拙者は食えん!―サムライ洋食事始―
熊田忠雄(著)
/新潮社
作品情報
幕末~明治初期、初めて「洋食」に出会ったサムライたち。「ボートル(バター)塗りつけ、油ばかり」、それでも開国のため、ひたすら我慢して食べ、挙句の果ては「いかなる事の報いか。神仏に祈るほかなかりけり」……。日本人と洋食との邂逅がこれほど劇的だったとは! 読み出したら止まらない面白歴史エッセイ!
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商品情報
- シリーズ
- 拙者は食えん!―サムライ洋食事始―
- 著者
- 熊田忠雄
- 出版社
- 新潮社
- 書籍発売日
- 2011.04.18
- Reader Store発売日
- 2011.10.28
- ファイルサイズ
- 0.6MB
- ページ数
- 236ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (22件のレビュー)
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やっぱり慣れ
幕末期、さまざまな事情で欧米に渡航した日本人の食べ物体験。
今からは想像もつかないほど当時の日本食と洋食はかけ離れていたはずで、拒否反応の強い人もたしかにいたようですが、意外と適応力のある人が多いな…という印象です。
もちろん和食の食材を手に入れるのさえ大変だったでしょうから、背に腹はかえられない。空腹になったらあるものを食べるしかなく、「なんとなく慣れてしまうものだ」というような文章を残している人の言葉が納得できます。
海外の都市にしょうゆが売られていたなどの意外な話も興味深い。
続きを読む投稿日:2016.06.28
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卒論のテーマに選ぶほど、幕末期の外国人と日本人の接触に関心があった。価値観や文化の違いによる衝突が面白いと同時に、瞬時に情報を確認できる現代でもそれが続いているのが不思議でたまらなくなる。
本書のテー…マである「食文化の違い」も昔から大変気になっていた。幕末期外国へと渡ったサムライ達は食事面で苦労していたのか?そもそも最大の難関と思われる肉文化はクリアできたのか?
「異域の旅行の難儀は筆にも尽くしがたき事どもなり」
結論、答えは全部ここに書いてあった。何ならタイトルにも書いてあるけど、大半がしっかりつまずいている笑
安土桃山時代から幕末にかけて日本人と西洋料理の接触遍歴を追う。といっても本書のメインディッシュは幕末なので、日米和親条約調印前夜の晩餐会をはじめ欧米に派遣された使節団や留学生グループと、かなりのページが割かれている。航行した家臣らの日記から多く引用しているため、リアルな食レポをうかがえるのも注目ポイントだ。
大いに共感できる食のカルチャーショックもそうだけど、日記に書かれたお品書きから何の料理かを想像するという楽しみもできた。
日本側が聞き取った単語を声に出してみるのも、当時の音を再現している気になれて発見も多い。(結構面白い遊びになります笑) 例えば「メール」(ミルクのこと)一つとっても、「”k”は無声音になるのか…。異国人(ここでは日本人)相手に丁寧に発音する暇なんてなかったのかな」など想像力が大きく掻き立てられた。
著者曰く、彼らの大半が現地の料理に馴染めなかったのには下記理由があるという。
①獣肉など未知の食材に対する不安・警戒感 ②におい ③調理方法・味付け である。
後期の使節団は見聞が広まっていたこともあり早々に慣れていったらしいが、初期は日本の食材や調味料を航海日数分持ち込もうとしたんだとか。確かに野菜や米・生魚と、淡白な和食への願望が筆伝いに感じ取れるし、それがまた痛いほど共感できる。。
③の味付けで言うと、「塩気が少ない」の感想が意外だった。今まで行った(数少ない)欧米の国で出された料理は、どれも塩の山に浸したかのように塩辛かった記憶しかない。「時代を経て味付けが大幅に変わったのかな?」と、またまたスケールのデカい想像をする。
※ ちなみに果物・シャンパン・アイスクリームは大丈夫だったらしい。エネルギー摂取が充足でなかったので、糖分による満足度が半端なかった。
「卓子(テーブル)上に塩・醤・酢・芥(からし)・胡椒等五六種出すといえども、皆我国の味に非ず」
こうして文字に起こされると(普段感情を露わにしない)彼らの本音も浮き彫りになったみたいで、今まで見えなかったものが見えた気になる。人間だから当たり前なんだけど、武士でも嫌なものは嫌だったんだなーって。
読むごとに自分の関心をグッと掴んできて離さない。新年早々なかなかの手応えであった!(この文脈だと手応えを感じるのは本の方だけど。苦笑)続きを読む投稿日:2024.01.04
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