真贋
吉本隆明(著)
/講談社文庫
作品情報
「小説や詩を読むことで心が豊かになると妄信的に信じている人がいたら、ちょっと危いと思います。世の中の『当たり前』ほど、あてにならないものはありません」――今こそ「考えること」に真剣に向き合ってみませんか。突き詰めた思考の果てにうまれた、氏の軽妙かつ深遠な語りにどうぞ耳を傾けてください。
明るさは滅びの姿
「豊かさ」に隠されたもの
自分の毒に責任を持つ
人間らしい嘘は許す
困ったらインチキでもやるしかない
いいことをさりげなく、悪いことは大げさに
――<目次より>
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 真贋
- 著者
- 吉本隆明
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 2011.07.15
- Reader Store発売日
- 2020.05.29
- ファイルサイズ
- 0.2MB
- ページ数
- 264ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.7 (73件のレビュー)
-
吉本隆明氏の著書をはじめて読みましたが、これまで読まずぎらいだったとおもいました。
けっこう醒めていて、乾いた感情かとおもいますが、分かりやすい内容でした。
ものごとには両面があり、必然がある。
人の…多少の努力や考えなどは、大勢を変えることなく、ゆきつくところまでいってしまう。
気になったのは以下です。
・いじめるほうもいじめられるほうも両方とも問題児だ、ということだ。
・いつも明るいところばかりを見ていたら、暗いところにあるものが見えなくなってしまいます。そもそも、暗いところにこそ、真実が隠されているのではなにでしょうか。
・いくら科学技術が発達しても、人間の魂、精神が発達するわけではありません。むしろ、人間の精神というものは悪くなっていくものだという考え方もある。
・天然自然を主体に考えたら、いいことも、悪いこともあるのが当然であって、悪いことを言わないというのは、それだけで、もうだめな証拠だということです。釈迦、キリスト、孔子、老子たちがいいことしか言わないのは、世の中に悪いことがたくさん現れてきたためというのです。
・現に、日本の現代を例にとっても、少しもいい時代になっていないことを実感します。
・本を読んだことによって毒がまわったかもしれないと考えるようになりました。
・何かに熱中するということは、そのことの毒も必ず受けるということです。
・人間自身もそうですが、すべてのものは善と悪を併せ持っています。
・毒が回っている人の特徴は、何でもやりすぎるということです
・いい生き方:自分が持って生まれた運命や宿命というのがあるとすれば、それに素直に生きていくことではないかと。
・蓮如:「白骨の御文章」 朝に紅顔を誇っている身も夕には白骨と化す
・親鸞:修業なんかしても浄土に行けない。浄土は実体ではないから、行くも行かないもない。ある意味で仏教にとどめを刺した人です。
・「いいもの」は好き嫌いで判断できない何かを持っている
・期限をみれば本質がわかる
・僕は噂話や消息通の話など一切信用せず、自分の目や感覚で人やものをみるようにしてきました。良し悪しというのは、バランスのようなもので、全否定も、全肯定もなかなかできない者だと考えています。
・一般の人間関係においても、いい関係かどうかを判断する基準というものを持っています。それは、お互いが言いにくいことをきちんと言えるかどうかです。
・親鸞だけが、死ぬことは不定だと言い切って死ぬ時のことをあまり考えない方がいい、どういう風に死ぬかはわからないのだから考えても無駄であるという意味のことを言っています。
・誰も教えてなんかくれないよ、自分で考えて、自分でやらないとやっていけない。
・理想の自分と現実の自分が違うことがほとんどです。
・自分がなりたい仕事と、他人から見た向き不向きが違うことはよくあることです。そういうときには両方やって、両方の修練をすればいいと僕は思います。
■結論:すべてが逆な方向へ進んでいる
・いまの日本は、道徳的にもよくないから、品格とか愛国心とか武士道精神といったもの復活させようという考えがブームになっているようです。しかし、僕はそういくことは無駄である、初めから無駄なんだと考えています。
・こういうのがいいんだ とわかっていても、そうはできないし、そのとおりにはならないのが現在の大きな問題なのです。やる人がいないし、耳を貸す人もいません。もしいても、それは少数だけで、根本的にはならないでしょうか。
・一つはっきり言えるのは、いいことをいいと言ったところで無駄だということ、何はともあれ、いまは考えなければならない時代です。考えなければどうしようもないところまで人間がきてしまったということは確かなのです。
・いま、行き着くところまできたらこそ、人間とは何かということをもっと根源的に考えてみる必要があるのではないかと思うのです。
目次
まえがき
1 善悪二元論の限界
2 批評眼について
3 本物と贋物
4 生き方は顔に出る
5 才能とコンプレックス
6 今の見方、未来の見方
あとがき
ISBN:9784062770057
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:260ページ
定価:620円(本体)
発行年月日:2012年03月21日第3刷続きを読む投稿日:2023.03.30
共同幻想論などとは異なり読みやすいが、さらりと書いた文章でも意味を理解するには、かなりの筋肉(読書量)が必要かと思う。3割くらい解釈できたかなぁ。
投稿日:2023.03.11
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。