで、実際、どういうことだったかということをリアリティを追求して、そのリアリティのうえに人物を描き出せる筆力では、陳舜臣先生は最強である。
正月早々、めっちゃかんどうしました。
歴史小説の歴史小説たる所以は、史料を使って書くというその一点にある
たぶん、陳先生は小説家じゃなくて、紛れもなく歴史作家であるんだろう。
続きを読む投稿日:2009.01.07
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