ターンオーバー
堂場瞬一(著者)
/ハルキ文庫
作品情報
「勝てると信じて走らない人間に、勝つ資格はない」――箱根駅伝から一カ月。東体大四年の穴川は初の長距離マラソンに挑んだ。尊敬する先輩と走る同じレースで、快調な追い抜きを見せたが、一転……(「ペースダウン」)。大学一年で日本代表入りした経験を持つラグビー選手・五十嵐は、三年連続関東大学リーグ戦で負傷していた。四年目のリーグ戦が始まった今、怪我の恐怖におびえながらも士気を高める――(「クラッシャー」)。アスリートたちの一瞬の好転・暗転を描き切った、白熱のスポーツ短篇集。(解説・西上心太)
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商品情報
- シリーズ
- ターンオーバー
- 著者
- 堂場瞬一
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 角川春樹事務所
- 掲載誌・レーベル
- ハルキ文庫
- 書籍発売日
- 2016.07.18
- Reader Store発売日
- 2022.09.01
- ファイルサイズ
- 3.9MB
- ページ数
- 287ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (8件のレビュー)
-
堂場舜一さんのスポーツ小説。
高校野球、アメフト、やり投げ、マラソン、ラグビー、プロ野球。
7編の短編集。
堂場舜一さんのスポーツ長編はとても面白い!
短編はちょっと物足りなかったかな…投稿日:2017.10.23
「堂場瞬一」のスポーツ小説集『ターンオーバー』を読みました。
『10‐ten‐俺たちのキックオフ』に続き、「堂場瞬一」作品です。
-----story-------------
夏の甲子園予選。
…全国一の激戦区と言われる神奈川県大会で活躍する、東高学院のエース「渋井」。
彼を追う東日新聞記者「新見」の胸には、ある苦い思いがあった……(『連投』より)。
野球、アメリカンフットボール、やり投、マラソン、ラグビー――プレーする興奮と観る感動をそのままに、アスリートたちの様々な瞬間を切り取った、手に汗にぎる純スポーツ小説集。
全6編収録。
-----------------------
スポーツをテーマにした以下の6篇が収録されています、、、
野球(高校野球とプロ野球)、アメリカンフットボール、やり投げ、マラソン、ラグビー… と扱われている競技も多彩で、それぞれの作品を飽きずに愉しめました。
■連投
■インターセプト
■失投
■ペースダウン
■クラッシャー
■右と左
■解説 西上心太
やり投げのように、あまり興味もなく、知識も少ない競技もありましたが… 意外と面白く読めました。
『連投』は、高校野球をテーマにした物語、、、
最も過酷といわれる夏の高校野球の神奈川県予選大会… ベテラン新聞記者の「新見」は、快進撃を続ける東高学院のエース「渋井」の投球に異変を感じる。
かつて自分も高校球児で肩を壊して野球を辞めた「新見」は、「渋井」が連投により、故障を抱えて投げていることに気付き、直截な問いを投げかける… 結局、「渋井」は決勝戦の先発を回避するが、その理由は意外なものだった、、、
監督や記者、選手… それぞれの価値観の違いが面白かったですね。
『インターセプト』は、アメリカンフットボールをテーマにした物語、、、
目覚ましいスピードを持つ新人ワイドレシーバー「徳田」、クオーターバックの「矢嶋」は、彼に完璧なパスを投げたのに、ディフェンスバックの選手にインターセプトを喰らう… 「徳田」は自信を喪失し、「矢嶋」はサインが読まれたのかと疑心暗鬼に駆られる。
なぜパスが通らないのか… という謎を推理し、そして解決していくという展開は、ある意味、ミステリっぽい仕立てでしたね。
『失投』は、やり投げをテーマにした物語、、、
前シーズン終盤に肩を痛めた「織田」、第一人者でありながら調子の出ない自分に迫ってくる若手の「山藤」… 焦燥に駆られながらも、ようやく会心の一投がでるが。
かつて自分も先輩を追い越してきたことを振り返りながら、後輩に追われる側のトップアスリートの心理を描いた物語でした。
『ペースダウン』は、マラソンをテーマにした物語、、、
箱根駅伝で活躍した「穴川」は、学生最後のレースでマラソンに挑む… 絶好のコンディションで身体の調子も良く、折り返し地点を過ぎてもトップを走る憧れの選手から離れず追走をするが。
マラソンの厳しさが伝わってくる物語でしたね。
『クラッシャー』は、ラグビーをテーマにした物語、、、
大学1年生で日本代表に選ばれながらも、3年連続でシーズン初戦で大怪我を負うことを繰り返してきた「五十嵐」、4年生となったシーズンで不安を抱えながら開幕戦に挑む。
ラグビーの物語だったので期待し過ぎていたのかもしれませんが… 怪我の恐ろしさだけが強調されていた感じがして、それほど愉しめませんでした、、、
でも、試合での緊張感は伝わってきました… 久しぶりに楕円球を触りたくなりましたね。
『右と左』は、プロ野球をテーマにした物語、、、
最下位に低迷する横浜パイレーツ、ところが最終戦直前の試合で奇跡的な勝利を得たことにより、最終戦の結果次第では4位に上がれるチャンスが… 首の皮一枚がつながった「平井監督」の悩みは、明日の先発投手だった。
高卒2年目で新人賞候補の若手右腕「大洞」か、ベテラン左腕「黒澤」か、奇しくも両者とも15勝7敗という同成績で、休養も充分… 何がなんでも最多勝タイトルが欲しい「大洞」、少し軸足を痛めており、すでにシーズンのモチベーションを失っている「黒澤」、思考の迷路のはまった「平井監督」の決断は。
監督はどちらを選ぶのか… という謎を中心とした心理小説でしたね。
イチバン面白かったのは『連投』かな… あとは『右と左』が印象に残りました、、、
両方とも野球ですね (笑)続きを読む投稿日:2023.03.22
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