私はそうは思わない
佐野洋子(著)
/ちくま文庫
作品情報
「私は気分転換などしない。気分転換する必要はない程陽気で幸せな人なのではない。ほとんど常にかぎりなく滅入っている。おまけに体が怠けもので、気だけせわしなく忙しいので、ごろりと横になって先から先へと心配ばかりしていて体安まって心休まる時がない。趣味もないしお酒ものまず歌もうたわない。」だけど佐野洋子は自分のいいたいことはきちんといい、きちんと怒るのである。人間の基本を守っているのである。
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商品情報
- シリーズ
- 私はそうは思わない
- 著者
- 佐野洋子
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま文庫
- 書籍発売日
- 1996.02.22
- Reader Store発売日
- 2020.10.09
- ファイルサイズ
- 2.2MB
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この作品のレビュー
平均 3.9 (14件のレビュー)
-
「100万回生きたねこ」を描いた人。
私が小学校2年生の時に、母が「よい絵本だ」と聞いて私に買ってくれた。
私は読んでみたけど、別に良い絵本だとは思わなかった。
よい絵本がなんだかよく分からないし。…
愛とか死はもちろん「猫が死んでかわいそう」とかも思わなかった。
みんな猫が死んで悲しんでるのに、猫は悲しまないで、なんだか猫に怒ったらいいのか、猫が死んだことをやたらに悲しむおばあさんや海賊に怒ったらいいのか、気持ちの持って行き場がよく分からなかった。
だから、何も感じていないような気持ちになった。
白い猫に死なれて、オス猫が生き返らなかったことはすごく当たり前のことのようにも思えた。
大きくなって、いわゆるサブカルっぽい友達が「100万回生きたねこ」やばい!と言い出したので、そうか、あの本はやばい(良い)本なのかとか、なんとか。思うようになっていた。
佐野洋子さんのことは「100万回生きたねこ」でしか知らない。
勝手にすみれ色のおばちゃんを想像していた。
柔らかい、でも人生を透徹した鋭い目を持っている人。
でも、この本読んだら全然違った!
鋭い目じゃなくて、鋭い心を持ってた。
決して柔らかくなんかなかった。
このエッセイを読んで、佐野洋子さんが幼かった私を諭そうとして「100万回生きたねこ」を描いたのでないことはよくわかった。
まだ子どもだったときの私には佐野さんの動揺が伝わっていたのかもしれない。
死んじゃうって…(オロオロ…)
死んじゃうと悲しいって…(オロオロオロオロ…)
佐野さんはそんな風にして自分の心伸びやかいっぱいに絵本を作ってたのではないか。
心伸びやかは決して、健康なことではない。
人が感じることには不健全なこともたくさんあるからだ。
でも、それが人だろ。
私が驚いたのは、佐野さんがあまりにもたくさんの子ども時代の記憶を抱えていることである。
私は、きっとエッセイを書けと言われても、こんなにたくさんの子ども時代を引っ張りだせない気がする。
愚鈍に生きていたのかもしれない。
でも、佐野さんが言うように、子どもの頃の私は毎日懸命だったな。
自分でも知らないことだったけど。
「100万回生きたねこ」に今の私が初めてであっていたら、
「何かを感じなくてはいけない」ことに必死になったかもしれない。(良い本だって言われてるのを知ってるから)
子どものときに初めて出会えて、漫然と感じるだけの感じ方で良かったと思う。
あの頃、出会えて良かった。
それがたぶん私の精一杯の感受性だったのだから。それでいいのだ。続きを読む投稿日:2013.11.02
このレビューはネタバレを含みます
佐野洋子さんのエッセイは若い頃に「私の猫たち許してほしい」を読んだことがあった。その時も思ったように記憶してるけど、シンパシーを感じる。
レビューの続きを読む
私も「私はそうは思わない」タイプだし、「私はそうは思わない」は…「私はこう思う」というのとは少し違うという見立てもガツンと来たな。そうそう!そうなのよ!と私もそう思ってしまった。続きを読む投稿日:2023.05.28
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