この作品のレビュー
平均 3.3 (42件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
2021.6.27読了
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1977年に発売されて以来、多くの読者に支持され続けるロングセラー「100万回生きたねこ」への思いを込めた13名によるトリビュートアンソロジー。
大好きな作家が何名かいたらもちろん、例え知らなくてもこれから大好きになるかもしれない方との出会いがあるかもと思えるから、アンソロジーは割と好き。
しかも涙なしで読めない、何度読んでも泣けてくるあの名作童話絵本を称賛する方々による作品集ときたら、嫌でも興味がそそられる、と思って手に取った。
江國香織 …生きる気まんまんだった女の子の話
直木賞作家。文章が好き。
「100万回生きたねこ」のテーマ、世界観のままのお話。佐野さんの生前最後のエッセイのタイトル「死ぬ気まんまん」へのオマージュに愛情を感じる。
岩瀬成子 …竹
児童文学で長く活躍されている方。自分は初めて知った。初めて知ったと言えば、ラフカディオハーンが割と好戦的な猫好きだったとは。竹と八兵衛のネーミングに時代を感じてほほえましくなる。
くどうなおこ…インタビュー あんたねこ
佐野さんの絵の絵本を出版するなど、佐野さんと仕事上のお付き合いがあった方のよう。
「あんたねぇ」と繰り返されるフレーズがくせになる。
井上荒野 …ある古本屋の妻の話
直木賞作家。初めて知った。味わい深いお話しだった。
「ねこ」は象徴としての役割。古本屋の妻は、繰り返される退屈な日常、誰からも求められない自分を持て余し、すぐに打ち消すものの「死」への欲求すら瞬間的に思い浮かべてしまう日々を送っている。
ある日夫が、買取依頼として送られたダンボールの中から、封筒に入った遺書を見つけ、妻にどうしようかと相談する。封書に書かれた宛先へ直接手渡そうとの妻の主張によって、買取依頼主へ持参するも、すげなく追い返される。
持ち帰ったその手紙を「捨ててしまえ」と言われたら、自分を取り巻くすべてを捨ててこの家から出ていこうと決めていた妻に対し、意外にも夫は、死んでしまった猫と共に埋めてやろうと言う。
角田光代 …おかあさんのところにやってきた猫
直木賞作家。映像化された作品が多く知名度が高い。
飼い猫として大切に可愛がられつつ自由がない生活と、命の保証はないが自由だけはある生活。わたしが選び取ったのは、後者。でも、死を前にして、飼い猫として大事にされた記憶と飼い主のことを大切に思いながら、生まれ変わる。
町田康 …百万円もらった男
芥川賞作家。元パンクロッカー。
この作品群の中にあって、唯一猫自体が出てこないお話し。星新一や筒井康隆にありそうな、世にも奇妙な物語のような、才能を百万円で売る男の話。大真面目なのに人を小ばかにしているような文章がとても楽しい。
今江祥智 …三月十三日の夜
児童文学、絵本の分野で受賞歴多数。2015年に逝去。
大阪大空襲に遭遇した猫の話。素朴で重い。
唯野未歩子 …あにいもうと
ゲゲゲの女房(映画版)、きのう何食べた?等に出演している女優であり、脚本家、映画監督。
あにいもうととして生まれ変わりを繰り返すいもうと猫が人間の女の子として生まれ、平凡な人生を生きる中で、あに猫が関わってきて自身の生活を脅かすようになり、結局自分の手で最後を迎えさせることとなるという話。予想はしていたが結末がショッキング。
山田詠美 …100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン
直木賞をはじめ、数々の文学賞を総なめしている学生時代大好きだった作家。
「100万回生きたねこ」がそのまま作品内に出てくる。私が語るミックの話。
百万回生きて、百万回死んだねこは、愛を知って、ようやくちゃんと死ねた筈だったのに、また新たな読者の心の中で生き返ってしまうかもしれない。
綿矢りさ …黒ねこ
いわずもがな芥川賞作家。
しっくいに塗り込められた奥さんと猫の話。
川上弘美 …幕間
芥川賞作家、他受賞歴多数。独特なゆるやかな雰囲気が大好きな作家さん。
ファンタジーのようなゲームの中のような、不思議なお話し。猫だけじゃなく、人間も何度も生まれ変わる世界。
広瀬弦 …博士とねこ
佐野さんのご子息。
良かれと思ってしている好意であってもその当人にとって喜ばしいものとは限らないというお話し。
谷川俊太郎 …虎白カップル譚
佐野さんの元夫。
100万回生きたねこは佐野洋子の見果てぬ夢であった。それはこれからも、誰もの見果てぬ夢であり続ける投稿日:2021.10.13
好きな作家さんたち、そして活躍されているけれど私はまだ読んだことがない作家さんたちの作品を楽しみに読み始めましたが、どうもいずれも難解で面白みが感じられず〜。何度か挫折しかかりました。
投稿日:2024.04.23
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