小説
ベティ・ニールズ選集
シリーズ内の平均評価:
(22)
唐突なプロポーズ――それは、あまりに悲しい恋の結末。ロンドンの聖モード病院で働くオクタヴィアはある日、勤勉な仕事ぶりを買われ、出張看護の命令を下された。地中海めぐりのソクラテス号に乗船しろというのだ。船上で彼女は、かつて病院にけが人を運び込んだ男性と再会する。そのとき彼は“必ずまた会う”と自信満々に言い、オクタヴィアの脳裏にその姿を刻みつけたのだった。オランダの医師だという彼とともに船で過ごすうちに、無愛想だが親切な彼にオクタヴィアは心惹かれるようになる。だが航海が終わったとき、彼がもたらした残・・・
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恋にめざめた乙女に求められたのは、愛を感じるのではなく、演じること。
ロンドンの病院で働く二十歳の見習い看護師ベネチアは、近くの店の爆弾騒ぎで腕を負傷し、かの著名なオランダ人脳外科医デュアルト・ター・ラーン‐ルティンガ教授に処置してもらうことに。かすかな意識のなか見上げた教授のハンサムな顔――そのとき、乙女の小さな恋は始まったのかもしれなかった。やがて、唯一の家族だった祖母が急死し一人残されたベネチアに、彼女の気持ちを知ってか知らずか、教授が突然プロポーズをしてきた。オランダで後見することになった孤児の少女が手に余り、模範的な家庭生活を示すために、妻役を演じてほしいというのだ。愛のない結婚は本望ではないと、泣く泣く拒むベネチアだったが……。■唯一無二の作風で愛されるベティ・ニールズの選集をお贈りします。年上の教授に淡い恋心を抱いたのもつかのま、愛の介在しない結婚を提案されたベネチア。祖母亡き今、寂しい身の上を思うと家族は欲しいけれど、形ばかりの偽りとは哀しい……。切ない葛藤の物語。 -
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寝ても覚めても心に浮かぶのは、ただ一度会っただけの、あの人……。
ロンドンで看護師として働くユージェニーは、病身の父を世話するために仕事を休んでしばらく地方の実家にいた。両親を心配させまいと内緒にしているが、父の全快後に復職してもすでに彼女の席はなく、残りひと月勤めたら退職することになっている。ある日、濃霧で道に迷っていたオランダ人医師アデリクと出会い、辺りが晴れるのを待つあいだ、実家で彼と楽しい時間を過ごした。やがて彼は霧と共に去っていった――彼女の心に恋の種を植えつけて。その後、一時復帰したロンドンの病院でアデリクと再会を果たすが、彼の思いがけない申し出に、ユージェニーは耳を疑った。「オランダで、僕専属の看護師になってくれないか?」■アデリクと出会ったことで、人生で初めて恋を知ったユージェニー。彼専属の看護師に指名されて舞い上がったのもつかのま、事務的な態度に徹する彼に意気消沈して……。けなげで親孝行なヒロインの秘めた片思いを描いた、B・ニールズの名作をお楽しみください。 -
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結婚したきり、近づいてもくれない。わたしは彼を愛し始めているのに……。
年金暮らしの祖父と二人きりで生きるユステイシャは、雑用係として働く病院で、有名外科医のコーリンと出会う。独身貴族の彼は、弟夫婦がしばらく外国へ行っている間、預かっている幼い甥たちをもてあまして、ユステイシャを住み込みの世話係として雇うことに。ところが、弟夫婦が不慮の事故で他界し、状況が一変する。遺言により後見人となったコーリンから子供たちを奪おうと、母方の祖父母がやってきて、不在がちな彼を責めだしたのだ。すると、コーリンの口から思いもよらない言葉が飛びだした。「ご安心ください――ぼくとユステイシャは、まもなく結婚します」■穏やかな作風で読み手を癒やす名作家ベティ・ニールズの名作選集をお届けします。憧れの年上ドクターから突然プロポーズされ、胸を高鳴らせると同時に戸惑うユステイシャでしたが……。『ふたりのパラダイス』の主人公ハーソーとプルーデンスも登場します! -
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意地悪な継母にこき使われる日々――そんな娘に訪れる、しあわせな出会い。
クレシダは父亡きあとも、身勝手で冷たい継母と暮らしていた。父が遺した家や財産はすべて継母の支配下にあったが、生まれたときから面倒をみてくれている老家政婦モギーの身を案じ、彼女は家を出ていく気になれずにいた。ある日、捨て犬を助けた拍子に足を怪我して動けずにいたところ、通りがかりのオランダ人医師オルドリックに助けられた。その後も気にかけてくれる彼に、クレシダは淡い恋心を抱き始める。やがて、モギーが終身年金を受けられることになり、クレシダもさる老婦人の話し相手の仕事を得て自立することになった――すべては、オルドリックの密かな計らいとも知らずに。■継母のもとを離れて自由を手に入れたクレシダでしたが、オランダに渡り、ふたたびこき使われる憂き目に……。『愛をはぐくんで』の関連作で、前作の主人公、ティコーとチャリティも登場します! -
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そぼ降る雨のなか立ち続けた。来るはずのない相手を待って……。
父を亡くした看護師のチャリティは身寄りがないも同然だった。継母は家を売り払って国外に移住し、美しい義理の姉とも疎遠で、モデルの仕事をする姉に対して引け目を感じていた。そんなチャリティをオランダの病院に勤めないかと誘う者がいた。人好きのする笑顔をもつオランダ人医師のコールだ。結婚をほのめかす彼の言葉を信じて異国の地へやってきた矢先、チャリティは、彼が自分とのデートをすっぽかし、美人看護師と出かけていくのを目撃して絶望の淵に突き落とされた。つらいけれど涙をこらえて懸命に働く彼女に、外科のファン・デル・ブロンス教授が声をかけた。「泣くのは恥ずかしいことじゃない」■癒しの作家B・ニールズの不朽の名作をお届けします。華やかな姉に比べて冴えない自分に自信がもてないチャリティ。でも、周囲は彼女の良さを知っていました――とりわけ、人生経験豊富な教授は。『しあわせな出会い』の関連作です。 -
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家事手伝いの地味な娘に訪れた、洗練されたドクターとの静かな出会い。
両親の死後、ペーシェンスは大叔母姉妹に引き取られた。大叔母が投資に失敗して財産をほとんど失ってからは、住み慣れた屋敷を引き払い、今はつましい年金暮らしをしていた。そんなある日、空いた屋敷をしばらく借りたいという話が舞い込んだ。しかも借り手のオランダ人外科医ユリウス・ファン・デル・べークは、執筆に専念するため、雑用係としてペーシェンスを雇い入れたいらしい。彼女は未払いになっている請求書の束を思い浮かべ、仕事を引き受ける。でも、執筆中は完全に静かでなければならないと要求するなんて、きっとミスター・ファン・デル・ベークは暴君のようなご老人ね。ところが現れた雇主は、にこりともしないけれどハンサムな男性で……。■英国のありふれた日常風景の中で繰り広げられる穏やかなロマンスを綴った人気作家、ベティ・ニールズの選集第10弾をお届けします。無愛想なのに魅力的な外科医に雇われ、図らずも心を奪われていくヒロイン。しかし、彼の周りには美しい女性が大勢いて……。 -
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冷たい雨に打たれた娘の上に、さらなる咎めの雨が降る……。
ロンドンの病院で病棟看護師長を務めるジョゼフィンは、ある雨の日、田舎道を散歩中に危うく車に轢かれそうになった。彼女の目と鼻の先で急停止したその高級車には、気位の高そうな年上の男性が乗っていた。ジョゼフィンが思わず非難すると、相手はあろうことか、突っ立っていた彼女に非があると言い、冷たい一瞥をくれて走り去った。憤りを覚えながらも、彼の美しい顔がジョゼフィンの脳裏に焼きついた。2日後、出張する医師の代理の人物ユリアスが勤務先に現れたとき、ジョゼフィンは心臓が止まりそうなほど驚いた――彼こそ、先日彼女を轢きそうになったあの男性だったのだ!
■雨の日の出会いで良くも悪くも心に残っていたユリアスと信じられないような再会を果たしたジョゼフィン。彼の一挙手一投足に胸を高鳴らせる自分に戸惑いますが、あるとき意外なほど優しい笑顔を見せられ……。ベティ・ニールズの不朽の名作をお楽しみください。 -
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厳しくて口数の少ない教授の優しい気遣いにふれて……。
ロンドンの病院で外科病棟の看護師長をしているメガンは、同じ病院に勤務する医師と半年前に婚約した。熱烈な恋愛でなくとも、彼とは安定した家庭を築けると思っていたが、この頃、本当に私は彼が望むような女性なのだろうかと不安になる。というのも、田舎に住む家族と引き合わせたとき、彼はどうやら内気で従順な妹のほうを気に入った様子だったのだ。ある晩、メガンが婚約者の心ない言動に傷ついていると、病理学部のファン・ベルフェルト教授がさりげなく慰めてくれた。なんて優しい人。勤務中のクールで厳しい教授とは別人みたい……。だが、そのとき恋が芽生えたことに、メガンはまだ気づいていなかった。
■唯一無二の作風で今も愛され続けるベティ・ニールズの、1993年の作品をリバイバルでお届けします。職場の皆から恐れられるほど冷たく厳しい教授。いつもは寡黙な彼がときおり見せるさりげない優しさに、メガンはしだいに信頼と愛情を抱きはじめますが……。 -
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地道に働くまじめな娘が、男爵の秘書に抜擢され……。
病気がちな母を世話しながらタイピストとして働くサリーナは、年頃の娘らしい楽しみを持ったことがなかった。たまには、今とは違う人生を夢見ることもあったが、けなげに母を思う彼女はすぐにあきらめてしまうのだった。そんなある日、サリーナは人材派遣センターから依頼されて、マルク・テル・フォーレン医師のもとで臨時に働くことになった。するとオランダの男爵でもあるマルクが、今度秘書が退職するので、代わりに彼の国へ一緒についてきてほしいという。このハンサムなドクターと? お母さんのことはどうすればいいの?サリーナの心を、希望と困惑が駆け抜けた。
■唯一無二の作風で愛されるB・ニールズの名作をお贈りいたします。初めこそ無愛想で傲慢な皮肉屋に見えるヒーローですが、陰ながらも大いにヒロインを支える姿がなんとも魅力的です。 -
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働き者のシンデレラの姿を、静かに見つめるまなざし……。
エマは口うるさい有閑夫人の付き添い兼秘書として働き、わずかな給金と母の年金を頼りにつましく暮らしている。ある日、雇い主である夫人が体の不調を訴え、かかりつけ医の代理でサー・ポール・ワイアット医師が往診に来た。彼は他の医師と違い、夫人のわがままに振り回されることなく、健康状態に問題がないと見るや颯爽と帰っていった。それ以来、エマの心はポールのことでいっぱいになった――たまたまやってきた彼には、もう会うこともないと思いながら。ところが数日後、母娘で遠出中に母が病に倒れ、どうしたらいいかわからずうろたえるエマの前に、ポールが現れた!
■けなげなヒロインを数多く生んだB・ニールズ。なかでも本作は涙なくして読めないシンデレラストーリーです。母の看病をしながら泣き疲れて眠るエマにそっと毛布をかけ、ほつれた髪を静かに撫でてやるポール。年上で大人な彼のさりげない優しさに心打たれます。 -
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きみは霧氷のように美しい――その言葉を愛と信じていいの?
アミリアは聖アンセル病院の手術室専属看護師長。やりがいのある仕事だとは思うけれど、27歳という年齢を考えたら、そろそろ女性としての幸せも欲しかった。だが婚約者のトムは昇進のことしか頭になく、まだ結婚に乗り気でない。ある日、アミリアは釣り好きの父とトムと3人でノルウェーを旅するが、トムは相変わらず結婚には触れず、父娘を残して先に帰国してしまった。そんなとき旅先で出会ったオランダ人ギデオンと行動を共にするうち、初めこそ失礼な人と反感を抱いたものの、しだいに惹かれていく。そして、彼女と婚約者の仲が進展していないことを知ると、ギデオンは驚くべきことを言い放った。「いっそ僕と結婚すれば?」
■やさしく穏やかな作風で読む者の心を癒やしてくれる、唯一無二の名作家B・ニールズ。選集第5弾となる本作は、1984年初版のリバイバル作品です。煮え切らない若きトムと、魅惑的な褒め言葉をかけてくる大人のギデオンに挟まれ、アミリアの心は千々に乱れます。 -
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天涯孤独の貧しい娘が、手の届かない恋に落ちた。
病院の雑役係をしてつましく暮らすヘンリエッタは、ある日、捨て猫を拾いあげた拍子に医師アダムの足をうっかり踏んでしまった。また別の日、高熱で倒れて町の診療所に担ぎこまれたところ、偶然そこへ手伝いに来ていた彼に診察されることになった。ヘンリエッタは謎めいた彼のことを少しばかり怖いと思っていたが、意外にも彼は診察後に家まで送り届けてくれたうえに、彼女の悲惨な暮らしぶりを見かねて新しい仕事まで紹介してくれた。その優しさに、彼女の恋心はいまにも走りだしそうになった。でも、高名で裕福な彼と貧しい私とでは、住む世界が違いすぎる――そう悟ったヘンリエッタは、切ない想いをそっと胸の奥にしまいこんだ。
■両親と死別して養護施設で育ち、病院の雑役とオフィス清掃の仕事をかけ持ちしながら懸命に生きるヒロインの恋物語を描いた“伝説のシンデレラストーリー”がよみがえります。意地悪な同僚に陰口を叩かれながらも健気に働く彼女に、幸せは訪れるのでしょうか?
*本書は、ハーレクイン・リクエストから既に配信されている『小さな愛の願い』のハーレクイン・イマージュ版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。 -
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