男は剣を揮っていた。黒髪は乱れ日に灼けた逞しい長身のあちこちに返り血が飛んでいる。孤立無援の男が今まさに凶刃に倒れようとしたその時、助太刀を申し出たのは十二、三と見える少年であった……。二人の孤独な戦士の邂逅が、一国を、そして大陸全土の運命を変えていく――。
便利な購入方法
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国王ウォルは王妃リィや共に出陣した騎士団・独立騎兵隊の者たちとコーラルに勝利の帰還を果たす。
熱狂し、出迎える人々――。
リィがデルフィニアに滞在した五日間を描いた連作短編集。
第一話 西離宮の灯り
第二話 ヴァンツァーの手紙
第三話 リュミエント卿の葛藤
第四話 コーラルの十年
第五話 ジャンペール家の団欒
第六話 ドラ伯爵家の騒動
第七話 サヴォア公爵家の事件
第八話 ロッテと薔薇の精
第九話 ポーラの戴冠式・前篇
第十話 ポーラの戴冠式・後篇
第十一話 来世の約束(C★NOVELS版刊行時書きおろし)
第十二話 新たなる日々(C★NOVELS版刊行時書きおろし) -
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日々、国王が少しでも心やすらかにくつろげるようにと忙しく立ち働くポーラに、ウォルが気晴らしの市内見学を進めた。だが、万が一を心配したウォルは、リィにポーラの護衛を頼みこんだ。「王妃」が「愛妾」を護衛するというデルフィニアならではの状況だが、リィはその護衛中にある陰謀を嗅ぎつける――。
表題作『ポーラの休日』他、シェラの日常(というにはかなり殺伐観満載だったりするが)の描いた二中篇と短篇を収録。 -
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のちにデルフィニアの獅子王を支えることになる二人の騎士団長は、いかにして出会い、身分の違いを超えて絆を結んだか。若武者たちの青春物語を描く外伝。
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放浪の戦士と異世界の少女の出逢い――すべてはここから始まった。盟約という固い絆で結ばれた二人は、いくたの危地を乗り越え、あまたの戦に勝ち抜いて、戦士は大国の王に、少女は王と国の守護神となった。獅子王と妃将軍が紡ぐデルフィニアの伝説が、ここに完結する。
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リィを次期タンガ国王ナジェックの妻となす――勝利の女神を辱め、戦意を削がんとするゾラタスの卑劣な策謀。ウォルは国王という枷を従弟に押しつけ、国境に向け馬を駆る。随伴するは二騎。リィの異世界での相棒ルウと人間として生きることを決めたシェラ。
ここに、最後の戦いが始まろうとしていた。 -
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生きて戻れ――リィの言葉に送られて、ファロット一族との血塗られた関係を清算すべく、シェラは北を目指す。一方、別行動を取ったリィは、タンガが仕掛けた罠により、騎士団員千人の命と交換に虜囚となった。意識を奪われた戦女神に必殺の針を手にしたレティシアが迫る――!
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トレニア湾にスケニアの大艦隊来襲。国境沿いにタンガ軍二万集結。ビルグナ砦陥落! 王妃の矢傷も癒えぬうちに、デルフィニア包囲網は厚く強固に完成されつつあった。獅子王ウォルは防戦を余儀なくされる。この危機に、独騎長イヴンは形勢逆転の切り札を担ぎ出すべく単身大海に乗り出した!!
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フェズ河以北の一帯、カムセンの地がデルフィニア領となって半年。タンガの元領主らがゾラタス王の制止すら振り切り、失地回復を叫んで挙兵した。早期鎮圧を目指し最前線で大剣を揮う戦女神リィに、再びファロットは暗殺の魔手を伸ばすのだった!
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獅子の紋章が象られた招待状が届き、使者が大陸全土からコーラルに赴く。白亜の城では豪華で盛大な式典が催されるが、その背後でタンガ・パラスト両大国は飽くことなき権力への執念を燃やし続けていた。デルフィニアの国王夫妻は毅然として顔を上げ互いの手を取り、偽りの宴へと進み出した。
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隣国の版図拡大をおそれるタンガ・パラスト両国王。彼らは、デルフィニア王妃暗殺を密かにファロット一族へ依頼した。暗殺集団の威信にかけ最強の術者を送り出すファロット一族――コーラル城の華やかな喧噪に紛れ、巧妙に、精緻に張りめぐらされる暗殺の罠。リィに最大の危機が迫る!
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国王を人質にして戦端をひらく――愚劣だが確実な作戦を用いてなお、敗北を喫したタンガとパラスト。デルフィニアの突出をくいとめなければ滅亡するのは……。かくして恐怖に戦く両国王は二国再連合とスケニア、さらにファロット一族を巻き込んでの起死回生の策に出た。
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グラハム卿ら西部領主たちが反旗を翻した。身内の裏切りによりウィンザに出陣していた国王ウォルの軍は大敗、ラモナ騎士団も壊滅する。タンガ・パラスト両国はデルフィニアに宣戦布告し、ウォルは囚われの身に……。しかし、この一大事に何故か王妃リィは姿を消し、残された人々は国王救出に奔走する!
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